4 議 題 (1)平成27年度山形市国民健康保険事業計画(案)について 1

4
議
題
(1)平成27年度山形市国民健康保険事業計画(案)について
1
基本方針
国民健康保険事業は、高齢者や被用者保険を離脱した者を多く抱えるため医療費
が高く、また保険税負担能力が弱い方々の加入割合も高くなっていること等から、
事業運営は依然として厳しい状況となっております。
山形市の国民健康保険事業会計においては、医療費の伸びや課税所得の減少等に
より財政運営が厳しい中、被保険者の負担軽減を図るため基金を有効活用しながら
平成25年度に税の引下げを行いました。その結果、平成25年度決算における単
年度収支は赤字となったものの、平成26年度末における基金残高は11億6千万
円となる見込みです。
この結果を受け、平成27~28年度の国民健康保険税については、さらなる被
保険者の負担軽減を図るため、税の引下げを実施いたします。
平成27年度の事業運営にあたっては、加入者へのサービスを維持しながらも、
新たにデータヘルス計画を策定し医療費の適正化を推進してまいります。
平成30年度に国保事業運営の県への移行を控え、新たな制度設計等国の動向を
注視しながら、事業のさらなる健全運営を目指し、以下の事項に重点的に取り組む
ものとします。
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主な事業等
1 医療費適正化の推進
(1)被保険者資格点検、レセプト内容点検等の実施
縦覧点検、調剤レセプトの突合点検については、「山形県市町村国民健康保険広
域化等支援方針」に沿って、レセプト点検業務支援事業を行う山形県国民健康保
険団体連合会に業務を委託し、より効率的に実施する。
(2)ジェネリック医薬品の利用促進
・医療費(調剤費)の抑制を図るため、「ジェネリック医薬品の希望を表示した
保険証カード」を新規加入者に配布する。
・ジェネリック医薬品を使用した場合の差額通知を行い、事業効果のアップを目
指す。(年3回)
(3)医療費通知の送付
医療機関からの誤った請求や本人の重複受診・頻回受診による医療費について
の意識啓発を図るため、医療費通知を送付する。
(年2回)
(4)データヘルス計画に基づく重症化予防事業等の実施【新規】
健診及びレセプト等のデータを分析し、市民の疾病の特徴を明確にしたデータヘ
ルス計画を策定し、生活習慣病の重症化予防や重複頻回受診対策事業等を実施す
ることで、将来における医療費の抑制を図る。事業実施後は、PDCAサイクル
に沿って評価を行い、必要に応じて事業内容や手法を見直す。
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2 保健事業の推進
(1)特定健康診査及び特定保健指導の実施
特定健診・特定保健指導を実施し、市民の健康維持に寄与する。事業の実施に
あたっては、以下の取組みにより受診率の向上を図る。
※目標値:特定健診実施率 50%
特定保健指導実施率 40%
①受診対象者に個別通知を送付するとともに、各世帯へ「健診べんり帳」を配布し
て周知を図る。
②土曜日受診及び早朝受診枠の確保や健診センターでの受診を可能とするなど、よ
り受診しやすい環境を設定する。
③引き続き特定健診の自己負担額の無料化を行う。
④特に受診率の低い40歳~50歳代の未受診者に対して、電話による受診勧奨を
実施する。
(2)一括健診(国保ミニドック)への助成
一括健診(国保ミニドック)による精密健診を受診した場合、1人につき
7,000円を助成する。
(3)内科医院への送迎
前移動診療所を利用していた方を対象に、月2回(隔週)内科医院までの送迎
を実施する。
・運行地区
西山形地区、村木沢地区、滝山地区
・年間運行回数
高瀬地区、大曽根地区
約25回(各地区)
3 健全な事業運営の推進
(1)収納体制の強化と収納率の向上
①納税推進の充実・強化
定期的な情報交換会等の実施により納税課との連携を図り、納税推進の充
実・強化に努める。また、現年度分の徴収の強化や、日曜催告などの実施に
より収納率の向上を図る。
※目標収納率 90.00%(現年度分)
②短期被保険者証・被保険者資格証明書の交付
・短期被保険者証
前年度の国民健康保険税を2分の1以上滞納している世帯に対し交付し、
納税を促す。
・被保険者資格証明書
短期被保険者証を交付した世帯の内、特別の事情もなく前年度の国民健康
保険税を全く納付しない世帯に交付し、納税を促す。
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(2)保険資格適用の適正化
年金情報を活用した適用の適正化
国保への加入・離脱手続きについて周知を図る。年金被保険者情報を活用し、
厚生年金保険等の資格を取得した者に対して離脱手続きを促すと共に、未手
続き者については職権での資格喪失手続きを行います。
※退職者医療制度については、平成26年度で廃止
平成26年度までに適用になった方については、満65歳になるなど資格要件を満たさ
なくなるまでの経過措置あり。よって、適用者数は平成30年度まで毎年1年齢層ずつ
減少していき、平成31年度にはゼロになる。
(3)国民健康保険税の適正課税
①国民健康保険運営協議会より答申いただいた内容をもとに、国保税率を引下げ
加入者の負担軽減を図る。
基礎課税額(医療分)の引下げ
税率及び税額
区分
現行
改正後
所得割
9.86%
9.42%
均等割
23,700 円
22,800 円
平等割
28,100 円
26,700 円
増減
△0.44%
△900 円
△1,400 円
②課税限度額を見直し、限度額超過世帯の負担割合について均衡を図る。
区分
医療分
支援金分
介護分
課税限度額
現行
改正後
51 万円
52 万円
16 万円
17 万円
14 万円
16 万円
増減
+1 万円
+1 万円
+2 万円
(4)制度見直しへの対応及び事務の見直し
①新たな制度等についての情報収集に努め、今後の対応にあたる。
②事務の見直しを行い、業務の効率化に努める。
4 負担軽減対策
(1)国民健康保険税の7割・5割・2割の減額制度の実施
一定所得以下の国保加入世帯に対して、国保税の均等割額と平等割額を減額す
る。
5 割・2 割軽減の判定所得基準の見直しにより、対象を拡大する。
軽減割合
7割軽減
5 割軽減
2 割軽減
区分
現行
軽減の判定所得基準
33 万円(改正なし)
現行
33 万円+24.5 万円×被保険者数
改正後
33 万円+26 万円×被保険者数
現行
33 万円+45 万円×被保険者数
改正後
33 万円+47 万円×被保険者数
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(2)非自発的失業者に対する軽減制度の実施
倒産、解雇等の理由で離職された方が国保に加入する場合、国保税の計算の基
礎となっている前年の所得のうち、離職者本人の給与所得を 100 分の 30 とみな
して計算する。
(3)国民健康保険税減免制度の実施
国保税の賦課後において、一定の要件を満たし、納税が困難な方に対して、申
請により一時的・個別的な救済措置として国保税を減免する。
5 広報・啓発活動
(1)きめ細かな啓発活動の実施
①国保制度及び制度改正の内容等を理解してもらい円滑な事業運営を図る
ため、
「国民健康保険ガイドブック」や「健診べんり帳」の配布による情報の
提供を行うほか、市報やホームページ等を活用し、きめ細かな啓発活動を実
施する。
②65歳以上で障がい認定の申請要件を満たす方に対し、後期高齢者医療制度
に加入できることについて案内し、加入勧奨を行う。
③特定健康診査・特定保健指導の受診勧奨、ジェネリック医薬品の利用促進、
重複頻回受診の抑制などについて周知し、市民への意識づけを図る。
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