News & Analysis イーストスプリング・インベストメンツ PBRは1.6倍程度に低下 アジア株式の投資環境整う イーストスプリング・ インベストメンツは 現在価値にして理論株価を求める配当割引 2015年3月3日、機関投資家を対象とした モデルを使って実証を試みた。 「 アジア・セミナー」を開催した。 実証結果を踏まえて藤野氏は、「 経済成 長率のある市場ほど株式の期待リターンは 目覚しい発展を遂げるアジアの「政治・経済」 「株式」 セミナーは3部構成で行われ、 「 政治・経 高くなる。実際にアジアは他地域をしのぐ 済」は政策研究大学院大学の学長を務める 経済成長力を持っており、それが株式の高 白石隆氏、「 株式」はイーストスプリング・ い期待リターンのドライバーとなっている」 続いて「 債券」では、オイ氏がアジア債券 インベストメンツのシニア ファンド マネ との見方を示した。 市場の投資魅力について「 アジア債券市場 ジャーの藤野哲氏、「 債券」はイーストスプ ③のバリュエーションでは、その目安とな は、他市場より相対的に利回りが高い。ボ リング・インベストメンツ( シンガポール) るPBR( 株価純資産倍率)に着目。 「 PBR ラティリティ( 価格変動率)は、アジア以外 リミテッドで債券部門チーフ・インベスト がリーマン・ ショ ック前の2007年の約3 の新興国と比較して低位にあり、G7( 主要 メント・ オフィサーを務めるブン・ ペン・ 倍から、2012年 以 降は1.6倍 付 近まで低 7カ国)並みの水準に落ち着いている。かつ オイ氏が担当した。 下しており、アジア株式は投資を行うのに適 て課題とされていた流動性も大幅に改善さ このうち「 株式」では、藤野氏がアジア株 した環境といえる。配当利回りも主要市場 れた」と語った。 式の投資機会をとらえる効果的なアプロー を上回っている」 ( 藤野氏) 「 投資家のリスクに対する認識の変化が チを、①リスク②リターン③バリュエーシ こうした特徴を持つアジア株式市場に適 引き起こす本源的価値からの乖離( ミス・ ョン( 投資尺度)④運用スタイルの4つの視 した運用戦略とは何か。その解の1つとし プライシング)に投資機会がある」と明かす 点から説明。②のリターンについては、 「経 て藤野氏は、実際の企業価値より割安な銘 オイ氏。アジア債券で中長期のリターンを 済成長力がある」と漠然とした理由で語ら 柄に投資する「 バリュー戦略」と、これにイ 得るには、 「 景気循環の際に生じる金利動向 れがちなアジア株式の収益性の高さに関し ンカム( 配当収益)というアプローチも加え とクレジット・スプレッドの見極めが重要 て、将来の配当金を期待収益率で割り引き、 た「 バリュー+インカム戦略」を提案した。 になる」とアドバイスした。 4 Spring 2015 「債券」の状況が紹介された
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