ウ ク ラ イ ナ 概 況

ウ
● 一
般
的
事
項
●
国名: ウクライナ(Ukraine)
面積: 60 万 3,500 平方キロメートル(日本の 1.6 倍)
人口: 4,542 万人(2014 年 1 月 1 日時点)
首都: キエフ(人口 285 万人)
公用語: ウクライナ語
宗教: ウクライナ正教、ウクライナ・カトリック教など
● 基
礎
的
経
済
指
標
●
名目 GDP: 1 兆 4,519 億フリブニャ(2013 年、IMF) (1,788 億ドル)
1 人当たり名目 GDP: 31,999 フリブニャ(2013 年推計、IMF)(3,919 ドル)
輸出: 633 億 1,202 万ドル(2013 年)
主要輸出相手国(構成比):ロシア(23.8%)、トルコ(6.0%)、中国(4.3%)、
エジプト(4.3%)、ポーランド(4.0%)、イタリア(3.7%)、カザフスタン(3.4%)
輸入: 769 億 6,397 万ドル(2013 年)
主要輸入相手国(構成比):ロシア(30.2%)、中国(10.3%)、ドイツ(8.8%)、
ベラルーシ(4.7%)、ポーランド(5.3%)
外貨準備高: 56 億 2,456 万ドル(2015 年 2 月末)
対外債務残高: 1,358 億 9,100 万ドル(14 年 10 月 1 日)
外国直接投資受入残高:670 億 9,200 万ドル(14 年 10 月 1 日)
通貨単位:フリブニャ
為替レート:1 米ドル= 24.4799 フリブニャ(15 年 2 月平均)
●
政
治
体
制
●
政体: 共和制
元首: ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領
(2014 年 6 月 7 日就任 任期 5 年)
議会概要: 一院制(最高議会)、450 議席、任期 5 年
政党: ポロシェンコブロック、人民戦線、自助党、急進党、祖国、野党ブロック等
内閣:
首相:アルセニー・ヤツェニュク( Arseniy Yatsenyuk)
副首相:ワレリー・ボシチェフスキー(Valerii VOSCHEVSKYI)
副首相兼文化相:ビャチェスラフ・キリレンコ(Vyacheslav KYRYLENKO)
副首相兼地域発展・建設・住宅公共事業相:ヘンナディ・ズブコ
(Hennadii ZUBKO)
内閣官房長官:ハンナ・オニシチェンコ(Hanna ONYSCHENKO)
農業政策・食糧相:オレクシー・パブレンコ(Oleksii PAVLENKO)
内相:アルセン・アワコフ( Arsen Avakov)
環境・天然資源相:イホール・シェフチェンコ(Ihor SHEVCHENKO)
経済発展・商務相:エイバラス・アブロマビチュス(Aivaras ABROMAVICIUS )
エネルギー・石炭産業相:ボロディミル・デムチシン
(Volodymyr DEMCHYSHYN)
外相:パブロ・クリムキン(Pavlo Klimkin)
情報政策相:ユーリー・ステツィ(Yurii STETS)
社会資本相:アンドリー・ピボバルスキー(Andrii PYVOVARSKYI)
青少年・スポーツ相:イホール・ジダノフ(Ihor ZHDANOV )
教育・科学相:セルヒー・クビト(Serhii KVIT)
国防相:ステパン・ポルトラク(Stepan POLTORAK)
保健相:オレクサンドル・クビタシビリ(Alexander KVITASHVILI)
社会政策相:パブロ・ロゼンコ(Pavlo ROZENKO)
財務相:ナタリア・ヤレスコ(Natalia YARESKO)
法務相:パブロ・ペトレンコ(Pavlo PETRENKO)
ク
ラ
イ
ナ
概
況
●
政
治
動
向
●
(1)2013 年末から首都キエフで、ロシアの支援を受けようとする政府の姿勢を非難し、
EUとの関係強化を訴える親欧米派市民の抗議行動が激化。14 年 2 月にはヤヌコビ
ッチ大統領がロシアに脱出、政権崩壊。親EUのヤツェニュク暫定政権誕生(2/27)。
(2)5 月 25 日の大統領選挙では親欧米派のポロシェンコ氏が勝利。6 月 27 日にはEU
との連合協定に正式調印。10 月 26 日の最高会議選挙でも親欧米派が圧勝し 12 月
2 日には親欧米派の 5 党からなる連立内閣が成立、ヤツェニュク首相が続投。
(3)一方、ロシア系住民の多いウクライナ南東部では、旧政権崩壊以降、暫定政権に反
発する動きが広まった。3月16日、クリミアでロシアへの編入を問う住民投票を実施。
賛成票は全体の 9 割を超え、18 日にプーチン大統領はクリミアのロシア編入の条約
に調印。対する EU と米国は対露制裁措置(渡航禁止・資産凍結)を発動(3・17)。
(4)ウクライナ東部では、親露派が占領地域を拡大し、ウクライナ軍との間の武力紛争に
発展。紛争は激化し、9 月 5 日には一旦停戦合意するも、断続的に戦闘継続。
(5)東部地域での戦闘が再び激化したため、15 年 2 月 11 日に独仏露宇の 4 カ国首脳
会談を行い、2 月 15 日からの停戦を合意。停戦合意文書には親露派支配地域での
自治権付与の対話開始、地方に自治権を拡大する新憲法を 2015 年末までに発効さ
せること、親露派支配地域での地方選挙の協議、などの条項が含まれている。
●
経
済
動
向
●
(1) ウクライナは、旧ソ連諸国の中でロシア、カザフスタンに次ぐ 3 位の経済規模を持
つ。主要輸出品は鉄鋼を含む卑金属・同製品、鉱物製品、穀物等で、主要輸入品は
燃料・エネルギー製品を含む鉱物製品、化学製品、機械・設備、電気電子機器。天然
ガスの主要輸入先であるロシアとは、ガスの購入価格で度々衝突している。
(2) 09 年は金融危機の影響で GDP は 14.8%減となったが、10 年は鉄鋼輸出が持ち直
すなど GDP 成長率は 4.1%まで回復、11 年も農業が好調で経済は堅調に推移。し
かし、12 年後半から、欧州債務危機による EU 経済の停滞、ロシア経済の失速の影
響で景気が悪化。13 年には最大の輸出先であるロシア向けが鉄鋼製品、鉄道車両
などを中心に前年比 14.6%減(対世界 7.8%減)、GDP の伸び率は 0.0 となった。
(3)経済不振の中で、13 年末対外債務残高は 1,425 億ドルに増加、外貨準備高は輸入
3 カ月分の 188 億ドルに減少。14 年 2 月にはこれまで 1 ドル=8フリブニャを目安に
維持してきたドルペッグ制から変動相場制に移行。その後、フリブニャ安と輸入価格
上昇による物価上昇が続いている。
(4)政治的混乱の中で経済再建を進めようとする新政権に対し、14 年 3 月に EU は関
連金融機関を含め 2014~20 年の間に総額 112 億ユーロの財政支援を表明。翌月
IMF も 2 年間で 170 億ドルの支援を決定、世銀も 14 年には最大 30 億ドルの支援
を発表。日本は 15 億ドル、米国も 10 億ドルの金融支援を表明。
(5)金融支援決定後、主要産業集積地である東部地区において政府側と親ロシア分離
独立派の武力紛争が激化し、経済はさらに悪化。15 年 1 月 EU:18 億ユーロ、米国
20 億ドルの支援表明。3 月、IMFは拡大信用供与(EFF)175 億ドルの支援決定。
実質 GDP
最終消費支出
総固定資本形成
輸出(財・サービス)
輸入(財・サービス)
財政収支対 GDP 比(%)
経常収支(10 億ドル)
失業率(%)
消費者物価上昇率
農業生産
鉱工業生産
主要経済指標(前年比伸び率、%)
2009 年
2010 年
2011 年
△14.8
4.1
5.2
△12.2
6.4
11.1
△50.5
3.9
7.1
△22.0
3.9
4.3
△38.9
11.3
17.7
△3.9
△5.9
△1.8
△1.7
△3.0
△10.2
9.6
8.8
8.6
15.9
9.4
8.0
△1.8
△1.5
19.9
△21.9
11.2
8.0
(出所:ウクライナ国家統計局、ウクライナ中央銀行)
2012 年
0.3
7.9
2.8
△7.2
1.8
△3.8
△14.3
8.1
0.6
△4.5
△0.5
2013 年
0.0
5.6
△6.6
△8.8
△5.9
△4.4
△16.4
7.7
△0.3
13.3
△4.3
ジェトロ海外調査部欧州ロシア CIS 課(2015 年 3 月 19 日更新)
● 日 本 と の 経 済 関 係 ●
(1)貿易額 (100 万ドル、出所:財務省「貿易統計」よりジェトロ作成)
日本の輸出
日本の輸入
収支
390.5
213.3
177.2
2009 年
458.7
201.8
256.9
2010 年
667.9
170.3
497.6
2011 年
571.6
485.2
86.4
2012 年
580.5
465.2
115.3
2013 年
(2)主要貿易品目(2013 年、構成比、出所は貿易額に同じ)
日本の輸出: 自動車・同部品(71.3%)、一般機械(7.4%)、ゴム製品(4.6%)、
電気機器(3.8%)、人造繊維・同織物(2.5%)
日本の輸入: 穀物(59.1%)、鉄鉱石(23.5%)、アルミニウム・同製品(4.5%)、
無機化合物(3.6%)、合金鉄(2.6%)
(3)現地日系企業数: 42 社 (2014 年 10 月、出所:外務省)
在留邦人数: 194 名 (2014 年 6 月 27 日現在、出所:外務省)
(4)日本の政府開発援助(ODA)実績 (2011 年までの累計)
円借款:192 億 9,200 万円
実施案件例 : キエフ・ボリスポリ国際空港拡張計画
無償資金協力:29 億 1,000 万円
実施案件例 : 小児病院医療機材整備計画
技術協力:13 億 9,200 万円
実施案件例 : 市場経済化および環境分野等での技術協力研修員の受け入れ
(5)最近の動き
・2012 年 4 月、日ウ間で原子力発電所事故に関する協力協定を締結。
・2012 年 4 月、NEDO とウクライナ環境投資庁(SEIA)は、排出量取引の際に交わ
したグリーン投資スキーム(GIS)に関する契約に基づき、ウクライナ国内の省エネ
ルギープロジェクトを 319 件実施することで合意。
・2014 年 2 月 日本は世界貿易機関(WTO)に対し、ウクライナが導入している
自動車セーフガード措置について、パネルでの審理を要請。
・2015 年 2 月 日ウ投資協定締結
(6)要人往来
往 :2011 年 4 月
2011 年 4 月
2011 年 9 月
2011 年 10 月
2013 年 8 月
2014 年 7 月
来 : 2009 年 3 月
2010 年 9 月
2011 年 1 月
2011 年 2 月
2012 年 3 月
2012 年 4 月
2012 年 11 月
2013 年 6 月
2015 年 3 月
高橋外務副大臣
篠原農水副大臣
横路衆議院議長
森文科副大臣
岸田外務大臣
岸田外務大臣
ティモシェンコ首相(ネミーリャ副首相、ダニリシン経済
相同行)
コレスニコフ副首相(クリニャク文化観光相同行)
ヤヌコビッチ大統領(グリシチェンコ外相、
クリニャク文化相同行)
ヤロシェンコ財務相
リトヴィン最高会議議長
バローハ非常事態相
ポロシェンコ経済発展商務相
プロスクリャコフ環境・天然資源相
クリムキン外相
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