るものであり、平成 25 年4月から試行を行い、25 年 10 月から全国で

広
報
資
料
平 成 27 年 3 月 12 日
警 察 庁 少 年 課
サイバー補導の現状と今後の取組について
1 概要
サイバー補導とは、インターネットの利用に起因する福祉犯被害から児童を保護
するため、児童が援助交際を求める等のインターネット上の不適切な書き込みをサ
イバーパトロールによって発見し、書き込みを行った児童と接触して注意・指導す
るものであり、平成 25 年4月から試行を行い、25 年 10 月から全国で実施し
ており、これまでに児童 597 人(25~26 年中)を補導した。
2 実施状況
平成 25 年中
補導人員(人)
児童(18 歳未満)
18・19 歳
197
158
39
平成 26 年中
合計
501
439
62
698
597
101
※平成25 年中の補導
人員等は4月15 日か
ら10 月20 日までの間
に実施された試行期間
の補導人員等を含む。
○ 補導した児童(597 人)の内訳
・女~572 人、男~25 人 ・平均年齢~16.1 歳 ・最年少~13 歳の女子(中学1年生)
○ 警察側からメール等を送信したが現場で接触できなかった件数
接触できなかった件数(件)
平成 25 年中
904
平成 26 年中
11,051
合計
11,955
3 特徴
非行・補導歴の割合(目的別)
○ 補導した児童の6割は非行・補導歴がない。
歴無し
歴有り
○ 援助交際目的の児童は下着売買目的の児童
援助交際等
と比べて、非行・補導歴を有する児童や有職
・無職の割合が多くなっている。
下着売買
○ 補導した児童の9割は援助交際等の書き込
0%
50%
100%
みにスマートフォンを使用している。※ H 2 6 , 4 月 以 降 調 査
○ 保護者の知らないうちに児童が援助交際等
A 県 の 事 例 (普 段 の 生 活 リ ズ ム の 中 で 投 稿 ・ 接 触 )
の書き込みなどをしている。
補導児童\時刻
投稿
返信
接触
15 歳(中3)
8:06
8:21
13:10
○ 無料通話アプリのIDを交換する掲示板と
16 歳(無職)
11:32
11:45
13:50
と も に S N S(ソーシャル・ネットワーキ
14 歳(中3)
13:02
14:12
17:00
ング・サービス)への書き込みも見られる。
○ 街頭補導と異なり児童と接触できないことがあるなど手間がかかる。
4 効果
○ 援助交際等を求める書き込みをして大人と出会い、児童買春等の被害に遭う可
能性があった児童 597 人を補導したことにより児童の保護と非行防止に寄与
○ 補導した児童の約半数は過去に児童買春等の福祉犯被害に遭っており、補導し
た児童からの聴取等により児童買春等の事件を検挙
5 今後の取組
○ 実施方法を工夫するなどして、引き続きサイバー補導を積極的に推進
○ サイバー補導後も児童への助言・指導を継続的に実施し問題行動が改善された
効果的な事例が報告されており、こうした事例等を参考とし効果的な児童の立ち
直り支援について検討
○ 悪質性の高い福祉犯被疑者の検挙を推進
サイバー補導の現状(平成 25~26 年中)
1 補導した児童(597 人)の内訳
目的別
合計
援助交際等
下着売買
両 方
合 計
366(24)
223( 1)
8
597(25)
中学生
高校生
41( 6) 240(16)
35
161( 1)
2
5
78( 6) 406(17)
専門学生
有職少年
無職少年
4
3
11( 1)
7
11( 1)
70( 1)
24
1
95( 1)
非行・補導歴
有
無
166( 6)
67( 1)
1
234( 7)
200(18)
156
7
363(18)
※ ( )内は、男の内数
【年齢別】
【書き込みに使用した機器】
【非行・補導歴の有無】
【書き込んだサイト】
コミュニティサイト内訳
掲示板
SNS
460
107
※平成26 年4月からの調査結果による(330 人)
2 効果的事例
(1) 保護者からの感謝事例
○ 援助交際の書き込みをしていた児童(14 歳:中学2年生)の母親から「最近携帯ば
かりいじっていて、何をやっているかも聞けず分からなかったのですが、今回の件を
きっかけに娘としっかり話をしていきたいと思います。ありがとうございました。」と
謝辞を述べた。(警視庁)
○ 下着売買の書き込みをしていた児童(17 歳:高校2年生)の母親から「娘がこんな
ことをしているとは思わなかった。娘と会ったのが悪い人ではなく警察の方で良かっ
たです。ありがとうございました」と謝辞を述べた。(山口県警察)
(2) 児童への継続的な助言・指導により問題行動が改善
援助交際の書き込みをしていたA子(17 歳:高校3年生)を補導した後、少年センタ
ーの少年補導員による面接指導を続けたところ、A子は学校生活や就職活動に熱心に取
り組み始め、その結果、生活は落ち着き、高校卒業後の就職先も決まった。
A子は「補導されたことで援助交際を本気で辞めようと決心することができた。少年
センターに通い自分の事について考える機会を持てて良かった。」と申し立て、母親から
も「充実した生活を送っている様子がうかがえる。安心して見ていられるようになりま
した。」と申し立てるなど、サイバー補導後の継続的な助言・指導により問題行動が改善
された。(千葉県警察)