パブリックコメントにおいて「無効審判における請求人適格に関する運用(案)」 に対して寄せられた御意見と御意見に対する回答 通番 提出者 1 2 3 2団体 1団体 1団体 御意見 の箇所 1頁 1頁 1頁 項目等 2. 2. (1) 2. (2) 寄せられた御意見 御意見に対する回答 利害関係の意義を解釈するに当たっては、無効審判制 度が有する公共的性格を十分に勘案し、公共の利益に 関わる無効理由(特許法123条1項2号所定の特許 法38条違反及び特許法123条1項6号違反を除 く。)については、利害関係の意義を厳格に解すべき ではなく、利害関係に関する要件充足性を柔軟に考え る運用が望ましい。 利害関係の審理にあたっては、いたずらに利害関 係の有無のために多くの時間と労力を費やし、そ のために本案の審理が著しく遅くなるというよう な弊害をなくすべく、請求人は請求書に利害関係 についての記載をする必要はなく、合議体は当該 記載がなくても補正を求めないこととします。ま た、被請求人が利害関係について争わない場合は 利害関係について請求人に釈明を求めることなく 審理を進めます。これらにより、利害関係に関す る要件充足性を柔軟に運用します。この点につい ては、審判便覧でも公表します。 利害関係人についての審理に関して、「被請求人が利 害関係について争う場合であって、請求人が利害関係 を有することが合議体において明らかであるとき」と あるが、合議体は、どのような事実を以って明らかと 判断するのか(同業者であれば利害関係があると判断 されるのか)。 特許法第101条(侵害とみなす行為、間接侵害)に あたる行為を実施する者、あるいはそれに類似する行 為を実施する者(実際に101条にあたると判断され る必要はない)も請求人適格があるとの理解でよい か。 例えば、当該特許発明に類似する発明を実施して いることが一般に広く知られており、その事実を 当事者に確認するまでもないときなどが考えられ ます。 特許法第101条(侵害とみなす行為、間接侵 害)にあたる行為を実施する者は、同条の規定に より侵害した者とみなされ、「法律的に直接の影 響を受ける」と言えます。よって、御理解のとお りです。 4 1団体 2頁 2. (2) 5 1団体 2頁 2. (2) 6 1団体 2頁 2. (2) 7 2団体 2頁 2. (2) 8 1個人 3頁 2. (2) 「(2)当該特許発明を将来実施する可能性を有する 者」の3つが例示されているが、当該特許発明を実施 できる設備を有さず、且つ将来実施する可能性を有す る者は、どのように利害関係を証明すればよいのか (例えば、製造(試作も含めて)は外部に委託し、自 社では設計等のみを行い、販売するような場合)。 いずれの御意見も、仮想事例が、本運用案におけ る過去の裁判例を整理した例示に当てはまるかの 御質問であり、それに対応する裁判例もないた め、お答えすることはできません。 なお、便覧には具体的な裁判の事件番号とその概 要も掲載しますので、これらをご参考としてくだ さい。 「(2)当該特許発明を将来実施する可能性を有する 者」の例「当該特許発明を実施できる設備を有する 者」とは、どの程度の設備があれば利害関係人となる のか(例えば、実験室レベルの設備を指すのか、それ とも工業化レベルの設備を指すのか)。 「(3)当該特許権に係る製品・方法と同種の製品・ 方法の製造・販売・使用等の事業を行っている者」に おける「同種」の指す範囲について、まったく同じ製 品でなくても、当該特許権にかかる製品・方法と同じ 業界、すなわち、特許製品・方法の参入により影響を 被る恐れがある範囲(例:高血圧に効く医薬品Aの特 許であれば、高血圧用医薬品の業界)との理解でよい か。 原案では、「和解があれば一律に利害関係が認められ 御指摘を踏まえ修正しました。 なくなる」と解釈されるが、和解の内容に含まれない 新たな係争が生じ、新たな利害関係が生じる可能性が ある。修正するべき。 運用案2.(2)(e)中「おこなう」を「行う」と 御指摘のとおり修正しました。 するべき。
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