平成26年度卒業証書授与式 理数科第43回 普通科第67回

平成26年度卒業証書授与式
理数科第43回
普通科第67回
1
日
時
平成 27 年 3 月1日(日)
2
場
所
本校体育館
福島県教育委員会教育長
杉
10 時開式
昭重
様をはじめ多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、厳粛な中にも
凛とした雰囲気で卒業生を送ることができました。
校長式辞(次ページに全文掲載)
理数科代表
3年1組
中田奈緒
さん
はなむけのことば(教育長
普通科代表
3年7組
遠藤
杉昭重
史
君
様)
平成二十六年度福島県立白河高等学校卒業証書授与式
校長式辞
純白に輝く残雪におおわれた那須の峰々から吹き寄せる風にも春の訪れが感じられる本日ここ
に、福島県教育委員会教育長様、並びに福島県議会議長様を始め、多数の御来賓の御臨席を賜り、
平成二十六年度福島県立白河高等学校卒業証書授与式をかくも盛大に挙行できますことを学校を
代表して心から感謝申し上げます。
さて、本日、所定の課程を修了し、本校を卒業する皆さん、御卒業おめでとうございます。
思えば皆さんが入学したのは、ここ白河の地はもとより福島県そして東北地方において東日本
大震災からの復旧・復興に向けた歩みがようやくスタートしたばかりの厳しい環境の中でした。
そうした逆境の中、皆さんは、高い志を持ち、自らを高め、友との友情を育まんと、青春の道
場とも言うべき、ここ、白河高等学校への門を叩いたのです。入学時には初々しかった皆さんも
三年の月日を経て、心身ともに大きく成長することができました。
一年生の折には、創意工夫を凝らした「登龍祭」を経験し、校内マラソン大会やスポーツ大会
において友と笑顔を交わすとともに、郡内一周駅伝においてクラスの団結と絆を深め、二年の秋
には、古都奈良・京都、そして、活気あふれる大阪への修学旅行を通して歴史と文化に触れるな
ど、生涯の思い出を作ることができました。また、文武両道を目指し、日々の学業はもとより、
文化・スポーツの分野においても互いに切磋琢磨する中で、全国高等学校総合文化祭を始め、イ
ンターハイや国体への出場を決めるなど、多くの部活動が県の代表として活躍するなど、後輩は
もとより、地域の方々や県民の期待に大きく応えるものとなりました。そして、三年の夏には、
甲子園出場をかけ破竹の勢いで勝ち上がり、開成山野球場において全校応援を行い、県ベスト四
進出を共に喜ぶことができるなど、皆さんは、このかけがえのない三年間を全力で駆け抜け、心
を一つに完全燃焼の日々を過ごし、新しい人生のスタートラインに立ったのです。
もとより、皆さんが歩む人生は順風満帆の日々ばかりとは限りません。むしろ、逆境に置かれ
ることが多いと言えるでしょう。しかし、『疾風に勁草を知る』という言葉のとおり、厳しい状況
下にある時こそ一人一人の真価が問われることとなるのです。四年前の中学二年生の折に東日本
大震災を身をもって体験し、不安と悲しみの中、笑顔を忘れずに、家族や友人とともに乗り越え
てきた皆さん一人一人には、挫折や困難を克服する底力と可能性が秘められているのです。その
可能性のすべてを引き出すためには、本校校歌に高らかに謳われている『経世の任』、すなわち、
自身が社会で果たすべき『使命』を自覚することこそが、出発点となるのです。果たすべき使命
を胸に、岩をも貫く愚直なまでの誠実さを持って事に当たるならば、必ずや道は開けてきます。
本校を卒業した同窓の方々の存在そのものがその証であり、皆さん一人一人の人生を導く灯台の
光とも言えるのです。
哲学者・森信三氏の著書の一節に「人生二度なし」という言葉があります。氏は、その中で、
「こ
の二度とない人生をいかに生きるかという、生涯の根本方向を洞察する見識、並びに、それを実
現する上に生ずる一切の困難に打ち克つ大決心を打ち立てる覚悟が
なくてはならない。」と述べています。皆さんの前に果てしなく広がる「可能性」というの名の大
海原を「人生二度なし」という言葉を噛みしめながら、これまで本校で培ってきた教養はもとよ
り、挑戦する気概を持ち、心身を錬磨し、実社会において通用する「人間としての力」を磨き続
け、一人一人が豊かな人生を送られんことを心から祈念いたします。
さて、保護者の皆様、御子様の御卒業を心からお祝い申し上げます。本日の晴れの日を迎え、
ご家族の皆様の喜びもひとしおのことと拝察いたします。 皆様方のお子様は三年間の本校での
学びを経て、文字通り「登龍」として凛々しく、逞しく、そして、心優しく育ちました。お子様
の成長は、ご家族皆様方にとり、かけがえのないものであるとともに、私たち教職員にとっても
誇りとするものであります。卒業生が今日の佳き日を迎えることができたのも、一人一人の努力
は言うまでもありませんが、日々、励まし合い、笑顔で支え続けてこられた保護者の皆様方の深
い愛情の賜と、心から敬意を表します。お子様は、卒業後、ひとときは、ご家族のもとを離れる
こととなるものと思いますが、皆様への感謝の気持ちを忘れず、いかなる地においても、本校生
としてのプライドを持って進んでくれるものと確信いたします。それを信じて見守っていただけ
ればと思います。
また、御多用中にもかかわらず、本校卒業生への祝福のために御臨席を賜りました御来賓の皆
様方に、高いところからではありますが、心から感謝申し上げます。「県南の雄」と称せられる本
校の歴史と伝統は、二万三千を超える同窓の方々の血のにじむような御努力と、地域の皆様方か
ら寄せられる温かい思いとによって築きあげられてまいりました。御来賓の皆様方からの心から
の励ましは、卒業生一人一人の胸中に深く刻まれるものと確信いたします。これからも、卒業生
はもとより、本校の教育活動に対し、温かい御理解・御支援を賜りますとともに、なお一層の御
指導・御鞭撻を心からお願い申し上げます。
結びに、本日、本校を旅立つ卒業生一人一人が、九十年を超える本校の歴史と伝統に思いをい
たすとともに、校是とも言うべき「登龍魂」を胸に、それぞれの天地で思う存分活躍することを
心から祈念し、式辞といたします。
平成二十七年三月一日
福島県立白河高等学校長
髙橋 正人