時代が求める技術で、 製造業のさらなる発展を

時代が求める技術で、
製造業のさらなる発展を
徳島県は、製造業が強い地域と言われています。県内総生産に占める製造業のウエ
イトは26%と全国平均の18%を大きく上回っており
(2011年度)、直近の鉱工業生産指
数(2014年9月、2010年=100)
を見ても、108.7と全国の98.0に比べ、かなり高い数字に
なっています。
もちろん、大塚グループと日亜化学工業という2つの大企業グループが頑張って数字
を引き上げている面もありますが、徳島には、
この他にも、機械や部品など、一般消費者
にあまり知られていなくても全国的にシェアの高い製品を作っている企業がかなりあり、
徳島の製造業を支えています。
今後、徳島の製造業がさらに発展していくためには、時代が求める技術と各企業の
独自技術の接点を見つけていく視点が重要です。
時代が求める技術の一例は、消費電力が少なく省エネにつながる技術で、LEDはそ
の典型です。徳島県はLED産業の集積に力を入れており、現在、県内のLED関連企
業は123社にのぼっています。徳島大学では、LEDの光を応用して、生活に革新を起こ
すLEDライフイノベーション研究のプロジェクトを立ち上げており、血液浄化、癌治療、花
粉症治療、植物育成、水産資源増殖など、新しい用途の開発によるLEDライフ産業の
創成が期待されています。
地方創生の具体的分野として農業の振興、6次産業化が挙げられますが、農機具の
開発や選果機械、保存・加工の汎用機械など機械化の推進は重要な課題です。徳島
経済同友会の海外視察でオランダのハイテク農業施設が集まる植物工場を訪れました
が、光、気温、湿度、換気、養水分をコンピューターで完全に制御して効率的な農業を
行っており、
こうしたシステム作りの技術や最近話題の高圧処理技術など食品加工に
付加価値を与える技術の活用でも、製造業の可能性はさらに広がります。
徳島にベアリングの工場を持つジェイテクトは、同社の持つ先端技術を駆使して、阿
波踊りの複雑な動きを再現する
「阿波おどりロボット」
を開発しました。
ロボット技術は、新
たな産業革命を実現する戦略的分野とも言われており、介護・福祉、農業、観光など幅
広い用途で活用が期待されています。
また、基礎技術として現在発展中で今後普及するであろう3Dプリンターを自社技術
の中に採り入れ、生産性向上や新規分野への進出を考えることも、必要でしょう。当面、
試作品の作成などには大きな効果が期待されます。未来に向け、
こうした取り組みを産
官学連携で推進していく必要があります。
2015
Spring
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