「 み ま も り ネ ッ ト ワ ー ク 」

地元事業者の強みを活かした
「みまもりネットワーク」
東住吉支部と、以前から「高齢
い」という大阪府電機商業組合
東住吉区は、住宅街が約9割
を占め、核家族化が進むなか、
者の見守り活動を広げたい」と
考えていた東住吉区社協が手を
高齢者が増え、地域において孤
立死するケースも浮き彫りにな
取り、平成
年6月からプロジ
っています。高齢者の困りごと
を発見し、見守るには、家族・
いが始まりました。
ェクトの具体化に向けた話し合
活のさまざまな場面で関わる企
業・商店が、本業を活かしてで
きることもあります。
区社協にとって、企業・商店
との本格的な協働は初の試み。
まずは、互いに拠り所となる目
年
東住吉区社協では、平成
の春から、区社協職員が地域の
せず「地元事業者」が専門分野
ーワードや、電気屋さんに限定
的・ビジョンを定めました。そ
お店や人が集まる所を訪れ、草
における関わりから、より多く
の中で「安心・安全」というキ
の根広報活動として、社協や地
の目で地域住民の困りごとに気
「地元事業者との連携による見
づき、解消できるネットワーク
クト~地元地域電気店編~」と
域活動のパンフレットを手渡し
思いを知りました。
して始動しました。
て回っていました。その中で、
まちの電気屋さんは、ご自宅
に訪問し電気まわりのことをは
をつくっていくことを確認。そ
じめ、その他の困りごとを相談
電気は、私たちの普段の暮ら
しに欠かせないもの。しかし、
の思いから、プロジェクト名を
しやすい立場にあります。その
守りネットワーク構築プロジェ
特 性 を 生 か し て、
「地域密着の
使い方によっては火災の危険性
まちの電気屋さんと出会い、こ
まち の 電 気 屋 さ ん が
専門 分 野 を 活 か し 、
地域 貢 献
「みまもりネットワーク」
始動
近隣・福祉関係者だけなく、生
25
れまで温めていた地域貢献への
25
店だからこそできる貢献をした
きっかけにすることが考えられ
活かした啓発・点検を見守りの
電気屋さんならではの専門性を
っていることが多いことから、
世帯ほど、危険な状態のまま使
もあります。特に高齢者だけの
地域によっては、日頃の見守り
回、区社協職員も同行。また、
ねらいがあり、セミナーには毎
頼して訪問できるようにという
顔の見える関係のもと互いに信
食事会の場面で実施するのは、
「無料点検」をおこないます。
協が保管。
※緊急連絡先については、区社
③「無料点検」の希望者を募集
電気に関するDVD上映
②地元電気屋さんによるお話と
ネットワーク」の事業説明
①区社協職員による「みまもり
の流れ〉
〈電気の安心安全セミナー実施
れました。
ィアも訪問点検に一緒に参加さ
につなげようと、地域ボランテ
ました。
「電気の安心安全セミナー」
を開催
第1回の活動は、昨年の9月
3日、育和地区・桑津地区の食
地域の高齢
事サービスから始まりました。
具体的には、区内
真、 希 望 す る 高 齢 者 宅 に 訪 れ
安心安全セミナー」を開き=写
者が集う食事会の後に「電気の
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東住吉区
※区社協が重点事業として取り組んでいる事業を紹介しています。
2014年(平成26年)6月1日 4
ケース
◆訪問点検で実際に気づいた
用いて実施。
ど点検用のチェックシートを
がたまっていませんか?」な
「コンセントの周りにほこり
トは古くありませんか?」
ていませんか?」
「コンセン
か?」
「差し込みが弱くなっ
「タコ足になっ ていません
「今まで遠くの電気屋さん
に来てもらっていたけど、近
◆訪問点検依頼者の声
会話が弾んだ」
員が一緒だったので、自然に
「地域の人とコミュニケー
ションが取れている区社協職
◆地域ボランティアの声
思う」
感は依頼者にとって大きいと
が仲立ちしているという安心
たのがよかった。区社協職員
「食事会で顔を会わせてか
らお宅を訪問させていただい
◆参加した電気屋さんの声
らに広がっていけば〝まちの電
守りが東住吉区だけでなく、さ
役割だといえます。電気店の見
コール情報の周知を図ることも
ぐためにも、身近な電気店がリ
に使っており、事故を未然に防
リコールがあったことも知らず
るという機会が少ない高齢者は
ターネットを活用して情報を得
るケースは多々あります。イン
齢者が対象商品を使い続けてい
どのリコールを発表しても、高
陥で、メーカーが回収や修理な
す」と柳本さん。家電製品の欠
切。何よりも信頼関係が大切で
ず、 長 い 目 で 考 え る こ と が 大
ま す。 目 先 の 利 益 に こ だ わ ら
の当たりにすることも多くあり
ん。
と東住吉区社協の佐々木雅子さ
が対応したケースもあります」
ただき、地域包括支援センター
屋さんから、区社協に連絡をい
必要ではないかと気づいた電気
で、住宅改修や介護サービスが
す 。「 高 齢 夫 婦 の お 客 さ ん 宅
きていま
面が出て
ながる場
発見につ
のニーズ
ら高齢者
屋さんか
も、電気
の場面で
訪問以外
また、
無料点検
を延長しており、プラグが
齢による暮らしぶりの変化を目
・細い電線を使いコンセント
くだと助かる。何かあったら
気屋さん〟に対する認識も変わ
・冷蔵庫後ろのコンセントに
るケースが多く見られた。
焼け、形が歪んでいるのを
すぐに来てもらえるという安
この一年間で実施した区社協
と電気屋さんの検討会は計
◆無料点検の内容
発見。
心感がうれしい」
ってくると柳本支部長らは考え
も単独ではなかなかできませ
んばろう〟という思いはあって
です。いろいろな人・組織が
〝が
「 地 域 を よ り よ く す る た め
に、社協の存在は絶対に不可欠
られます。
携を図れるように検討がすすめ
の地域活動者や福祉専門職が連
後は、このプロジェクトに多く
携体制につながっています。今
意識の高まりと、スムーズな連
の電気配線をおこなってい
さら な る 見 守 り 活 動 に
つな げ て い く た め に
重ねで叶いました。 5 大阪の社会福祉 第709号(毎月1回1日発行) 「大阪の社会福祉」は共同募金配分金を活用して発行しています。
「平行ビニールなどの細い
電線を使っていませんか?」
たくさんのほこりが溜まっ
〈平成 年度合計〉
ん。 今 回 の 見 守 り 活 動 を 通 し
☆食事サービスの参加者
て、日頃から地域の人の声に耳
また、こうした思いや強みを
もつ地元事業者は電気店だけで
ています。
ている。
を傾け、その思いをつないでい
はありません。これからも地域
・東住吉区は戦前からの家屋
全国電機商業組合連合会が呼
びかける「高齢者宅無料点検訪
るのは社協の方々だと感じまし
と共に歩む仲間を広げ、より多
回。地道な積み重ねが、見守り
問」の強化月間はありますが、
た。その社協とつながり、柳本
1234人
福祉との協働でひとり暮らし高
支部長のもと同業者が力をあわ
くの目で見守り活動をおこなっ
がたくさんあり、電気配線
齢者宅を訪問する取り組みは全
ていきたい方針です。
18
10
も古く、独自の日曜大工で
協力電気店への呼びかけは、
支部長の柳本久芳さん(=写真
国的にも注目されています。
せ見守り活動を進めることがで
20
☆訪問点検
177回実施
店舗
右)や、プロジェクトリーダー
きています」と石野さん。
☆協力電気店
を務めた地元電気店の石野隆さ
「地域の電気店は 年、 年
とお付き合いが続く商いで、加
きかけ日頃のおつきあいの積み
ん(=写真左)らが同業者に働
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