2014年9月以降の銀行貸付債権市場について

ご参考資料
(投資環境レポート)
2015年3月10日
マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社
2014年9月以降の銀行貸付債権市場について
~ 投資環境と今後の市場見通し ~
昨年後半以降、原油価格の急落やウクライナ、シリア・イラク情勢の緊迫化などを背景に、銀行貸付債権市
場は一時調整局面を迎えました。しかし、足元では市場は落ち着きを取り戻しており、銀行貸付債権の価格
も堅調に推移しています。
銀行貸付債権市場の投資環境と今後の見通しについてご説明いたします。
1. 銀行貸付債権のリターンの源泉について
銀行貸付債権は、投資適格未満の企業向け貸付債権を言い、主なリターンの源泉としては「インカムゲイン」と
「キャピタルゲイン」があります。
■インカムゲイン:定期的に得られる利子収入など
市場動向にかかわらずインカムゲイン(利子収入)は獲得することが出来、安定的なリターンの源泉といえます。
世界的に低金利環境が続く中、相対的に高い利回り水準の銀行貸付債権は、定期的なインカム収入を期待する
投資家にとって魅力的な投資資産といえます。
■キャピタルゲイン:銀行貸付債権の値上がり益など
米国では、銀行貸付債権は市場で売買されており、景気動向や借り手企業の財務状況などによって価格は変動
します。銀行貸付債権の価格が上昇すれば「キャピタルゲイン」(値上がり益)を得ることが出来ます。
銀行貸付債権は、金利変動の影響を受けにくく、一般的に担保があり、債務弁済順位も高いことから、同一企業
の社債や株式などと比べ価格変動は小さい特徴があります。
投資の一例
投資家のニーズ
市場環境
世界的な低金利
相対的に高い利回り
米国の利上げ予想
銀行貸付債権への
投資
金利変動リスクの低減
米国景気の回復
景気回復の恩恵
ウクライナ、シリア・イラ
ク情勢の不透明感
銀行貸付債権のリターン(イメージ図)
キャピタルゲイン
インカムゲイン
キャピタルロス
マイナスの
リターン
■リターンの源泉:利子収入など
■特徴:
①相対的に高い利回り
②安定的なリターン
③市場金利の変動により増減す
ることがある
キャピタルゲイン/ロス
プラスの
リターン
インカムゲイン
■リターンの源泉:価格変動
■特徴:
①市場動向の影響を受けやすい
②同一企業の社債や株式と比べ
値動きは小さい
※上記はイメージ図であり、全てを表すものではありません。
上記は過去の実績であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。
1/3
ご参考資料
(投資環境レポート)
■2014年9月以降の銀行貸付債権の市場動向
昨年9月以降の銀行貸付債権市場の動向を振り返ってみると、9月、12月は原油価格の急落や地政学リスクの
高まりなどにより、一時調整しました。
しかし、足元は上記懸念が後退しつつあるなか、銀行貸付債権市場の落ち着きや、安定的なインカムゲインの獲
得を背景に、価格は戻り歩調(信用スプレッドは縮小)にあります。
銀行貸付債権のリターンの推移(インデックス・ベース※)
2.0%
1.5%
1.0%
(2014年9月~2015年2月、月次ベース)
キャピタルゲイン/ロス
インカムゲイン
トータルリターン
局面①
局面②
0.5%
0.0%
‐0.5%
‐1.0%
‐1.5%
‐2.0%
2014年9月
2014年10月
2014年11月
2014年12月
2015年1月
2015年2月
局面②
局面①
投資家のリスク回避姿勢の強まり
原油価格の急落など
・ 9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で米国の早
期利上げ観測が強まり、企業の資金調達コスト上昇
が懸念
・ イラク・シリア情勢の緊迫化
・ 米国でのエボラ出血熱拡大懸念
・ 原油価格急落によるエネルギーセクターへの悪
影響
・ ギリシャ政局の混乱
2.0%
1.5%
1.0%
2.0%
キャピタルゲイン/ロス
インカムゲイン
トータルリターン
累積リターン
1.5%
1.0%
キャピタルゲイン/ロス
インカムゲイン
トータルリターン
累積リターン
0.5%
0.5%
0.0%
0.0%
‐0.5%
‐0.5%
‐1.0%
‐1.0%
‐1.5%
‐1.5%
‐2.0%
‐2.0%
2014年9月
2014年10月
2014年11月
2014年12月
2015年1月
2015年2月
※ クレディ・スイス・レバレッジド・ローン・インデックス
出所:マニュライフ・アセット・マネジメントのデータをもとにマニュライフ・インベストメンツ・ジャパンが作成
■今後の見通し
米国の景気回復は、個人消費の基調が引き続き堅調であることや失業率の改善が続いていることなどを背景に
今後も緩やかに拡大すると考えられます。また、銀行貸付債権の借り手である企業の財務内容は健全であるた
め、デフォルト率は今後も低位で推移すると予想しており、良好な投資環境が続くと考えます。
足元の原油安はエネルギーセクターに対しては逆風となるものの、米国経済全体では、個人消費の拡大が期待
されることから、借入れ企業の企業活動にプラスに作用すると考えます。
低金利と景気回復が継続する環境下、相対的に高い利回り水準の銀行貸付債権への投資ニーズは引き続き強
いと考えられます。
銀行貸付債権は、昨年後半の価格低下(信用スプレッドの拡大)により相対的に利回り水準が高くなっており、割
安感もあります。総合的に考えて、今後も銀行貸付債権にとっては安定して利息収入を享受できる環境が期待さ
れます。
上記は過去の実績であり、将来の動向を示唆・保証するものではありません。
2/3
ご参考資料
(投資環境レポート)
【ご参考】銀行貸付債権の直接利回り、信用スプレッドの推移(インデックス・ベース※)
(2014年9月~2015年2月、各月末時点)
5.75%
5.50%
5.25%
5.00%
4.75%
直接利回り
信用スプレッド
4.50%
14年9月
14年10月
14年11月
14年12月
15年1月
※ クレディ・スイス・レバレッジド・ローン・インデックス
出所:マニュライフ・アセット・マネジメントのデータをもとにマニュライフ・インベストメンツ・ジャパンが作成
15年2月
当資料に関する留意事項
● 当資料は、マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社(以下「当社」といいます)が、投資判断の参考となる情報提供を目的として作成した
ものであり、特定の投資商品の推奨を目的としたものではありません。
● 当資料記載のデータや見通し等は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
● 当資料は、信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、正確性、適時性を保証するものではありません。
● 当資料の内容は、作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
● 各指数に関する著作権等の知的財産、その他一切の権利は、各々の開発元または公表元に帰属します。
● 投資信託は、預金または保険契約でないため、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
● 証券会社以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の保護の対象になりません。
● お申込みの際は、必ず最新の投資信託説明書(交付目論見書)で商品内容をご確認の上、ご自身で投資のご判断をお願いいたします。
● 当資料に関する一切の権利は、引用部分を除き当社に属し、いかなる目的であれ当資料の一部または全部の無断での使用・複製はできません。
マニュライフ・インベストメンツ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1985号
加入協会:一般社団法人投資信託協会
3/3