3-2.導入施設の検討と設定

3-2.導入施設の検討と設定
(1)導入要素・機能の設定
平成 12 年度の基本計画では、基本構想及び市民懇話会を踏まえ、本公園に導入すべき機能
として 7 つの要素と 13 項目の機能に整理している。
現在においてもこれらの要素及び機能は、本公園に概ね必要なものであり、本計画におい
てもこれらの要素・機能を導入要素・機能として設定する。
表
導入要素・機能
要
素
自然的要素
導入する機能
市民懇話会提言要旨
自然の活用
自然探索機能
自然修景機能
親水機能
健康的要素
スポーツ的要素
一般的な運動機能
本格的利用
健康運動機能
気軽な利用
活動的レクリエーション機能
多目的利用
本格的運動機能
県施設化
気軽な運動機能
表面仕上げへの配慮
段階的整備
交流的要素
多様性・多彩な魅力
バリアフリー
県施設化
レクリエーション的要素
便益施設の充実
広域的要素
静的魅力~動的魅力機能
アクセスの整備
小空間~大空間での活動機能
さまざまな利用者への対応
広域的魅力機能
多様な利用時間への対応
住民の参加
市民意識の高揚
防災的要素
十分な安全性
避難地機能
防災機能
(備蓄機能、耐震性貯水槽、
放送機能、ヘリポートなど)
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(2)導入施設の設定
平成 15 年度の基本設計では、平成 12 年度の基本計画を踏襲し、導入施設を設定している。
本基本計画においては、基本設計の内容を基本とするが、次のような観点で一部見直しを行
う。
・あらゆる人々が利用できる公園とすることから、限られた空間の中で本格的な運動機
能と活動的なレクリエーション機能など、区分(役割)を明確にする必要がある。
・公園区域内に国定公園の特別地域に指定されていることから、特に特別地域の自然環
境の保全が求められている。
・昨今の社会状況や市の財政状況を鑑みると、単年度における多額の事業支出や国費な
ど財源確保が困難な状況にある。また、中期・長期的な財政を考慮すると、適正な維
持管理とその負担額を踏まえた検討が必要である。
・香芝市地域防災計画において、
「現在、市には広域避難地の指定がないため、運動公園
の整備にあわせて、広域避難地の指定を行う。
」とされている。
・市内にある総合プールが老朽化しており、対応が急がれる。
①野球場の整備内容の見直し
基本設計時では本格的な大会にも対応可能な内野観覧スタンドのある野球場が計画され
ている。本基本計画では、以下の視点で、多目的に利用できる競技場整備を優先し、野球
場については、専用の球場から多目的な兼用グラウンドでの野球利用へ見直しを行う。
・市内の高塚グラウンド・観正山グラウンド・高山台グラウンドの 3 箇所で野球やソフ
トボール利用が可能であり、健民運動場ではソフトボールが利用可能である。一方、
市内にはサッカーやラグビーに対応した芝生フィールドの施設がない。
・周辺自治体では、前述の通り、多目的グラウンド、テニスコート、体育館を整備して
いる所が多く、多目的グラウンドでは、サッカー、野球、ソフトボールの利用が可能
な施設が多く見られる。専用グラウンドとしては、野球場を有する市はあるが、陸上
競技場は県(橿原公苑)と奈良市(鴻ノ池運動公園)のみであり、本公園内に陸上競
技に対応可能な施設を設けることで差別化を図ることができる。
・既存 3 グラウンドの利用率は前述の通り、土・日・祝日の平均で約 5 割~7 割程度で
あり、土・日・祝日の利用が 8 割を超えるテニスコートほど切迫した状況にないと考
えられる。
②自然林部分の見直し
自然環境の保全や事業費の削減等の観点から、山上等に計画されていたピクニック広場
等の整備については、国定公園の区域界付近の尾根筋の活用やスポーツ施設整備のための
造成により新たに創出される空間の余白地等での整備を検討する。
③プールの新設
総合プールの老朽化に伴い、本公園に屋外プールを整備する。あわせて、市民が年間を
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通じてプール利用できるよう、屋内温水プールも整備する。
以下に、基本設計時の導入施設を見直した本計画での導入施設一覧を示す。ただし、前
述したようにゾーニング等を踏まえ、施設整備のあり方については検討を加えることとす
る。
表
導入施設一覧①
本格的スポーツ施設
軽スポーツ施設
スポーツ施設群
施
設
名
多目的広場
施設整備のあり方
野球やフットサル、グラウンドゴルフ等の利用もできる
多目的利用の施設とする。
災害時には、緊急避難の場、最終避難地、救援活動、復
旧・復興活動の拠点として機能する。
多目的競技場
トラックによる陸上競技、フィールドでのサッカー・ラ
グビー(場合によっては、野球・ソフトボール、さらに
は、軽スポーツとしてのゲートボール・グラウンドゴル
フなど)
、その他各種スポーツ利用だけでなく、文化的
なイベントにも利用ができる、多目的な施設とする。
災害時には、緊急避難の場、最終避難地、救援活動、復
旧・復興活動の拠点として機能する。
テニスコート
市のテニス活動の中核施設としての規模・水準を備え
る。また、大会利用等のみならず、レクリエーション利
用として、多様な利用者への対応を図る。
災害時には、緊急避難の場として機能する。
武道館
市内で行われている各武道が、本格的に活動できる施設
として整備する。また、室内スポーツ等にも利用できる
整備を行う。
災害時には、一時的避難生活の場として機能する。
軽スポーツ広場
緑の広がりと木陰のある緑の広場施設の中で、軽スポー
ツのための広場を設ける。
ジョギング・マラソン路 園路広場等を利用し、距離に応じた複数のコース設定を
行う。
健康づくり施設
ストリートスポーツ施 どこでもスポーツに親しめる施設として、ストリートバ
設
スケットや壁打ちテニス等ができる、
場所を問わないス
ポーツ空間を設置する。
トリム・フィットネス施 緑との調和の中で適宜配置し、コースに沿って公園内を
設、アスレチック施設
移動しながら健康づくりを楽しめる施設とする。
レジャー施設
トレーニングジム
建築施設に併設する。
プール
水泳競技の大会や市民の日常の健康管理とレクリエー
ションのための施設として幅広く利用されるよう、屋
内・屋外で様々な形態のプールを整備する。
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表
導入施設一覧②
施
設
名
自然探索・観賞施設
施設整備のあり方
現況の優れた自然林を保存・活用することを基本とし
て、自然とふれあい、季節を感じ、新しい発見と出会い
があるよう、探索できるルートを場所に応じて配置し、
自由に楽しめる施設とする。
花と緑の施設
平坦地や緩傾斜地を利用して、身近な自然を提供できる
場となるよう、花木・紅葉・草花等の親しみのある植物
によって幅広い利用者に対応し、花と緑の美しさに季節
遊・憩い施設群
感を感じる施設とする。
水の修景施設
せせらぎや調整池を修景的に整備し、
水の景観づくりを
行い、遊び場ともなり、市民すべてが楽しめるコミュニ
ケーション施設とする。
緑の広場施設
ピクニックや軽スポーツのできる広場として、傾斜地も
利用した形で、芝生による緑の広がりと木陰のある施設
とする。また、魅力ある遊具の設置や休憩施設の配置を
検討する。
魅力施設
広域的にアピールでき、
子どもたちに親しまれる施設と
して、強い魅力をもったシンボリックな遊具の設置を検
討する。
野外活動的施設
さまざまな魅力ある野外空間を十分活用するための施
設として、
それぞれにおいてその拠点となる施設を設置
する。
広域避難施設
災害時には、屋外の広場や建物を利用して、地域防災計
画において指定予定の広域避難地として活用する。広域
防災施設群
的な避難を対象とし、救援活動等の拠点、ヘリポート、
復興時の仮設住宅用地などとして活用する。
防災設備
避難スペースのほか、防災上必要とされる応急的な生活
に対応した備蓄倉庫、耐震性貯水槽、放送設備などの設
備を配備する。
なお、段階整備を行う必要がある場合には、老朽化が進み早期に整備が求められる「屋外
プール・屋内温水プール」、ならびにこれら施設を管理する「管理棟」、市内に同等の施設が
無く、奈良県内でも数少ない陸上競技対応の「多目的競技場」
、様々な市民のニーズに応える
ことのできる「多目的広場」を優先して整備することとする。
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