(仮称)千葉市ペット霊園の設置等に関する条例(案)のあり方 の概要 1 策定に至った経緯 近年の少子高齢化及び核家族化の進展に伴い、ペットを「家族の一員」として捉 え、人間同様、その死後においてもペットを埋葬して供養する事例が増加していま す。そのためのペット霊園が無秩序に乱立することにより、周辺住民等との紛争や 周辺環境への悪影響を未然に防止する必要があります。また、焼却施設から発生す る悪臭等も問題となっています。 本市においては、市議会の平成19年第 1 回定例会でペット霊園の建設反対を求 める請願が、全会一致で採択されたところです。しかし、現在ペット霊園を直接規 制するような法的枠組みはなく、新たな法整備がなされる見込みもないことから、 本市では、ペット霊園が乱立することを防止し、良好な生活環境を確保するために、 実効性のある規制が必要であると考え、条例のあり方の策定を行うこととしました。 2 条例(案)のあり方の概要 (1)対象地域 市内全域を対象とします。 (2)対象施設 ペット霊園を対象とします。ただし、既存のペット霊園には適用しないもの とします。 * ペット霊園とは、埋葬施設、埋蔵施設、納骨施設、焼却施設、管理事務 所とこれらの附帯施設とします。 (3)主な内容 ア 設置許可 ペット霊園を設置しようとする者は市長の許可を受けなければなりませ 1 ん。ペット霊園は設置者の自己所有地に設置するものとし、許可に当たって は、環境に関する基準(別表1)及び施設に関する基準(別表2)に適合す る必要があります。 また、環境保全の観点から、臭気・ばいじんが発生しないような適正な焼 却が行われるように廃棄物焼却施設の設備構造基準に準じた基準(別表3) に適合する必要があります。 イ 事前協議 ペット霊園が適正に設置されるよう、適正な指導を行い、円滑に手続を進 めるため、アの許可を受ける者は、許可申請に先立って、市長と事前協議を 行うこととします。 ウ 事業者の義務 近隣住民の理解を得て紛争を未然に防止するため、事業者に対して、設置 計画地への標識の設置、近隣住民等への説明会の開催等を義務付けます。 エ 維持管理等 ペット霊園の適正な維持管理計画の策定を義務付け、これに違反した場合 には、市長が必要な措置を講ずるよう命ずることができる旨の規定をします。 オ 事業者への勧告等 市長は、条例に違反する事業者に対して勧告、命令、公表等を行うことが できるものとします。 (4)条例制定のスケジュール 平成19年12月下旬∼平成20年1月下旬 「パブリックコメント」で提出された意見の集約及び反映 平成20年 2月 平成20年第1回定例会に議案を提出(予定) 3月 条例の公布(予定) 4月 条例の施行(予定) 2 (別表1) 環境に関する基準 1 河川、海又は湖沼からペット霊園までの距離は、20メートル以上で あること。 2 住宅等(住宅、学校、保育所、図書館、博物館、公民館及び病院並び にこれらの敷地をいう。以下同じ。 )からペット霊園までの距離が、 50メートル以上であること。ただし、埋葬施設にあっては、100メ ートル以上とする。 3 ペット霊園を設置する場所は、高燥で、かつ、飲料水を汚染するおそ れのない土地であること。 4 1∼3に掲げるもののほか、ペット霊園を設置する場所は、公衆衛生 上支障がない土地であること。 5 ペット霊園の設置後において、河川、海又は湖沼の改修により1に規 定する距離内に当該ペット霊園が存することとなった場合及び当該ペ ット霊園の設置者以外の者が2に規定する距離内に住宅等を設置した 場合において、公衆衛生上支障がないと市長が認めるときは、1及び2 の規定を適用しない。 (別表2) 施設に関する基準 1 墳墓は埋蔵施設とすること。ただし、市街化調整区域であって、公衆 衛生上支障がないと市長が認めるときは、埋葬施設とすることができ る。 2 ペット霊園の境界から墳墓が見えないように障壁又は密植したかん 木の垣根等を設けること。 3 出入口には、施錠のできる門扉を設けること。 4 区域内には、砂利敷その他ぬかるみとならない構造を有し、かつ、幅 員が1メートル以上の通路であって、各墳墓に接続しているものを設け ること。ただし、墳墓の構造、配置等により公衆衛生上支障がないと市 長が認めるときは、この限りでない。 5 区域内には、適当な排水路を設け、雨水又は汚排水が停留しないよう にすること。 6 ペット霊園の区域内には、便所及び使用水の施設を設けること。 7 ペット霊園の区域の面積に占める緑地の面積の割合は、5分の1以上 とすること。 8 ペット霊園を利用する者の自動車の台数を想定して、必要とされる駐 車場を設けること。 9 建築物の屋根、外壁、その他の外部から望見される部分、屋外広告物 等は、美観等を損なわない色彩及び装飾を用いるよう配慮すること。 10 ペット霊園の設置に必要な関係法令を遵守していること。 3 (別表3) 焼却施設に関する基準 1 焼却施設の空気取入れ口及び煙突の先端以外に焼却設備内と外気と が 接することがなく、燃焼室において発生するガス(以下「燃焼ガス」 という。)の温度が摂氏800度以上の状態で焼却できるものであるこ と。 2 焼却施設の燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。 3 燃焼室内において焼却物が燃焼しているときに、燃焼室に焼却物を投 入する場合には、外気と遮断された状態で、定量ずつ焼却物を燃焼室に 投入するものであること。 4 燃焼室中の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられている こと。 5 燃焼ガスの温度を保つための必要な助燃装置が設けられていること。 6 脱臭対策として、二次燃焼室が設けられていること。 4
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