18 式根島温泉プロジェクト事業

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式根島温泉プロジェクト事業
企画提案者 :(一社)式根島観光協会
自 治 体 : 新島村
事業実施者 : パシフィックコンサルタンツ
(株)
対象地域 : 新島村式根島
現状・課題
成 果
式根島の温泉は、秘湯としての評価が高いがPRが十分でなく知名度の向上に課題がある。また、式根
島には手頃な価格の土産品が少なく、観光客の島内消費額も伸び悩んでいる。そこで、秘湯マニアの中で
は全国でも有数の評価を受けている式根島の温泉を、より多くの旅行者に認知してもらうとともに、手軽な
価格の土産品やPRに使えるグッズとするため「入浴剤」の開発を行う。
●製品仕様の決定
実施内容
❶消費者ニーズ調査
新島・式根島の温泉や入浴剤について、一般消費者(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県在住)
、来島者、
島内観光事業者のニーズを把握し、商品化に向けた条件を整理。
・一般消費者(WEB調査)
式根島の温泉の認知度は低いが、入ってみたいと回答した人は7割を超える。日常的に入浴剤を利用
する人の5割以上が、島の温泉の入浴剤を使用してみたいと回答した。
・来島者
新島・式根島の一番の特徴・魅力は温泉との回答が最も多かった。約6割の回答者が、温泉の雰囲
気や効能があれば入浴剤を使用したいと回答した。
・島内観光事業者
約6割の回答者が宿の風呂で入浴剤を使用することについて、温泉の雰囲気があればよいと回答した。
約8割の回答者が入浴剤をお土産として販売することについて、商品や販売方法に何か工夫があれば
売れるのではないかと回答した。
東京の島 湯ったりめぐり
名称
式根島・地鉈の湯
式根島・足付の湯
新島・湯の浜
添書き
お家のお風呂で
秘湯気分を味わおう
海と空に包まれた
海中温泉気分をお家でも
波打ちぎわの白い砂浜
青い空と海に包まれて
色
赤褐色+白濁
青みをいれた
エメラルドグリーン
水色 + 白濁
香り
ベルガモット
プルメリア
カモミール
青空や満天の星空の下での
入浴が人気の海中温泉。
湯色
は青空が映りこんだ青みと
松の緑が溶け合ったエメラ
ルドグリーン
湯の浜は、水平線に沈む夕日
が絶景の露天温泉。この温泉
は無色透明なため、湯色は羽
伏浦海岸の真っ白な砂浜と
青い海をイメージ
保温、保湿
保温、保湿
ごつごつした岩場にある野
性味のある露天。独特の赤褐
イメージ 色の湯色
成分
容器
アルミシール袋
容量
30g
ラベル
❷特産品開発及び改良
①商品化の方向性の検討
【種類】島の代表的な3つの温泉をイメージ 【効能等】薬事法の制約により効能は記載しない
【包装】島のイメージを伝えられるもの 【名称】島のお土産と分かるもの
【販路】土産物として観光客への販売が主目的。観光協会のホームページなどでインターネット販売も
検討。
②試作品のチェック
式根島地鉈温泉、式根島足付温泉、新島湯の浜温泉をイメージした3種類の試作品を作成した。
【島内観光事業者関係者アンケート】
結果:実際に使用した上で、色や香りについて意見を伺い、これに基づき試作品を改良
【東京都近郊在住・在勤者モニターアンケート】
結果:香り・色とも「良い」とする意見が多く得られた。ただし、地鉈温泉と湯の浜温泉は、白濁を
望む意見が少なくなかったため、最終製品にはこの点を改良することとした。
③ネーミングとパッケージデザイン
【ネーミング】
SNSを活用して新島・式根島ファンから募集したネーミングをもとに、ワーキンググループで検討し
て決定。
【パッケージデザイン】
3種の温泉をイメージした写真をベースにしたパッケージデザインを3パターン作成し、試作品Ⅱの
モニターアンケート結果をもとに選定。
④販売戦略の検討
ネット販売、旅館・民宿、土産物店における販
路について検討をした。また、島での販売方法
について、入浴剤のPR及び販売促進の役割を
担うリーフレットを作成し、入浴剤と合わせて配
布することにより、新島・式根島の魅力を多くの
人に知ってもらい観光促進につなげる。
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保温、保湿
表面はシール貼り
裏面は袋にダイレクトプリント
デザイン
■価格設定:1袋150円 3つセット(リーフレット付き)500円とする。
課 題
①販路の確保
島内の民宿や土産物店での販売と同時に、民宿等での利用を促進していくことも必要である。また、販
路として内地での取り扱い店舗を増やすことも必要であり、竹芝桟橋等での販売を検討していく。
②PR展開
WEB調査では、式根島のことをほとんど知らない方が6 割以上であり、関心度は高いとはいえない。
そのため、
今後は多くの人が集まる場所や多くの人が通行する場所などで、島のPRを展開していくことが求められる。
今後の展開
①香りや色、デザインの見直し、島の魅力をアピールする写真の入れ替えなどを図り、磨き上げていく。
②伊豆諸島全体で協力しPR展開を図る。シリーズ化し商品数を増やしていく。
③式根島にある素材や商品を活かし、ソフトの工夫により観光地としての魅力を高めていく。
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