平成25年度 第3回 千葉市中学校科学部研究セミナー 千葉市中学校科学部員が、千葉市未来の科学者育成プログラム(総合コース)受講生 とともに、『鳥類の食性と消化器官から見た、飛翔への特性「飛翔のための大いなる 工夫 ~鳥類の生理・消化機能の驚異~」』について学びました。 日時:7月30日(火) 10:00~12:00 会場:千葉市動物公園 講師:千葉市動物公園飼育課 副主査 松本 和人 先生 今回のテーマは「鳥類の飛翔」。鳥類は空を飛ぶために様々 な工夫をしています。しかも、空を飛ぶことは、食性や消化器 官とも関係しているのです。 鳥類は、空を飛ぶために体を軽量化しています。大きな鳥で も約13kg しかありません。また、翼を迅速に動かすという 激しい筋肉運動をするため、体温は約40℃と高体温を維持し ています。 鳥類の呼吸器は、気嚢という、肺に空気を送り込む、ふいご のような機能があり、「吸って吐いて」×2が1セットという 独特の呼吸をしているようです。そして、鳥類の心臓はとてもパワフル。そのため、心拍数も、ヒトと 比べると、かなり高い数値に達するとのことです。このように、鳥類の驚くべき機能が次々と画面に表 示されると、科学部員と受講生は感心した様子で講義を聴いてい ました。 鳥類の話は、食性や消化機能に関する話に入っていきました。 典型的な穀類食性種の鳥類(ニワトリ) 、魚食性の鳥類(ヘビウ) 、 植物を採食して微生物の発酵作用を利用する鳥類(ツメバケイ) など、鳥類が様々な食性によって分類できることを学びました。 また、体温が高くて活動性が高い鳥類にとって、水分の保持も 重要事項で、体温上昇を防ぐために水分の気化作用による冷却 効果を利用していること、窒素廃棄物をかなり濃縮して水分を節 約しているようです。 ◆トピックス「セキショクヤケイからニワトリへ ~家畜とは~ 」 野鶏からニワトリへの話は、 「家畜の原種ゾーン」に移動して、 「セキショクヤケイ」や「ニワトリ(小 国) 」の展示動物の前で行われました。 「セキショクヤケイ」や「ニワトリ(小国)」の家畜化は、夜中に ほぼ決まった時間に鳴くという習性を活かして、時計代わりの目的で始まったようです。そして、家畜 化により、産卵マシーンとなったニワトリ、白色レグホンは、自分自身で卵を育てられる習性がなくな ってしまうという特徴が明らかになりました。 科学部員と受講生は、今回のプログラムを通じ、普段何気なく飛んでいるように見える鳥が、体のメ カニズムをうまく活用して飛んでいるように見えることでしょう。また、食生活になじみのあるニワト リの話を通じ、人間が、 「育てる」という習性を持ち、命の尊さを認識することができる生き物であるこ とを学んだことでしょう。 今回講師をしてくださりました、千葉市動物公園飼育課の松本先生、本当にありがとうございました。
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