「パンとそれをきる道具の関連性」(PDF:517KB)

パンとそれをきる道具の関連性
~パンを温めた包丁で切ると、
なぜ断面がきれいなまま、
切ることができるのだろうか?
石川
菜々子 医10
研究の動機
• 私の祖父と父は以前、おいしいパンを作
って焼いてくれた。
• パンを切るといつも、断面がバサバサに
なったり、つぶれてしまった。
• この欠点を解消するにはどうすれば良い
のか追求し、解決策を導き出した。
研究の目的
• パンをきれいに切るには、なぜ、温
めた包丁が適しているのか調べる。
• 昨年の研究「パンはなぜ膨らむの
か」 の結果を生かし、パンの成分と
の関係や、包丁との関係を調べる。
研究の結論
• 行った実験結果から、パンの材料の
バターは加熱すると溶けるという性質
を持っていた。
• その性質を結果と結びつけて考えると、
温めた包丁でバターが溶かされたところを
刃が通るから、断面がきれいなまま切る事
ができるのだと結論付けた。
実験の全容
【実験1】研究の確認実験
【実験2】
パンの材料を変える
切れやすさの変化
【実験3】
パンと包丁の温度を逆にする
【実験4】
パンの温度を変える
【実験5】原因の材料の
熱との関係
実験Ⅱ パンの材料を変えて焼くと、
切りやすさはどのように変わるのか
目的
• 材料の組み替えによる変化を調べるため。
• 何が原因で切れやすくなるのか、またどうしたら
それより切れにくくなるのか調べる。
• また、パンの切れやすさの違いと、切ったときの
それぞれの断面を比べてみる。
実験の方法
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
小麦粉+砂糖+イースト+バター
小麦粉+イースト+塩+バター
小麦粉+イースト+砂糖+塩
以下、材料の配分を変えていく
小麦粉を多くした場合
イーストを多くした場合
砂糖を多くした場合
塩を多くした場合
バターを多くした場合
実験の予想
①
よく膨らむと思う。切れやすさは変わらない
だろう。
②
あまり膨らまないと思う。だから少し切れに
くいと思う。
③
去年はバターを含んだ実験をしなかったので、
予想できない。
④ 生地が硬くなると思う。だから刃が通りにくいと思う。
⑤ 通常よりも膨らむだろう。切れやすさに影響は無い
と思う。
⑥ 大きく膨らむと思う。それが、切れやすさに関係する
かは、分からない。
⑦ イースト菌の働きが滞る。あまり膨らまず、固いまま
だと思う。
⑧ 熱と何か関係があると思う。だが切れやすさに対し
ては、どうなるか分からない
実験の結果
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
断面がきれいなまま、切ることができた。
きれいに切れた。
断面が少しバサバサしていた。
力を加えても潰れず、きれいに切れた。
きれいに切ることができた。
生地は大きかったが、さらに切れやすくはない。
少し小さいが、切れやすさは変わらなかった。
熱い包丁で切ってみると皮で少し止まったが、
一回でさくっと切れた。
実験の様子
• まず、右下の写真のように、それぞれ一つ
一つナンバリングして、材料の違うものを
入れました。この方法は、ほかの実験でも
使っていきました。
左:やっている様子
右:ナンバリングした後の様子
一、二次発酵
湿気が飛ばないようにラップをかけて、発酵させた。
またそれぞれ約30分の 一、二次発酵の間には、
中の二酸化炭素を出すためのガス抜きを行った。
<一次発酵>
<二次発酵>
発酵の結果
①小麦粉 砂糖 イースト バター
③小麦粉 イースト 砂糖 塩
⑥多くする材料:砂糖
①・③・⑥:大きく膨らん
だ。
②小麦粉 イースト 塩 バター、
⑦多くする材料:塩
②・⑦:他より膨らまなかった。
<分かったこと>
砂糖が含まれているものは大きく膨らみ、逆に含まれ
ていないと、あまり膨らまない。また塩が、多く材料に含
まれていると、あまり膨らまなくなる。
オーブンで焼き上げた結果
パン
共通材料
加えた
結果
材料
1
6
2
5
3
A
砂糖
ふんわりと大きく焼けた。
イースト
バター
小麦粉
食塩
イースト
バター
小麦粉
砂糖
特に特徴もなく、
イースト
食塩
ふんわりと焼けている。
小麦粉(多)
イースト
砂糖
表面が硬く、他のものより
焦げている。
4
B
8
小麦粉
7
C
D
バター
Aよりも小さいが、ふんわ
りとはしている。
パン
共通材料
加えた材料
E
小麦粉
砂糖 食塩
イースト(多)
バター
F
小麦粉
イースト
G
H
小麦粉
結果
ふくらみなどに違いは
出なかった。
砂糖(多) 食塩 表面がこげている。
バター
一際ふくらんでいる。
イースト
砂糖 食塩(多) 他のよりもふくらみが少
なく、平べったい。
バター
小麦粉
砂糖 食塩
イースト
バター(多)
バターでぬるぬるして
材料がうまく混ざらず、
表面が波打ったように
なっている。
実験Ⅲ パンと包丁の温度を逆にしても同じこと
(パンが切れやすくなる)が起こるのか。
• 目的
包丁を熱し、パンを程よく冷ますと、
よく切れるということが分かったが
包丁を冷たく、パンを温かくしても、
同じ事が起きるか調べるため。
実験の方法
① 基本のパンの作り方で、2個パンを焼く。
② 片方は焼いた後、すぐに冷蔵庫で冷やした包丁
で切る。
③ 断面を写真で撮り、気泡の大きさを記録する。
④ もう一つは30分くらいたって冷ました後、熱湯で
温めた包丁で切る。
⑤ 断面を写真で撮り、気泡の大きさを計り記録する。
実験の予想
発生する温度は、熱く熱した包丁で冷たく冷ました
パンを切った実験と、同じだと思うので、
同じように切れると思う。
実験の結果
1
2
1、潰れたが切る事は出来た。
しばらくすると元に戻った。
2、断面もきれいなまま、切る事
が出来た。
1、 温かいパンに冷たい包丁 2、熱い包丁に冷やしたパン
実験4 パンの温度を変えてみる
• 目的
冷やしたパンと同じように、温めたパンも温めた
包丁できれいに切ることができるのか、調べる。
• 実験の方法
温めた包丁で、常温並みに冷めたパンと、焼いた
直後の温かいパンを切って、きれいに切る事が
できるのかを見る。
実験の予想
• 焼きたてのクッキーみたいに、まだ温かい時
は、皮が柔らかいと思う。
• だから、包丁で切るときに、つぶれてしまう気
がする。
• 実験の結果
• 予想の通り、まだ表面が柔らかく、包丁が通
らなかった。
パンが切れやすくなる材料と熱との関係
• 目的
切れやすくなる原因の材料の熱の関係が、結果と関係が
あると思うから行った。
• 予想
バターに関係があると思う。実験2で材料を変える実験を
したとき、バターを材料に含んでいないものは断面が
バサバサになってしまったからだ。
• 実験の結果
1分でバターが溶けてしまった。
研究の結果
• バターが熱に溶けるということは、熱した包丁を使っ
た時も溶けるだろう。
• 含まれているバターが、熱した包丁で切っている時
に溶かされて、溶かされた分だけ空洞ができる。
• その弱くなったところを包丁で切れば、きれいに
切る事ができる。
• 温めた包丁で冷ましたパンをきれいに切れるのは、
バターが溶かされるからと、冷まして表面が固くなる
からである。