「消化機能から探る草食動物の秘密」(PDF:301KB)

平成25年度
千葉市未来の科学者育成プログラム
総合コース・医療系コース「消化機能から探る草食動物の秘密」
「草食動物って、本当に真の草食動物なの?」。みなさんはどう考えますか?動物公園で草食動物の
消化の仕組みを論理的に学び、実際の草食動物と見ながら、消化機能の秘密を学びました。
日時:6月22日(土) 10:00~12:00
会場:千葉市動物公園 動物科学館
講師:千葉市動物公園飼育課 副主査 松本 和人 先生
当日は、天候にも恵まれ、動物公園でプログラムを受講するには絶好の条件が整いました。
動物公園は、動物の生態を学ぶことができる博物館です。動物公園で学ぶことは大きな意味があります。
前半は、動物科学館レクチャールームにて、草食動物の消化
機能に関する講義を受けました。
動物の分類・細胞の仕組みから、「デンプン」「セルロース」
といった炭水化物に話題が発展しました。
そして、
「草食動物は微生物の助けを借りて炭水化物を吸収
する」
「消化器の位置が胃の前にあるか後にあるかによって、
2つのタイプに分かれる」
「消化システムが暴走すると体内に
大変な事態を招く」ことなど、内容が非常に深まりました。
後半は、子ども動物園に行って、実際の動物を見ながらの
ガイドツアーでした。
はじめは、子ども牧場舎で、ウシとウマの糞を比較し、前腸
発酵動物と後腸発酵動物における消化機能の特徴を学びました。
ウシとウマの糞を水に流し、その特徴を比較して見るという
実演は、受講生に大きな印象を与えたことでしょう。
次に、ヤギとヒツジのひろばに移動しました。数頭のヤギに
囲まれながら説明を聞くという経験は、なかなかありません。
そのような中で、ヤギの丸い糞を実際に見ながら、ヤギの食性
に関するわかりやすい説明を受けました。
さらに、話題は、家畜の過放牧が砂漠化の原因になっている
こと、草食動物の消化システムを使用した農耕法などの社会的
な問題にまで話が及び、非常に大切なことを学びました。
「草食動物は、体の中に1つの牧場を持っていて、微生物という家畜を飼っている」
今回のプログラムで、受講生は草食動物に対するイメージが大きく変わったのではないでしょうか。
今回講師をしてくださりました千葉市動物公園飼育課の松本先生、本当にありがとうございました。