東⽇本⼤震災と福島第⼀原発事故から間もなく4年にな ろうとしています。 福島第⼀原発事故は収束するどころか放射性物質を⼤量 に放出しつづけ、年度内の汚染⽔処理も不可能な状況であ ることが明らかとなっています。そして、3年前は異常が みられなかった⼦どもたちから新たな甲状腺がん発症の報 告もされています。 その⼀⽅で、「100 ㍉シーベルトまでは安全」(⻑崎⼤・ ⼭下俊⼀⽒)のキャンペーンのもと、年間 20 ㍉シーベル ト以下の地域への帰還が進められています。低線量被曝、内部被曝による健康への影響がきちんと解明 されないままの帰還に住⺠の不安は募るばかりです。 2012 年に開設した「ふくしま共同診療所」では、多くの医師や医療関係者の協⼒のもとで被曝によ る健康被害と向き合い、あるいは仮設住宅を訪問し、住⺠に寄りそった医療活動を⾏ってきました。 そのなかで、次のような課題が浮きぼりとなっています。 ① ⼩児甲状腺がんが多発しており、甲状腺に限定されない⾮がん性障害も懸念されます。これら に対する対策が必要とされています。 ② 「安全・安⼼」のキャンペーンに対しては、科学的な批判と正しい情報を住⺠に提供していく必 要があります。 ③ 増加する「震災関連死」に対して、医療的・社会的な援助と防⽌策を⽴てなければなりません。 ④ 「避難・保養・医療」の原則に⽴って、医療活動を強化していくことが求められています。 4年⽬の「3・11」を前にして、被曝と向き合う医療をいかに実践していくのか。 「安全・安⼼」の空⽂句で福島の⼈々が切り捨てられることを、決して許してはなりません。 チェルノブイリや世界的な教訓から学び、福島県に暮らす⼈たちの⽣の声に⽿を傾け、ともに討論し ながら福島の課題とその克服に迫っていければと考えます。 韓国の反原発運動は多様な方向 <賛同⼈> から展開してきたが、とりわけ放 今井 重信(湘南中央病院理事⻑) 射能の危険性を知らせる取り組み 南川 逸雄(南川げんきクリニック院⻑) は一定の成果を出している。 ⼭⼝ 研⼀郎(現代医療を考える会代表) また、原発周辺住民に対する疫 郷地 秀夫(東神⼾診療所所⻑) 学調査により女性の甲状腺がんの増加が明らかに ⿊岩 卓夫(医療法⼈萌気会理事⻑) なっており、これを受け一人の住民が原発運営会社 末光 道正(⼋尾北医療センター⻑) を相手に起こした損害賠償裁判で原告が一部勝訴し 春⽇井 清(内科医、⻘森県) た。現在、約 300 名の甲状腺がん患者が集団訴訟を 遠藤 順⼦(医師) 準備中だ。韓国の脱原発への歩みはゆっくりと、し 武⽥ 啓治(医師) かし着実に踏み出されている。 東 顯(医師) 松本 ⽂六(医師) 金益重(キムイクチュン)先生からのメッセージ *順不同、敬称略[1⽉ 31 ⽇現在]
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