今月の 特集 一人ひとりの暮らしを支えるサービ 社交的で自治会の役員や老人クラブの活動を積極的に行っていた三田さんが脳梗塞 になったのは 3 年前。ひとり暮らしの三田さんは、身の回りのことを自分で行うこと が難しくなり、地域の集まりにも参加せず、閉じこもりがちとなっていました。三田さ んの姿を見かけなくなり、心配になったお隣りの三輪さんが民生委員に相談しました。 民生委員が訪問すると、三田さんは食事も十分 にとれていない様子で、家の中はゴミで一杯。 でも遠くで暮らしている子どもには心配をかけ たくない…と話されました。 後日、民生委員と地域包括支援センター(※)が訪 問し、三田さんの困りごとをうかがいました。 その結果、家の片付けや食事の準備は、介護保 険サービスでホームヘルパーを利用することに なり、ゴミ出しは見守りもかねて近所の小野さ んがしてくれることになりました。 長い間、人と接することが少なかったので、最 初は不安気な三田さんでしたが、いろんな人と ふれあう中で、少しずつ本来の三田さんらしさ を取り戻せるようになってきました。 今日もゴミ出しに来てくれた小野さんやホーム ヘルパーとのおしゃべりに花が咲いています。 最近では、三輪さんから誘われ、地域の公民館 で開催しているサロンへ参加できるようになり ました。 すっかり自信を取り戻した三田さん。昔からの 友人にかこまれ、笑顔がこぼれています。 三田さんは実在の人物ではありませんが、同 じように「暮らしの困りごと」が解決して、近 隣の見守りや支え合い、福祉サービスを利用し て、自分らしく暮らしている人がたくさんおら れます。 ※地域包括支援センター:市から委託を受けた高齢者の総合相談窓口として、市内 6 か所に地域包括支援セ ンター・高齢者支援センターが設置されています。介護保険や市の保健福祉サービス利用の手続き、健康づ くりの取り組みなどを相談員と保健師・看護師が行っています。 4
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