平成 27 年 3 月号 労働保険事務組合 エンジェル会だより 会 長 特定社会保険労務士 森戸 北野 常雅 栄喜 〒730-0017 広島市中区鉄砲町 7 番 8 号 ホームページ: http: //www.m-cg.co.jp 3月の事務カレンダー 10 日 ○源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付【郵便局または銀行】 ○雇用保険被保険者資格取得届の提出【公共職業安定所】 16 日 ○26 年分所得税の確定申告および納付、所得税の青色申告承認申請、個人住民税・個人事業税 の申告、贈与税の確定申告および納付【税務署】 31 日 ○法人税の申告と納税(1 月決算法人及び 7 月決算法人の中間申告)【税務署】 ○個人消費税の申告と納税【税務署】 ○健保・厚生保険料の納付【郵便局または銀行】 労働基準監督署の調査(臨検監督)について 臨検監督とは、労働基準監督官が実施する行政指導のことで、事業場に立ち入りもしくは事業 主等を監督署に呼び出し、労働基準関係法令に違反がないか調査を行い、法令違反があった場合 はその是正を勧告し、指導を行なうことです。 臨検監督には以下の種類があります。 ① 定期監督(定期的に実施するもの) ② 申告監督(労働者の通報等をきっかけとして実施するもの) ③ 災害時監督・調査(労働災害発生時に災害の原因の調査や再発防止指導を実施するもの) 近頃では、②の申告監督が増えてきていますが、臨検監督のほとんどは①の定期監督です。 管轄の労基署により、定期監督の実施サイクルはまちまちですが、監督署の理想としてはおよ そ 3 年から 4 年周期で監督するのが理想のようです。 調査に至る手順は、監督署より事前に文書で調査の通知があり、調査実施日に事業主等が 用意した資料を監督署へ持ち込み、その資料をもとに監督官が聴取を行い、法令違反があれ ば、監督官がその場で是正勧告書を作成し事業主等へ交付するといった流れになります。 (抜き打ちで臨検監督を実施する場合もありますが、その場合は、事業所へ立ち入り調査 となります。) 調査時に労基署へ持ち込む資料は主に以下の通りです。 ・調査票(労基署から調査案内に同封されており、調査日までに記入して持ち込みます。) ・賃金台帳、出勤簿またはタイムカード(労働時間を記録した資料) ・労働者名簿、労働条件通知書または雇用契約書 ・就業規則、給与規定 ・直近に届けた 36 協定届(時間外・休日労働に関する協定届) ・賃金控除協定書 ・定期健康診断個人票(直近のもの) ・調査実施の案内状、来所者の認印 以上の他に変形労働時間制を採用している会社の場合は、変形労働時間制に関する協定届 を持ってくるよう指示があります。 臨検監督で調査するポイントは主に以下の点です。 ・時間外または休日労働が発生している場合、割増賃金は適正に支払われているか ・就業規則、賃金規定に基づき給与が支給されているか ・36 協定届(時間外・休日労働に関する協定届)が届出されているか ・給与から、法律に基づく控除(税金や社会保険料の控除)以外で会費等の賃金控除を 行っている場合、賃金控除に関する協定書が作成されているか ・定期健康診断が適正に実施されているか、定期健康診断で、以上の所見のあった従業員 に関して医師等の意見を聴取して、労働者の実情を考慮して就業場所の変更、作業に転 換等の措置を講じているか 上記のうち、割増賃金に関して未払いがある場合は、最高 2 年まで遡って支払いを勧告す ることが可能ですが、実際は 3 か月まで遡って支払いを命じる是正勧告が多いようです。
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