Stroptococcus faecalisの 金 子 裕 憲 ・北 原 分 離 され た 尿 路 感 染 症 の 臨 床 的 検 討 研 ・富 水 登 志 ・岸 洋 一 ・新 島端 夫 東京大学医学部泌尿器科学教室 (主任:新 島端夫教授) 岩 本 幸 子 東京大学医学 部中央検査部 (昭和59年1月19日 受付) 著者 らは グ ラ ム陽性 球菌 の 一 つ で あ るStreptecoccus faecalisの 最 近3年 間 の分 離 状 況 な らび に 本菌 の 分離 され た尿 路 感 染 症 例 に つ いて,統 計 的 臨 床 的検 討 を 行 な った 。 1980年7月 よ り1983年6月 まで の東 京 大 学 医 学 部 附属 病 院 泌 尿 器科 に お け るS.faecaiisの 分離 源 度 の推 移 を み る と,8.5%,9.8%,15.2%と る他 科 のS.faecalisの 増 加 傾 向 が み ら れ た 。 同時 期 の 同病 院 に お け 分離 状 況 をみ る と,検 体 別 で は尿 由来 が 最 も 多 く,全 体 の59.6%を て お り.泌 尿 器科 と同 様 に 年 毎 の増 加 傾 向 が み られ た 。 泌 尿 器科 症 例 の89.9%は 症 で あ り,ま たS.faecalisの では 複雑 菌 感 染例 が63.1%を 年次 単 独 感 染 例 は全 体 の64.3%を 占め て いた 。一 方,他 科 の 尿 路 感 染例 占め,混 合 菌 と して は グ ラ ム陰 性桿 菌 が78.8%と 薬剤 感受 性 に つ いて は,泌 尿 器科 分 離 株 で はPenicillin 占め 複雑 性 尿 路 感 染 Gが 多 くみ られ た 。 最 も 良好 な 成 績 で75.4%の 株 に感 受 性 を 示 し た が,以 下Leucomycin48.1%,Ampicillin43.9%,Cefazolin38.5%,Cephalexin 36.5%な どの順 に 感 受 性が 劣 って い た 。 他科 分 離 株 で はAmpicillinが 最 も 良好 な 成 績 で89.1% の株 に感 受 性 を示 し,他 剤 は泌 尿 器 科 とほ ぼ 同 じ成 績 で あ った 。 泌 尿 器科 で 本 菌 の分 離 された もの の大 部分 は 無症 状 例 で あ った が,急 性 症 状 を示 した17例 を伴 う複 数菌 感 染 例 で はS.faecalisに 中9例 は 本菌 が 原 因 と考 え られ た 。 症 状 感 受 性 を示 す 薬 剤 を併 用 す る こ とが 望 ま しい と思わ れ た 。 近年 の尿路 感 染症 は起 炎 菌 の 多 くが グラ ム陰 性桿 菌 で 1. 症例構成 あ り,化 学療 法剤 も グ ラム陰 性 桿 菌 に対 す る抗 菌 力 に主 1) 泌尿器科 限をおいて開 発 され て い る。 反 面,そ れ ら の薬 剤 は グ ラ 全 症 例207例 の 内訳 は,外 来 患 者144例(69.6%), ム陽性球菌 に 対 して は抗 菌 力 が低 下 す る傾 向 に あ り,そ 入 院患 者63例(30.4%)で れらの薬 剤が 繁用 され る こ とで将 来 グ ラ ム陽 性 球菌 が増 らか な 基 礎 疾患 を 有 す る 複雑 性 尿 路 感染 症 は 外 来123 加 し,こ れに よる尿路 感 染症 が問 題 とな る可 能 性 が考 え 例,入 院63例 られる。 著者 らは グ ラム陽 性 球菌 の一 つ で あ るStrepto- カ テ ーテ ル 留置 例 は75例 coccus faecalisの 最 近3年 間 の 分 離状 況 な ら びに 本 菌 た(Table1)。 の分離 された尿 路感 染 症 に つ い て,統 計 的臨 床 的 検 討 を 行なった。 の計186例(89.9%)で 対 象 と 方 法 よ り1983年6月 よ りS.faecalis 性 膀 胱 炎6例,尿 は,前 立腺 肥 大 症 が43例 胱31例,前 立 腺 癌17例,膀 胱腫 瘍15例,腎 例,腎 瘻 お よび 尿 管 皮 膚瘻13例,前 他科の本菌 の分 離頻 度 な らび に 薬 剤 感 受 性 につ いて も調 尿 道 狭 窄10例 上 の ものを 感 染 菌 と 道炎6例 の 基礎疾患 と し て で 最 も多 く,以 下 神 経 因性 膀 の分離 された症 例 を対 象 とし,同 時 期 の 同病 院 に お け る 査 した。 その際,菌 数が103/ml以 占め て い 疾 患 別 の 内 訳 では,単 純性 尿 路 感 染症21例(10.1%) で あ った 。 複 雑 性 尿 路感 染 症186例 ま で の3年 間 に ,東 京 大 学医学部 附属病 院 泌尿 器 科 に おい て,尿 あ り,そ の うち で 全 体 の36.2%を の 内容 は 急性 膀 胱 炎9例,慢 I. 1980年7月 あ った0こ の うち 尿路 に 明 結 石13 立 腺 術 後13例, な どが 主 な もの で あ った(Table2)。 207例 中133例(64.3%)はS.faecalisの 単 独 感 染 して統計に 採 用 し,ま た 同 一 症例 よ り 同一 菌 が 繰 り返 で,他 は複 雑 菌 感 染 の1菌 種 と して本 菌 が 分 離 され て い し分離 され てい る場合 は,薬 剤感 受 性 パ タ ー ンを 検 討 し た0複 数 菌 感 染 の74例 て,そ れが 同 じもの は1株 と して扱 った 。 の うち40例 中68例 は外 来 患 者 で あ り,そ が カ テ ー テ ル留 置例 で あ った(Table3)。 CHEMOT 888 HERAPY OCT.1984 Table 1 Background of UTI patients infected with Streptococcus faecalls at the Department of Urology. *(): Catheter indwelt Table 2 Original diseases of UTI patients infected with Streptococcus faecalis at the Department of Urology a) Simple UTI Table 3 Relationship of UTI patients infectedwith Streptococcus faecalls between single infection and mixed infection at the Department of Urology *( b) Complicated ): Catheter indwelt UTI Table 4 Bacterial species simultaneously isolated from urinary tract with Streptococcus faecalis at the Department of Urology 混 合菌 の菌 種 分 布 で は グ ラ ム陰 性 桿菌 が78.8%を て お り,中 で もEStherichia`coil,Pseudomonas nosa,klebsiella spp.,Proteus mirabilisな 占め aerugi- どが 主 な もの で あ った(Table4)。 2) 他科 他 科 で は3年 間 に1,261株 のS.faecalisが 分 離 され, 検 体 別 で は尿 由来 が752株(59.6%)と で膿,ド 最 も多 く,次 い レー ン浸 出 液,喀 痰 な どで あ った(Fig.1)。 薬 剤 感 受 性 試 験 は 一 濃 度 ディ ス ク法 に よ り(〓)以 尿 よ りS.faecalisが 分 離 され た 症 例 に つ い て み る と, 本 菌 の 単 独 感 染 は36.9%,複 数 菌 感 染 が63.1%と なっ はAmpicillin,Penicillin G,Cepbelexin,Cefatolin, て お り,混 合 菌 の菌 種分 布 は泌 尿 器 科 とほ ぼ 同 様 で あ っ Lincomycin,Erythromycin,Leucomycin, た(Table5)。 acidの8薬 2. 薬剤感受性 上 を 感 受 性 株 と し た 。 使 用 薬 剤 は 泌 尿 器 科 分 離 株 につ いて 剤 に つ い て 調 べ,他 Pipemidic 科 分 離 株 で はAmpicil- lin,PenicillinG,Cefazolin,LincomJrcin,Erythromy- VOL.32 CHEMOT NO.10 Fig. 1 Streptococcus faecalis HERAPY 687 at the other clinical departments (July, 1980-June, 1983) あ った 。 Table 5 Bacterial species simultaneously isolated from urinary tract with Streptococcus faecolis at the 2) 他科 尿 由 来 のS.faecalisの other clinical departments 1980年7月 7月 年 次 分 離 頻 度 の 推 移 を み る と, よ り1981年6月 よ り1982年6月 1983年6月 ま で で は7.4%,1981年 ま で で は9.7%,1982年7月 ま で で は17.7%と,泌 傾 向 が み ら れ た(Table6)。 菌 数 の 分 布 で は,108/mlが 49.6%,104∼5/mlが21.9%,106/ml以 全 体 の 約 半 数 が103/mlで 2. よ り 尿 器 科 と同様 に 増 加 上 が28.5%で, あ った 。 化学 療 法 の 影 響 泌 尿 器 科 に お い てS.faecalisが 分 離 され る直 前 に 化 学 療 法 が 行 な わ れ て い た も の は97例(46.8%)で あ り, そ の 際 使 用 さ れ て い た 薬 剤 の 種 類 をTable7に 示 した 。 使 用 頻 度 の 高 い 薬 剤 と し て はSulfamethizolやPipemidic acidが phem系 過 半 数 の も の に 投 与 さ れ て お り,次 薬 剤 も28例 例 の 中 で,第3世 い でce- と 比 較 的 多 用 され て い た 。 こ の28 代cephem剤 は11例 に 使 用 され て い た。 な お,こ cin,Leucomycinの6薬 II. 剤 に つ い て調 べた 。 成 れ ら97例 以 外 の も の で も,全 績 行 な わ れ て い る が,必 分離頻 度 わ れ て お らず,S.faecalisの 1) 泌尿器 科 し 得 な か った 。 3年 間 に1,919株 の 菌 が 尿 よ り 分 離 さ れ,そ 1980年7月 よ り1981年6月 月 よ り1982年6月 1983年6月 示 す よ うに ま で は8.5%,1981年7 ま で は9.8%,1982年7月 ま で で は152%と の うち 占 め て い た 。S.faecalis の 年次 分 離 頻 度 の 推 移 を み る と,Table6に ,全 増 加 傾 向 が み られ た 。 菌 体 の 約7割 が104/ml以 3. 薬 剤感 受 性 1) 泌 尿 器科 PenicillinGが 出 現時 期 に つ い て は 明確 に 最 も 良 好 な 成 績 で,75.4%の 株 に 感受 性 を 示 した 。他 の薬 剤 で は いず れ も耐 性 株が 半 数 以 上 を よ り 占 め,Leucomycin48.1%,Ampicillin43.9%,Cefazolin38.5%,Cephalexin36.5%,Erythromycin28.1%, pipemidic 数 の分 布 で は103/mlが28.6%,104∼5/mlが39.4%, 105/ml以 上 が32%で を占 ず し も詳 細 な細 菌 学 的 検討 が 行 な 1. S.faecalisは207株(10.8%)を 体 の9割 め る 複雑 性 尿 路 感 染症 例 で は過 去に 何 らか の化 学 療 法 が 上で acid28.1%,Lincemycin11.5%の 性 が 劣 っ た(Fig.2)。 順に感受 CHEMOTHERAPY 688 Table 6 Annual incidentce of Streptococcus urinary tract *S Table 7 .faecalis Total faecalis Jaecalis isolated from at Tokyo University Hospital No. of strain. chemothyerapeuticis agents used before the .of Streptococcus OCT.1984 at the Department isolation-m Fig 3 Drug sensitivity of Streptococcus faecalis isolated from urinary tract at the other clinical departments of Urology-v Fig. 2 Drug sensitivity of Streptococcus faecalis isolated from urinary tract at the department of urology い た。 また,こ の17例 中10例 が 複雑性 尿路感染症例 で あ っ た。 III. 考 察 尿 路 感 染症 起 炎 菌 の 動 向 は,1960年 代 以降 グラム陰性 桿 菌 の 占 め る 割合 が 増 加 し,最 近 の報告 では分離菌全体 の8∼9割 を 占め る と され て い る1∼5)。 一 方,東 京大学医 学 部 附 属 病 院 泌 尿 器科 に お け る最近3年 間の グラム陽性 球 菌 の 尿 中 分 離 頻 度 の 推 移 を み る と,1980年7月 より 1981年6月 まで で は21.6%で より 1982年6月 まで で は24.1%,1982年7月 月 まで では23.8%と 2) 他科 最 も 良 好 な 成 績 で,89.1%の い でPenicillin 株に感受 Gも77.0%の 株に感受性 よ り1983年6 若 干の 増 加傾 向が うかが えるが,中 で もS.faecaliSに そ の 傾 向 が 強 い 。 こ の 傾 向 は 他科につ い て も 同 様 で,尿 路 よ りのS.faecalisの し て い る 。 こ の よ うに,ご Ampicillinが 性 を 示 し,次 あ るが.1981年7月 分 離 頻 度は増加 く最 近 に な っ てS.faecalisが 増 加 し て き た 理 由 の 一 つ と し て 化 学 療 法 の影 響が 考えら れ る 。 熊 沢 ら6)はS.faecalisが 特 異 な 薬 剤 感 受 性 パター を 示 した 。 他 の 薬 剤 は い ず れ も 耐 性 株 が 半 数 以 上 を 占 ン を 有 す る こ とか ら,化 め,Cefazolin47.9%,Leucomycin29.3%,Erythromy- を 発 現 す る 菌 と し て の 可 能 性 を 指 摘 し て い る。 す なわ cin18.1%,Lincomycin2.1%の ち,S.faecalisは 順 に 感 受 性 が 劣 った 、Ampicillin,Penicillin Gに はきわめ て 感 受 性 が 高 い が,Streptomycin,Colistin,Kanamy- (Fig.3)。 4. 学 療 法 の 副 現 象 で あ る菌 交代症 cin,Nalidixic 病原性 今 回 調 査 した 泌 尿 器 科 症例 中,S.faecalisが 分 離 され る6,7)。 後 藤 た 時 点 で 急 性 症 状 を有 して い た もの は17例(8.2%)で cillin,Penicillin あ った(Table8)。 zolinな この うちS.faecalisの 単 独感 染 は11 例 で,他 は複 数 菌 感 染 の1菌 種 とし て本 菌 が 分 離 され て acidな ど に は 感 受 性 が 低 い と し て い ら1)もS.faualisの 感 受 性 に つ い て,Ampi- G,Carbenicillin,Minocycline,Cefa- ど で は90%以 cin,Kanamycin,Lincomycinな 上 が 感 受 性 を 示 す が,Streptomyど で は80%以 上が耐 VOL.32 CHEMOT NO.10 HERAPY 689 Table 8 (A) Symptomatic simple UTI patients infected with Streptococcus faecalis at the Department of Urology Table 8 (B) Streptococcus 性 で あ り,ま たGentamicinの Symptomatic complicated UTI patients faecalis infected with at the Department of Urology 感 受 性が 低下 す る傾 向 が comycinの3剤 は い ず れ も30%以 下の 感受性で あっ み られ た と して い る 。 平 野 ら3)も 同 様 な 成 績 を 報 告 し て た 。泌 尿 器 科 分離 株 で はPeniciliinGが75.4%の い るが,Gentamicinも 感受 性 を 示 した 以 外 は,い ず れ の薬 剤 も50%以 良 好 な 感 受性 を示 した と して い 株に 下の感 る 。 今 回 の著 者 らの 調 査 で は,他 科分 離 株 に つ い て み る 受 性 であ り,他 科 の成 績 と比 較 してAmpicillinの と,Ampicillin,PenicillinGで は 各 々89.1%,77.0% 性 が低 下 して い る 点が 注 目され た 。 この 理 由 と して は と良 好 な感 受 性 で あ った が,Cefazolinは47.9%と 性 が 低 下 し て お り,Leucomycin,Erythromycin,Lin- 感受 Ampicillin耐 感受 性 株 の 当科 の 病 棟 内 感 染 の 可 能 性 が 考 え られ るが,今 後 さ らに 観 察 をつ づ け る必 要が あ る。 CHEMOTHERAPY 690 最 近 市販 され た 第3世 代cephem剤 は グ ヲム陰 性 桿 OCT.1984 排 尿 痛 お よび 頻 尿 を 訴 え た が9他 の もの は軽い膀胱刺激 菌 に 対 す る 抗 菌 ス ペ 〃 トラム の 拡 大と抗 菌 活性 が 高 く評 症 状 の み で あ った 。 した が って,本 価 され て い るが,そ の 一 方でS.faecalisじ 症 状 を 発 現 す る 頻 度 は,今 回 の 調 査で は207例 中9例 世代 お よび 第2世 代cephem剤 対 して は 第1 に 比 鮫 して 抗 菌 力 が さ (4.3%)と 菌が 起炎菌として 低 く,大 部 分 の もの はは っ き りした尿路感染 らに 溺 化 して い る と され る8)。 今 回 の 調 査で は 第3世 代 症 の症 状 を示 さな か った 。 一 般に 慢 性復 雑性尿路感染症 cephcm剤 は細 菌尿 が 認 め られ て も無 症状 の まま経過す る場合が多 の 使 用 量 の 増 加 とS.faecalisの 分 離 頻 度 の増 加 を 明 確に 関 係 づ け る こ とは で きな か った が,実 際 に 第 く,そ の よ うな 例 で は 積 極的 な化 学療 法 は行わないこと 3世 代cephem剤 が 原 則 と され て い る。 本碗 が 分 離 され た時 も,無 症状例 が 多 く使 用 され る よ うに な っ た 時 期 に 一致 して,1982年 後 半 よ り1983年 に か け てS.faeca- lisの 増 加傾 向が 強 ま って い る こ とは 前 述 の 関 係 を一 つ の 可能 性 と して 示す もの と思 わ れ る。 は 同様 に 対 処 して よい と考 え られ るが,本 菌 を含む複数 菌感 染例 で 急 性 症 状 が 出 現 した 場 合 には,化 学療法を行 うにあ た って,熊 5. faecalisは 一 般 に 単 独 で 検 出 され る こ と よ り も複 数 沢 ら8)が主 張 して い る よ うに本菌が感 受 性 を 示 す 薬 剤 を 併 用 す る方 が よい と思われ る。 菌 感 染 の1菌 種 と して分 離 され る場 合 が 多い と報 告 され 本論 文の 要 旨 は,第30同 て い る6,9)。今 回 の 著 者 らの 細 査 で は,本 菌 の 単 独 感 染 は 部 総 会 に お い て発 表 した。 泌 尿 器 科 で64.3%,他 科 で36.9%と 従 来 の 報 告 に比 較 して 多 く認 め られ た 。特 に泌 尿 器 科 症 例 で 本 菌 の 単 独 感 文 1) い と考 え られ る。 39: 2) が 多 く,カ テ ー テル 留 置 が 本菌 の分 離 頻 度 に 影 響 を 与 え 3) を 認 め て いな い が,一 方 カテ ー テ ル 留 置群 に 本 菌 の 分 離 野辺 崇, 角 田 和之: 尿 1977 水 之 江 義 充, 熊 沢 浄 一, 百瀬 俊郎: 含 有 洗 浄液 を用 い た 腎 孟 洗 浄 お よび膀 胱洗 浄 な ど)な 化 5) 6) る こ とか ら,S.faecalisが 道 炎の3例 の 混 合 感 染 の 可 能 性 も考 え られ,必 ず し もS.faualiSが 起 炎 菌 とは 断 定 し難 か った 。以 上 の8 清, 山崎 彰, 岩 本晃 明, 鈴木 尿 中 検 出 菌 と そ の 薬 剤 感 受 性につ 第2報)。 西 日泌 尿40: 村 上 泰 秀, 河 喜 多 龍 祥: 8) 河 村 信 夫, 大 越 正秋, 佐竹 熊 沢 浄 一, 楢 橋 勝 利, 日高 正 昭, 清 原 宏 彦, 竹森 1971 熊 沢 浄 一,槍 橋 勝 利, 竹 森 款 一: 日高 正 昭, 清 原宏 彦, 百瀬 尿 路 感 染分離 菌 の年 次 的 変遷 (第5報)。 西 日泌 尿33: 河 田 幸 道: 第 三 世 代 セ フ ェ ム 系 抗 生 物 質, そ の有 92, 413∼421, 1971 藤 村 宣 夫: 長 期 間 留 置 カ テ ー テ ル 患 者 に 関 する研 尿 中 分 離 菌 に つ い て)。 西 日泌 尿41: 871∼879, 1979 清 水 保 夫, 西 浦 常 雄: 症 。 医 学 の あ ゆ み111: 11) 87∼ 1983 究 (第1報 10) 1245∼ 最 近 の 尿 路 感 染 症 の 問 題 点 。 西 日泌 尿331 用 性 に つ い て(泌 尿 器 科)。 診 断 と 治 療71: 9) 669∼ 東 海 大 学 病 院 泌 尿 器 科 におけ 金 子 裕 憲, 阿 部 定 則, 上 原 良 子, 留 置 カ テ ー テ ル と尿 路感染 959∼966, 1979 国 沢 義 隆, 西 村 洋司, 森 例 を除 い た9例 で は 本 菌 が 起 炎 菌 と思 われ,腎 孟 腎 炎 例 伴 雄, で は37∼38度 そ の 薬 剤 感 受 性 に つ い て 。 臨 泌35: 台 の 発 熱 が あ り,膀胱炎 例 で は2例 が 強 い 均, 荒 間 の尿路感 1980 俊 郎, について も,Chlamydiaと 岡 田 敬 司, 133∼139, 7) 急 性 症 状 を お こ させ た 可 能 性 は 少 ない と 考 え られ た 。 ま た,尿 高本 1978 紘 一: 陰 性 桿 菌 が 新 た に 出現 して お り,治 療 に よ って そ の グ ラ ム陰 性 桿 菌 が 消 失す る と とも に症 状 の 軽 快 が み られ て い 鎌 田 日 出 男, 近 藤 捷 嘉: 過 去8年 る 尿 中 分 離 細 菌 に つ い て 。 泌 尿 紀 要26: 例4,症 つ い て は 症 状 の 発 現 に 一 致 して グラ ム 斉藤 鈴 木 佳 子: 1261, 例 認 め られ た が,こ の うち 複 数菌 感 染 の5例(Table8 症 例3,症 石 戸 則 孝, 福 島 修 司, 幸 子, の み で あ り,病 原 性 は 低 い と して い る 。 今回 著 者 らが 調 よびTable8(B)の 大 森 弘 之, い て (年 次 的 変 遷 S.faecalisの 尿 路 に お け る 病 原性 につ いて は従 来 報 告 査 した 泌 尿 器科 症 例 の中 で,急 性 症 状 を示 した もの が17 学, 木 徹, 674, を あ ま り見 な い。 藤 村 ら9}は菌 交代 現 象 と してS.faeu. 中,菌 交 代 症 に進 展 した もの は2例 西 日泌尿 1979 平野 充, 学 療 法 の有 無 につ い て も考 慮 す る 必 要が あ ろ う。 lisが 出現 した48例 697∼709, 1979 4) 頻 度が 高 い とす る報 告 もあ る 川。 この 点 に つ い て は カテ ー テ ル 留置 患 者 に 対 す る全 身的 あ る い は局 所 的(抗 菌 剤 例10)に 一郎, 染 分 離 菌 の 臨 床 統 計 。 西 日 泌 尿41:911∼92a ル 留置 群 と非 留 値 群 との 間 にS.faecalisの 分 離 頻 度 の 差 例9,症 276∼285, 中 牟 田 誠 一, 41: て い る こ と も考 え られ る 。 清 水 ら10)によれ ば,カ テ ーテ 症例4お 献 池村 紘 尿 路 感 染 分 離 菌 の 年 次 的 変 遷(第9報)。 泌 尿 器 科 外 来 患 者 の 混 合感 染例 に は カ テ ー テル 留 置 例 (A)の 後 曲 俊 弘, 路 分 離 菌 と そ の 薬 剤 感 受 竹 に つ い て。 西 日泌尿 染 例 が 多 か った 理 由 と して,グ ラ ム陰 性 桿 菌 を標 的 と し た 化 学 療 法 の 後 に 本 菌が 交 代菌 と して 分 離 され た 例 が 多 日本化学 療 法学 会粟日本支 多 田 信 子: 尿 路 感 染 症 分離菌 と 65∼70, 1981 VOL. 32 CHEMOT NO.10 CLINICAL STUDIES HERAPY 691 OF STREPTOCOCCUS IN URINARY TRACT FAECALIS INFECTIONS HIRONORIKANEKO,KEN KITAHARA,TAKASHITOMINAGA, HIROICHIKISHI and TADAONIIJIMA Department of Urology, Faculty of Medicine, Tokyo University SACHIKOIWAMOTO Department of Clinical Microbiology Laboratory, Faculty of Medicine, Tokyo University A clinical study was performed on about Streptococcus faecalis infection in urinary tract which had been detected in the Department of Urology, Tokyo University Hospital from July 1980 to June 1983. The annual incidence of S. faecalis isolated from urinary tract has increased from 8.5% to 15.2% in these periods in urology. In the other clinical departments, 1,261 strains of S. faecalis were isolated in the same periods. Of these 1,261 strains, 752 (59.6%) had been detected from urinary tract, and annual incidence of them has also increased as in urology. In urology, 89.8% of the patients showed complicated urinary tract infections, and 36.2% of the patients had catheter indwelt. The percentage of the patients with single infection of S. faecalis was 64.3% in urology, but 36.9% in the other clinical departments. In case of multiple bacterial infection, 78.8% of the patients infected with gram-negative rods; Escherichia coli , Pseudomonas aeruginosa, Klebsiella spp., Proteus mirabilis and etc. Ampicillin resistant strains of S. faecalis were more frequently isolated as high as 52.5% in urology but were less did as 10.9% in the other clinical departments. In clinical observations, most patients had no any significant clinical symptoms except 9 patients who developed, high fever, miction pain. In symptomatic cases, adequate combinative chemotherapy agents should be given when S. faecalis was isolated as an causative pathogen of the multiple bacterial infection.
© Copyright 2024 ExpyDoc