すこやかメールマガジン 第 402 号【合言葉は「UITEMATE(浮いて待て)」】 みなさん、こんにちは。暑い日が続きますね。体調管理は大丈夫でしょうか? さて、先月末の日曜日の午後、静岡県伊東市沖。仲間と海で泳いでいて突然足がつってしまった 29 歳の男性が一人はぐれて行方不明となりました。しかし、翌日の午前10時ごろになって、その男性 は、約 40 キロ離れた下田市の海岸で無事救助されました。実に 20 時間以上にわたり海を漂流したの ですが、その命を救ったのは、上手な泳ぎではなく、じっと浮き続ける「背浮き」だったのです。 梅雨が明け、本格的な水遊びの季節。子どもたちはプール通いに精を出し、真っ黒に日焼けしてい ます。大いに泳ぎ、水に親しみ、夏を満喫してほしいものです。 しかし、なんとしても防ぎたいのは水の事故。「泳げるから・・・」という油断が、池、川、海等での 事故につながってしまいます。 今、 「UITEMATE(浮いて待て) 」という合言葉で取り上げられているのが着衣泳(ちゃくいえい)で す。一般社団法人水難学会(会長 長岡技術科学大学副学長 斎藤秀俊教授、新潟県)によれば、着 衣泳は、着衣のまま「泳ぐ」のではなく、着衣状態で水に浮いたり、浮きながら移動したりする技術 で、 「浮いて待て」は、水面に大の字になって仰向けに浮いた状態(背浮き)で救助を待つ方法をいい ます。 全ての水の事故例の 7~8 割が着衣状態であり、また、中学生以下の子どもの溺水の半分は河川で起 こるとされています。多くの場合、キャンプやハイキングに来ていて、服のまま水に浸かって遊んで いるときに流されるというものです。また、子どもから大人までの全年齢でみると、海岸での魚釣り のときに水に落ちて溺水する例が最も多いのだそうです。 着衣のまま水に入ると、その重みで体の自由がきかないため、助けを求めようとすると水中に立っ た状態になります。 水面より上に出るのは頭の一部だけで、 「助けて!」と手を上げると体全体が沈み、 最悪の場合、数分で心肺停止状態になることもあります。焦って手足を必死に動かしてしまうことで 体力も消耗してしまいます。 同法人の HP 資料や関係する最近の新聞記事等を参考に、「UITEMATE」のポイントを次のようにまと めてみました。 1 水いたずらができるようになれば着衣泳適齢期。服を着たまま水遊びをしたり海水浴に行ったり することも必要。 2 背浮きは、 (1)手を大の字に広げる。 (2)靴は履いたままがよい。軽い靴は浮力の助けになる。 また、コートなども、内側の空気が大きな浮力をもち、体温の低下を防ぐ働きをする。 (3)大きく息 を吸い、空気を肺にためる。あごを上げて上を見ると呼吸しやすい。 (4)手は水面より下に。ペット ボトルやかばんがあればラッコのように胸に抱える。 3 けっして泳ごうとはしないで、身体を木の葉のように浮かばせ続け、助けを待つこと。 4 一方、発見者は、とっさに水に入らず、大声で周囲に助けを求め 119 番通報してもらう。また、 ペットボトルやボールなど、浮くものがあればそれを投げ込む。 運河の多いオランダなどでは、子どもが小学校に入学するころからスイミングスクールに通わせ、 運河に落ちた場合を想定した着衣泳を習得させる保護者が多いのだそうです。 先の東日本大震災津波の際にも、この方法で多くの命が救われたことから、今、 「UITEMATE」は、そ のままの言葉でアジア諸国にも広がり、その普及が進んでいるとのこと。 悲しい事故に絶対に遭わないために、家族みなさんでぜひ一度「浮いて待つ着衣泳」の練習に取り 組まれてはいかがでしょうか。 ○アドレス登録又は配信停止は、こちらからどうぞ(^_^) mailto: [email protected] **************************************** 【お願い】 携帯電話でメールを受信されている場合、メールが届かないことがあります。これは、主に迷惑メ ール対策として、特定の発信者からのメールのみを受信するドメイン指定受信機能によるものです。 受信設定の指定メールアドレス欄に「pref.iwate.jp」の設定をお願いします。 【発 行】岩手県立生涯学習推進センター 025-0301 岩手県花巻市北湯口 2-82-13 TEL 0198-27-4555 http://www2.peref.iwate.jp/~hp1595/
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