1.件名「 (独)日本原子力研究開発機構JMTR原子炉施設の管理区域外への放射性物質の 漏えい等に関する面談」 2.日時:平成27年2月26日(木)10時30分~12時35分 3.場所:原子力規制庁10階南会議室 4.出席者 原子力規制庁 原子力規制部 黒村安全規制管理官(新型炉・試験研究炉・廃止措置担当) 安全規制管理官(新型炉・試験研究炉・廃止措置担当)付 杉山安全管理調査官、桝見安全審査官 石井安全規制管理官(再処理・加工・使用担当) 安全規制管理官(再処理・加工・使用担当)付 小川安全規制調整官、長谷川安全規制調整官、山口管理官補佐、 竹内管理官補佐、佐藤原子力施設検査官、菅原品質管理専門職 (独)日本原子力研究開発機構 安全・核セキュリティ統括部長 大洗研究開発センター 近藤所長、材料試験炉部長、他4名 5. 要旨 (1)本日急遽面談することとなった経緯等 ○原子力規制庁から、 (独)日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。 )大 洗研究開発センター所長と本日急遽面談することとなった理由について、法令報告事 象の後始末をしている中、保安検査で様々な事実が発覚し、問題が広がってきている 状況の中、前回面談以降は概ね1ヶ月状況報告もなく、また、2 月 24 日の面談※1 にお いて、原子力機構安全・核セキュリティ統括部が本件に対して軽視するような対応で あったことから、同部に話をしても問題意識が伝わらないと判断し、所長を呼ぶこと となったこと、また、同部が問題を軽視し、本件について適切な対応をしていないな らむしろマイナスになるのではないかと懸念していることを改めて伝えた。 ○これに対し、原子力機構から、安全・核セキュリティ統括部としては大洗研究開発セ ンターの状況を把握し、経営面に反映すべき内容について対応している。また、大洗 研究開発センターとしても、1 月 28 日の面談※2 及び 2 月 13 日に保安検査が終わった 後、恒久的対策については最優先で対応し、16 日までに大洗内で資料をまとめ、翌日 17 日に窓口である原子力規制庁試験研究炉班に安全・核セキュリティ統括部を通じて 説明の日程調整を依頼しており、本件に関しては、最優先事項として捉えており、軽 視しているということは全くない旨の回答があった。 ○原子力規制庁管理職は、この時点まで原子力機構から面談の依頼があったことを知ら なかったため、原子力規制庁から、原子力機構より面談の申し込みがあったことにつ いて、組織内の連絡調整が十分にできておらず、安全・核セキュリティ統括部が問題 を軽視し、さも対応してこなかったかのような発言をしたことについて陳謝するとと もに、今後このようなことが起こらないよう徹底して対応する旨を伝えた。 (2)原子力機構から配布資料(1)に基づき、Cトレンチ及びタンクヤード内廃液配管の 恒久的対策のための実施計画について説明があった。これに対し、原子力規制庁から、 主に以下の点を指摘した。 ○原子力規制庁として、現在の状態は許可を受けた状態ではないと認識している。原子 力機構の説明では、 配管を取り替えるまでは応急措置で対応するということであるが、 現在の予定では配管の取替えまでの期間が長いと考える。設計及び工事方法の認可申 請(以下「設工認」という。 )を早期に申請して、それまでの応急措置の期間を可能な 限り短くすべきであり、その方法はあると考える。 ○法令報告や設工認など手順はいろいろあるが、重要なことは、現状から許可を受けた 状態に戻すまでの規制上の流れが途切れないようにすることであり、現在は、先般の 法令報告で途切れ、配管取替の設工認が申請されるまで管理されない空白期間のまま となってしまっていることが問題である。 ○そのため、法令報告の続報として応急措置等の必要事項を記載するとともに、早期に 設工認を申請し、許可要件を外れた状態であっても管理された状態にしていることを 明らかにすることが必要である旨伝えた。 ○本件については、現在の状況として聞き置くが、これまでも伝えてきたように早期に 法令の道筋に入れる必要がある。 (3)原子力機構から配布資料(2)に基づき、平成 26 年度第 4 回保安検査における法令報 告事象への指摘事項への対応について説明があった。これに対し、原子力規制庁から主 に以下を指摘した。 ○本件は、 法令報告事象の発生以降、 関連した様々な事実が保安検査で確認されており、 それらを含めて法令報告の中に盛り込む必要がある。 ○保安検査における指摘事項について、機構、センター等どこまで対応するかは法令報 告の書き方の問題であるが、指摘事項については機構全体として捉えて対応しないと また同じ事を他で指摘することになり、それが現に繰り返されている状況であること から、機構内では単に情報が共有されるだけで、問題意識がきちんと伝わっていない のではと危惧している。 ○今後の計画について、工程表を作成することまで求めるものではないが、一番重要な ことは、 「何が」 、 「どういう順序で行われているのか」 、 「行うべき項目に漏れがないの か」 等について面談を通じて情報を双方で共有することが必要である。 しかしながら、 この 1 ヶ月近く、今何が行われているのか判らない状態が続いていたが、今後は現状 を的確に把握し、情報共有されたい旨伝えた。 (4)原子力機構より、配付資料(3)に基づき説明があり、原子力規制庁から以下の点を 指摘した。 ○ひびに対する放射線透過検査について、検出する精度が定量的に把握されていない中 でひびの有無を判断していることから、その状況を踏まえると配管が健全であるとは 言えないこと。 ○漏えいに至らないひびについて、技術基準や許可との関係において適合しているとは 言えない状態であること。 ○Cトレンチ以外の配管部分についても、共通の要因があるのであれば取替の対象とし て含めることを検討すべきであること。 原子力規制庁からの指摘を踏まえて、原子力機構より以下のとおり回答があった。 ○漏えいに至らないひびについても、今回の漏えい事象を踏まえると健全とは言えない ことから、水抜きや送水停止等の措置をとっている。 ○Cトレンチ以外で共通の要因が考えられる配管については、炉室内貯槽の取り合いま での部分等も対象として交換する予定である、またタンクヤードから先の廃棄物管理 事業に属する配管については、以前に配管取替が行われており、また施設定期検査と して加圧漏えい試験を毎年実施されている。 (5)この他、原子力機構から、Cトレンチの防水工事等について説明があった。また、当 該工事について設工認の必要性について質問があり、原子力規制庁でその要否を確認し て後刻回答する旨、原子力機構に伝えた。 (6)原子力機構より、本日の面談の全体を通して指摘事項等について了解し、それを踏ま えて法令報告の続報を提出する旨、発言があった。 (7)面談終了後、原子力規制庁で本日の面談の内容を再検討し、下記の点について補足・ 訂正等を行うこととし、同日、原子力機構に伝えた。 ○次に提出される報告書は、前回法令報告の補正ではなく、第3報とすること。 ○Cトレンチ内配管については、背景要因として検討するとともに、取替えに係る設工 認までの間の措置について検討し、法令報告に含めること。 ○機微情報を含むとの理由で提出されなかったCトレンチの管理区域化に係る図面につ いては必要なマスキング処理を施した図面を改めて提示すること。 ○Cトレンチの内外壁面の塗装について、設工認は不要である。 6. 配布資料 (1)Cトレンチ及びタンクヤード内廃液配管等の恒久的対策のための実施計画 (2)平成 26 年度第 4 回保安検査における法令報告事象への指摘事項について (3)Cトレンチについて (4)Cトレンチの防水塗装と管理区域化について (5)中村寿和、他「海塩粒子を含む大気によるオーステナイトステンレス鋼の外面応力腐 食割れ」 、防食技術第 34 号(1985 年) ※1 平成 27 年 02 月 24 日(独)日本原子力研究開発機構JMTRにおける法令報告に関 する面談 (http://www.nsr.go.jp/data/000098742.pdf) ※2 平成 27 年 01 月 28 日 (独)日本原子力研究開発機構JMTR原子炉施設の管理区 域外への放射性物質の漏えい等に関する面談 (http://www.nsr.go.jp/data/000098252.pdf) ※3 平成 27 年 01 月 14 日 (独)日本原子力研究開発機構JMTR原子炉施設の管理区 域外への放射性物質の漏えい等に関する面談 (http://www.nsr.go.jp/data/000097041.pdf)
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