◇子どもも一人の人間として基本的人権を尊重 子どもの権利には主に、生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利の 4 つがあり ます。 大人以上に人権を侵害されやすい子どもは、社会的に保護され、守られなければならない存 在です。しかし、子どもを取り巻く環境は、いじめ、体罰、虐待などに見られるように大変深 刻な状況です。 ◇いじめは重大な人権侵害行為であり、絶対に許されない行為 「いじめ」の原因や背景については、核家族化、少子化から生 じる子どもの対人関係の経験不足、地域社会の正義感や連帯感の 希薄化、他人の誤った行動に対しても傍観者的態度をとりがちな 傾向等が指摘されています。また、その根底には、他人に対する 思いやりや、いたわりといった人権意識の立ち後れがあると考え られています。この問題を解決するためには、教育機関はもとよ り社会全体の意識の改革が必要です。また、いじめ対策推進基本 法案が 2013(平成 25)年6月に成立し、国民の重要課題として取り組まれることになりました。 ◇児童虐待は、重大な人権侵害であり、しつけとは全く異なるもので、許されない行為 子どもの虐待には、身体的虐待(暴行) ・心理的虐待・ネグレクト(養育放棄・拒否) ・性的 虐待があります。最近は、乳幼児や児童を親族が虐待し、死にまで至らしめるという痛ましい 事件が多発しています。そのため、2000(平成 12)年には「児童虐待の防止等に関する法律」が 施行されましたが、事態の深刻化により、2004(平成 16)年・2007(平成 19)年に改正・施行され ています。 児童虐待は、主に家庭内で起こり、しかも親子の絆と愛憎が絡むため見えにくく、その対応 も難しいものがありますが、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、関係機関や 市町村に通告する義務があります。 ◇児童の商業的性的搾取の問題の深刻化 最近では、国内外での児童買春や性的虐待、インターネット上における児童ポルノの氾濫な どの問題が深刻になっており、わが国においても、1999(平成 11)年に「児童買春、児童ポルノ に係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が施行(2004(平成 16)年一部改正・2011(平 成 23)年一部改正)されるなど、問題解決に向けて社会の関心も高まっています。 ◇子どもの人権を尊重するために 子どもの人権を保障するために、国連で「子ども(児童)の 権利条約」(1989(平成元)年)が採択されました。1994(平成 6)年に 日本も批准しました。現在、世界の 193 国が加盟しています。 岐阜市においても、2006(平成 18)年に「岐阜市子どもの権利に 関する条例」が制定され、子どもも一人の人間として尊重する 取組が進んでいます。
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