マーケットの見方(No.34)「欧州マイナス金利という環境」

2015年3月9日
あおぞら投信株式会社
『預金して 手数料とは これ如何に
市中に溢るる 紙幣の行方よ』
昨年、欧州中央銀行(ECB)とスイス国立銀行(SNB)が導入した、マイナス金利政策とは、民間
銀行が中央銀行に預ける準備預金に適用する金利(中銀預金金利/Deposit facility rate)をマイ
ナスとしたことを指します。現在の景気後退局面において、非伝統的金融政策にまで取り組んだ
ことは、それだけ欧州の危機感が強いとも言えます。それでは、このマイナス金利政策のポイン
トはどこにあるのでしょうか。
欧州経済はデフレに直面している、ということが第一に挙げられます。すなわち、デフレ対策と
しては、伝統的な量的緩和策では不十分であり、更なる対策が必要だと判断されたということで
す。また、政治的には、ウクライナ情勢やギリシャ問題が存在しています。いずれも中長期的に
は明確な解決策が見えない問題であり、それだけに欧州を取り巻く情勢は、“不透明感”と表現
されます。その時に、金利をマイナスにすることでユーロ安を進め、輸出企業の競争力を高めた
り、他の資産への投資を促したりすることを意図しています。日本のゼロ金利政策を上回る(下
回る)マイナス金利政策により、有効なマネーフローが作れるのか、欧州での社会的な挑戦が続
いています。既に、ドイツ株式市場の上昇などに効果が表れているとも言えますが、一方では市
場変動が高まるリスクもあり、投資行動においては、引き続きグローバルなリスク分散が重要な
要素となります。
ECB中銀預金金利(
ECB中銀預金金利(Deposit
中銀預金金利(Deposit facility rate,1999年
rate,1999年1月1日~2015
日~2015年
2015年3月5日)
4.0%
3.5%
3.0%
2.5%
2.0%
1.5%
1.0%
0.5%
0.0%
-0.5%
出所:欧州中央銀⾏(ECB)
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