「哲学と大学、学問」 - 愛媛大学法文学部人文学科

「哲学と大学、学問」
日 時:平成27年3月20日(金)15:00~18:00
場 所:愛媛大学法文学部大会議室(法文学部本館8階)
講師:宮﨑裕助(新潟大学人文学部 准教授)
演題:「カントの大学論をめぐる検閲と秘密の問題」
カントの『諸学部の争い』第一部の大学論(1798 年)は、今日もなお、近代的大学の理念的雛型をも
たらした源泉として参照され続けている。しかしこの部分には前景化していないが、実際に本書が巻き込
まれてしまったことではっきりと関与している問題がある。それが、検閲(Zensur)である。本発表では
「検閲」の観点からみたカントの大学論を、他方でこれを従来ほとんど論じられてこなかった「秘密」の
モティーフへと結びつけることにより、カントが、国家権力の介入における大学(哲学)の抵抗の可能性
をどのように考えていたのかを示すことを試みる。
講師:松本長彦(愛媛大学法文学部 教授)
演題:「カントとフィヒテの大学論」
カントは、大学に於ける学問の自由を保障する装置として、理性による自由な学問研究を行う「哲学
部」の存在意義を強調している。これに対してフィヒテは、ベルリン大学設立構想に於いて、同じく「自
由」をキーワードとしながら、自らの知識学の原理から演繹的に導き出されるあるべき大学の姿を、「理
念を実現する自由な行為者の養成機関」、
「学問的悟性使用の技法学校」と規定している。このフィヒテの
大学論を中心に、大学というものについて参加者と一緒に考えてみたい。
聴講歓迎
多くの教員・学生・一般の方の御参加をお待ちしております