第 23 回 E ナース 摂食・嚥下訓練の進め方実践~口から食べるリハビリテーション (演習問題 10 問) 設問 1:摂食嚥下障害で問題となりアプローチをしなければならないリスク管理を全て選びなさい。 1.食べる楽しみの消失 2.誤嚥性肺炎 3.脱水症 4.低栄養 5.廃用症候群 設問 2:嚥下、呼吸、発声に関係のある組織を全て選びなさい。 1.口腔 2.咽頭 3.喉頭 4.食道 5.鼻腔 設問 3:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.嚥下時には呼吸が停止する 2.三叉神経は嚥下に関係しない 3.嚥下には感覚入力が大切である 4.健常者では呼気-嚥下-呼気のパターンが多い 設問 4:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.脳幹部とは視床・橋・延髄の総称である 2.脳梗塞の再発によって仮性球麻痺をきたしやすい 3.顔面神経には唾液分泌の働きがある 4.舌咽神経は両側性の神経支配である 設問 5:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.一側性の中枢性の脳障害では舌を前方へ突き出すと麻痺側へ偏倚する 2.舌咽神経は、舌の後ろ 1/3 と喉頭の味覚に影響を及ぼす 3.迷走神経核は橋にある 4.迷走神経の枝の一つである反回神経は、声帯の運動を支配する 設問 6:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.食べ物の視覚情報は、大脳の後頭葉にあり、色・形・動きなどを認識する 2.側頭葉は、聴覚認識を行う中枢であり、記憶に関連する 3.前頭葉は視覚情報や嗅覚情報を統合して最終的な食事開始の判断をする 4.半側空間無視がある場合は左頭頂葉の障害が想定される 設問 7:食事をする際に整えておくべきことを全て選びなさい。 1.覚醒を促す 2.口腔ケアと口腔内のストレッチを行う 3.離床を基本とした安定した姿勢調整を行う 4.排泄を済ませる 設問 8:左片麻痺で半側空間無視がある患者への食事援助で誤っているものを1つ選びなさい。 1.継続的に麻痺のない右方向から介助する 2.配置してある食べ物の左側を見落としやすいため、正面の視空間を認知できるように左側から介助する 3.食膳は徐々に右から左方向へと配置を変えていく 4.正面のものが視覚でとらえられるようになったら、右手での捕食動作を手添えしながら右側からアプローチしていく 設問 9:次の症例で誤っている対応を1つ選びなさい。 発症から 1 週間経過している初発の右片麻痺の患者である。意識は JCSⅠ桁であり、簡単な指示に従うことはできる。ゼリー食から食事が開始 された。右口角からの流涎と食べこぼしがあり送り込みが不良な様子が観察された。 1.喉のアイスマッサージを行う 2.舌の左側への側方運動ができるような運動訓練を行う 3.口輪筋のストレッチを行う 4.リクライニング角度 45~60 度での摂食訓練とする 設問 10:次の症例で誤っている対応を1つ選びなさい。 1.嚥下失行により嚥下反射の惹起遅延がある場合は、重力を利用した姿勢での送り込みを誘導して嚥下反射惹起を誘導する 2.注意障害により摂食時間が延長している場合は、刺激情報を狭小化した環境設定とし、必要時手を添えた摂食動作訓練を行う 3.左ワレンベルグ症候群により、頸部聴診で左梨状窩残留が強い場合は、ベッドの環境設定は患者の左を壁側とし、右廻旋位での横向き嚥 下を指導する 4.ハードブローイングは口唇閉鎖力を強め、肺活量増加や咳訓練としても有用である 第 23 回 E ナース 摂食・嚥下訓練の進め方実践~口から食べるリハビリテーション (演習問題 解答・解説) 設問 1:摂食嚥下障害で問題となりアプローチをしなければならないリスク管理で正しいものを全て選びなさい。 1.食べる楽しみの消失 2.誤嚥性肺炎 3.脱水症 4.低栄養 5.廃用症候群 正解:1,2,3,4,5 解説:すべてにおいて対応が必要である。 設問 2:嚥下、呼吸、発声に関係のある組織を全て選びなさい。 1.口腔 2.咽頭 3.喉頭 4.食道 5.鼻腔 正解:1,2,3,4,5 解説:すべてが関与している。 設問 3:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.嚥下時には呼吸が停止する 2.三叉神経は嚥下に関係しない 3.嚥下には感覚入力が大切である 4.健常者では呼気-嚥下-呼気のパターンが多い 正解:2 解説:三叉神経は顔面・口腔内の知覚や咀嚼運動などに関与する。 設問 4:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.脳幹部とは視床・橋・延髄の総称である 2.脳梗塞の再発によって仮性球麻痺をきたしやすい 3.顔面神経には唾液分泌の働きがある 4.舌咽神経は両側性の神経支配である 正解:1 解説:脳幹部とは中脳・橋・延髄の総称である。 設問 5:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.一側性の中枢性の脳障害では舌を前方へ突き出すと麻痺側へ偏倚する 2.舌咽神経は、舌の後ろ 1/3 と喉頭の味覚に影響を及ぼす 3.迷走神経核は橋にある 4.迷走神経の枝の一つである反回神経は、声帯の運動を支配する 正解:3 解説:迷走神経核は延髄にあり、咽頭・喉頭・声帯・食道などの知覚と運動を支配する。 設問 6:次の選択肢で誤っているものを 1 つ選びなさい。 1.食べ物の視覚情報は、大脳の後頭葉にあり、色・形・動きなどを認識する 2.側頭葉は、聴覚認識を行う中枢であり、記憶に関連する 3.前頭葉は視覚情報や嗅覚情報を統合して最終的な食事開始の判断をする 4.半側空間無視がある場合は左頭頂葉の障害が想定される 正解:4 解説:半側空間無視の高次脳機能障害を伴う場合は左片麻痺の患者に多く、責任病巣は右大脳半球であるため、右頭頂葉の障害が想定さ れる。 解答・解説 1 設問 7:食事をする際に整えておくべきことを全て選びなさい。 1.覚醒を促す 2.口腔ケアと口腔内のストレッチを行う 3.離床を基本とした安定した姿勢調整を行う 4.排泄を済ませる 正解:1,2,3,4 解説:すべてにおいて整えておくことが大切である。 設問 8:左片麻痺で半側空間無視がある患者への食事援助で誤っているものを1つ選びなさい。 1.継続的に麻痺のない右方向から介助する 2.配置してある食べ物の左側を見落としやすいため、正面の視空間を認知できるように左側から介助する 3.食膳は徐々に右から左方向へと配置を変えていく 4.正面のものが視覚でとらえられるようになったら、右手での捕食動作を手添えしながら右側からアプローチしていく 正解:1 解説:左片麻痺で半側空間無視がある場合は、頸部が右へ回旋して右側のみの情報しか入力できなくなるため、右側からのみの介助ではその 状態がさらに悪化する。まずは正面を向けるような姿勢の調整を行い、正面→左側へと空間認知ができるような介助とするため、右→左→右と介 助方法を個別によって変更していく。 設問 9:次の症例で誤っている対応を1つ選びなさい。 発症から 1 週間経過している初発の右片麻痺の患者である。意識は JCSⅠ桁であり、簡単な指示に従うことはできる。ゼリー食から食事が開始 された。右口角からの流涎と食べこぼしがあり送り込みが不良な様子が観察された。 1.喉のアイスマッサージを行う 2.舌の左側への側方運動ができるような運動訓練を行う 3.口輪筋のストレッチを行う 4.リクライニング角度 45~60 度での摂食訓練とする 正解:1 解説:喉のアイスマッサージは咽頭知覚が低下し嚥下反射が起こりにくい場合に行う。本症例は一側性の脳障害であり、咽頭知覚の低下はきた していないと考えられる。口唇閉鎖や舌運動が不良なことによる送り込みが低下していることが想定されるため、リクライニング姿勢で送り込みを助け る姿勢調整や口唇閉鎖アシストなどのアプローチが必要である。 設問 10:次の症例で誤っている対応を1つ選びなさい。 1.嚥下失行により嚥下反射の惹起遅延がある場合は、重力を利用した姿勢での送り込みを誘導して嚥下反射惹起を誘導する 2.注意障害により摂食時間が延長している場合は、刺激情報を狭小化した環境設定とし、必要時手を添えた摂食動作訓練を行う 3.左ワレンベルグ症候群により、頸部聴診で左梨状窩残留が強い場合は、ベッドの環境設定は患者の左を壁側とし、右廻旋位での横向き嚥 下を指導する 4.ハードブローイングは口唇閉鎖力を強め、肺活量増加や咳訓練としても有用である 正解:3 解説:左ワレンベルグ症候群の場合は病巣が左であるため、左咽頭通過不良となりやすい。その場合は、環境設定は患者の右側を壁として、左 廻旋位での横向き嚥下を指導する。 解答・解説 2
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