平成 26 年度鉱害防止事業事前評価検討会の 結果について(とりまとめ

平成 26 年度鉱害防止事業事前評価検討会の
結果について(とりまとめ)
(案)
平成
年
月
関東東北産業保安監督部東北支部
平成 26 年度鉱害防止事業事前評価検討会
目 次
Ⅰ.検討会の目的
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅱ.評価対象事業の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅲ.検討結果の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
参考1
「平成 26 年度鉱害防止事業事前評価検討会」委員名簿・・・6
参考2
検討会の開催経緯
・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
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Ⅰ.検討会の目的
当省は、平成25年4月に金属鉱業等鉱害対策特別措置法第4条の規定に
基づく「特定施設に係る鉱害防止事業の実施に関する基本方針(第5次基本
方針)」を新たに制定し、鉱害防止事業の着実かつ計画的な実施を行ってい
るところある。
一方、当該基本方針において「鉱害防止工事を実施するに当たっては、
限られた予算の中で、必要性の高いものから効率的に実施していく必要が
あるため、工事の進捗に合わせ、その妥当性、緊要性、効率性等の観点か
ら専門家による事業評価を行いながら、残存する鉱害防止工事の早期の完了
を目指すこと。」とされている。
これを受け、関東東北産業保安監督部東北支部は、新たに実施が計画され
ている尾花沢鉱山及び小山鉱山の集積場の安定化対策工事について、休廃止
鉱山鉱害防止等工事費補助金の更なる適正な執行を図る観点から、有識者に
よる事業の妥当性等の評価を行う「平成 26 年度鉱害防止事業事前評価検討
会」を設置することとした。
なお、当該検討会は、当支部長の私的検討会として、設置することとした。
Ⅱ.評価対象事業の概要
1.尾花沢鉱山
第三集積場の安定化対策工事
(1)集積場の現状について
①地震動に対する現状の安定性
・ 安定性に係る調査の結果、レベル1地震動、レベル2地震動の両方に
対して安定性が確保できていない状況である。
・ 平成23年3月11日の東北太平洋沖地震の際に堤体天端に亀裂が生じる
等の被害が発生している。
②集積場崩壊等が生じた場合の想定される被害
・ 農業への被害(水田 25ha)
・ 坑廃水中和処理事業への被害(中和処理機能、中和殿物処分等)
・ 県道への被害
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(2)安定化対策工法(案)について
①安定化対策工法
 固結工法(中層混合処理工法)
【計画概要】かん止堤法面の小段部において、幅 5.5m×深 11.0mの
範囲の土層とセメントを中層混合工法にて撹拌・混合し
て固化する(この位置を固化することによって、すべり
破壊を抑制する。)。
【施工期間】約 2 ヶ月
【直接工事費(概算)】約 42 百万円
(経済比較)盛土工法:固結工法=1.37:1
②施工後の安定性評価結果
 レベル1地震動、レベル2地震動の両方に対する安定性を満足する。
③附帯工事等
・ 特に工事費に大きく影響するものは発生しない。
2.小山鉱山
松ヶ沢集積場の安定化対策工事
(1)集積場の現状について
①地震動に対する現状の安定性
・ 安定性に係る調査の結果、レベル1地震動、レベル2地震動の両方に
対して安定性が確保できていない状況である。
②集積場崩壊等が生じた場合の想定される被害
・ 農業への被害(水田 12.5ha、農業用貯水池)
(2)安定化対策工法(案)について
①安定化対策工法
 固結工法(表層混合処理工法+中層混合処理工法)
【計画概要】かん止堤の位置にて中層混合処理工法で地盤改良するこ
とにより大きい滑り破壊を抑制し、表層2mの土層とセ
メントをバックホーで混合して固化することにより鉱
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さいの表層滑り破壊を抑制する。
【施工期間】約 12 ヶ月
【直接工事費(概算)】約 50 百万円
(経済比較)
盛土工法(流用土):盛土工法(改良土):固化工法=1.01:1.20:1
②施工後の安定性評価結果
 レベル1地震動、レベル2地震動の両方に対する安定性を満足する。
③附帯工事等
・ 工事用道路(延長 400m)の整備が必要。
(工期約○ヶ月、施工費約○○千円)
Ⅲ.検討結果の概要
1.主な検討内容
平成 26 年度の評価対象事業に係る調査設計業務の進捗に合わせて、主に
次の事項についての確認・評価を行った。
(1)第 1 回検討会
 地震動に対する現状の安定性評価等に係る調査結果、集積場崩壊等が
生じた場合の想定される被害について確認し、集積場の安定化対策の
必要性や緊急性等について検討を行った。
 安定化対策工法の素案について意見交換を行い、提案された工法の妥
当性(事業効果や費用対効果等)の検討を行った。
 委員からの意見等に基づき、被害想定や工法の妥当性に係る確認すべ
き事項等の整理を行った。
(2)第 2 回検討会
 第 1 回検討会における意見等(被害想定、工法の妥当性等)に対する
確認・検討を行った。
 対策工法の最終案について意見交換を行い、提案された工法の妥当性
(事業効果や費用対効果等)の検討を行った。
 対策の実施に当たり留意すべき事項等の検討・取りまとめを行った。
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2.検討結果
(1) 尾花沢鉱山
第三集積場の安定化対策工事
 集積場の現状の安定性や想定される被害から、安定化対策工事の必要
性・緊急性があると確認・評価された。
 安定化対策工法として提案された「固結工法(中層混合処理工法)」に
ついて、事業効果(施工後の安定性評価等)や費用対効果等について検
討した結果、特に問題が無く、妥当な内容であると確認・評価された。
 液状化による堤体沈下の影響や固結工法による地下水の流動への影響
等に関する意見があったが、これらについても問題無いことが確認され
た。
 事業実施にあたっての留意事項として、次の意見を得た。
・ 効率性の観点から、○○について、・・・を考慮すべき。
・ 施工管理として、△△に留意すること。
等々
(2)小山鉱山
松ヶ沢集積場の安定化対策工事
 集積場の現状の安定性や想定される被害から、安定化対策事業の必要
性・緊急性があると確認・評価された。
 安定化対策工法として提案された「固結工法(表層混合処理工法+中層
混合処理工法)」について、事業効果(施工後の安定性評価等)や費用
対効果等について検討した結果、特に問題が無く、妥当な内容であると
確認・評価された。
 固結工法(表層改良)の工事効果の再検討、盛土工法の後方集積物を盛
土材へ利用すること等について意見があり、これらを含めて検討した結
果、上記の工法で問題ないことが確認された。
 事業実施にあたっての留意事項として、次の意見を得た。
・ 効率性の観点から、附帯工事の○○について、・・・を考慮すべき。
・ 施工管理として、△△に留意すること。
等々
以上
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参考1
「平成 26 年度鉱害防止事業事前評価検討会」委員名簿
委員氏名
所属・役職
◎井上 千弘
東北大学大学院 環境科学研究科 教授
奥山 武彦
山形大学 農学部
教授
風間 基樹
東北大学大学院 工学研究科
教授
五十音順、◎は座長
参考2
検討会の開催経緯
第1回検討会
平成26年10月31日 13:30~16:00
(仙台第二合同庁舎8階会議室)
第2回検討会
平成26年12月19日 13:30~16:00
(仙台第二合同庁舎8階会議室)
以上
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