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名古屋港魚釣り施設あり方検討委員会(第3回)
議事概要
(1) 開会挨拶(委員長より)
本委員会は、名古屋港の旧海づり公園が高潮防波堤の改良工事に伴って使用を停止した
ことを受け、新たな名古屋港内の魚釣り施設を検討するものである。前回までの委員会に
おいて、魚介類調査地を絞り込み、その後魚介類の調査が行われた。今回は最後の委員会
であり、調査結果の確認と魚釣り施設の適地選定について審議する。名古屋港は物流の港
として産業を支える一方で、親しまれる港づくりという側面から様々な取組が行われてい
る。今回の審議はその取組の一環となる。
(2) 議事
・魚介類の調査結果について
・施設の適地選定について
以上の項目について、了解された。なお、主な質問・意見は以下のとおり。
(3) 主な質問・意見
・底質のシルトとはどういう状態のものなのか。調査結果では鍋田ふ頭の底質に多いよう
だが、魚の生息への影響はあるのか。
⇒シルトは非常に粒子の細かい泥のようなものである。鍋田ふ頭付近では他の調査地に
比べてシルトが多いが、底質を悪化させるような有機物はそれほど含まれていないの
で、生物にとっては生息しやすい環境と考える。
・昨年は大きな台風が接近した。海が荒れると魚は浅場から深場に避難すると考えられる
が、調査日はそういった影響はなかったか。
⇒現地調査は台風等の影響を極力避けて実施した。昨年大きな台風が接近したのは 10 月
初旬~中旬だが、秋季調査は 11 月に実施している。
・資料において適地として評価された鍋田ふ頭東側と北浜地区は、これまでの検討を通じ
ても、今回の調査結果における魚種の豊富さという観点からも魚釣り施設に適している。
・弥富ふ頭埋立検討地と鍋田ふ頭東側は「休日の交通量等は少ない」と評価されているが、
いずれも現在の状況であり、将来的に変化する可能性がある。鍋田ふ頭は名古屋港にお
いて取扱量が多いコンテナターミナルである。安全面の課題を十分検討する必要がある。
・新舞子マリンパーク魚釣り施設の位置づけと本委員会で検討する施設との関連を説明し
てほしい。
⇒新舞子マリンパーク魚釣り施設は南5区Ⅱ期の埋立計画があることから、暫定施設と
している。それに対し、今回検討している施設は恒久的な施設を想定している。
・暫定というのはどのくらいの期間か。
⇒南5区の埋立は、需要や費用の面から見送られており、暫定施設の期間については今
のところは具体的に決定していない。当面は継続されるだろう。
・現在検討している魚釣り施設が完成するまでは、この暫定施設を利用できるのか。
⇒恒久的な魚釣り施設も、整備内容や規模、時期などこれから具体的に検討することに
なるので、暫定施設の位置づけ等も含めて検討していきたい。
・今後検討する施設の整備時期、規模、手法等とは具体的にどういった内容か。
⇒今回の検討は魚釣り施設の実現性の高い箇所を絞り込む段階である。例えば北浜地区
については埋立の計画を検討している段階であり、現在は土地がない。よって、鍋田
ふ頭東側と北浜地区では整備着手できる時期が異なる可能性もあり、今後の検討が必
要になる。また、整備を一度に進めるのか段階的に進めるのかということも今後の検
討になる。
・知多堤は嵩上げを行うので、魚釣り施設として利用するには足場などの整備が必要とな
る。しかし、道路や管理棟など、既存の施設が使える可能性があり、費用的な面で優れ
ている。また、旧海づり公園として実績があり、知名度でも優れている。
・今回2ヶ所の候補が挙げられているが、1ヶ所に絞り込む必要はあるのか。
⇒現段階で1ヶ所に絞り込む必要はないと考えている。施設の数については、暫定施設
も含めて今後具体的に検討していきたい。
・旧海づり公園も暫定施設も南向きのようだが、施設の方角というのは魚釣り施設の評価
において考慮するべきなのか。
⇒旧海づり公園は北向き・南向きの両方に向かって釣りをしていた。評価としては魚の
種類の方が大きな指標となると考える。
・魚種の豊富さでは北浜地区が適しているが、釣れる魚種や足場、水深を考えると鍋田ふ
頭東側の方が初心者やファミリーには利用しやすいと考える。釣り場としてはそれぞれ
の長所があるので、両方整備されることを希望する。
・鍋田ふ頭東側は整備後も環境はほとんど変わらず、水の流れもあるので安定した釣果が
期待できる。北浜地区は埋立によって環境が変化する可能性もあるが、両方整備できれ
ばよい。
・鍋田ふ頭は、名古屋港のコンテナ物流基地として重要な役割を果たしていることを認識
願いたい。
・施設整備の為の予算については確保されているのか。
⇒現時点で施設整備の為の予算は確保していない。今回の検討を踏まえて、施設の規模・
内容、整備の時期等が整理されなければ予算を確保していくことはできない。
・絞り込まれた箇所が、検討当初に定めた基本方針と合致しているかわかるように整理す
るとよい。
⇒今回の検討結果と基本方針の整合について整理し、資料に追加する。
(4)閉会挨拶(委員長より)
本委員会では鍋田ふ頭東側、北浜地区の2地区を魚釣り施設の適地として選定したが、
まだ多くの課題がある。今後十分検討して頂き、市民が親しみやすく、年間を通して様々
な釣果を期待できるような施設の整備をお願いしたい。また、いずれも航路やコンテナタ
ーミナルに近接しており、釣りをしながら港の景観を楽しむこともできると思う。可能で
あれば、委員の方々から要望のあるように、複数箇所の整備も視野に入れて検討して頂き
たい。
今回のような施設整備を通して、名古屋港が物流面のみならず、親しまれる港として
発展していくことを期待する。
以上