第3回 (2015年2月) CASBEE不動産評価員試験 問 題 次の注意事項をよく読んでから、解答を始めてください。 [注意事項] 1.この試験は、次の図書の内容に基づくものです。 「CASBEE-不動産 評価方法の考え方と手引き」(2015年1月発行) 2.試験時間は、14時00分から16時00分までの2時間です。 3.問題は表紙を除いて18ページあります。この他に解答用紙が1枚あります。 4.解答用紙には、受験番号・氏名・生年月日・会場名を記入してください。 5.各問題につき1つの解答を選んでください。複数選択した場合は不正解となります。 6.問題は「CASBEE-不動産 評価方法の考え方と手引き」の章毎に分かれていますが、選択 肢の全てがその章に含まれる内容とは限りません。 7.この問題冊子への書き込みは差し支えありません。 ※本試験問題の無断転載、複製、営利目的使用は禁じられています。 第1章からの出題 問題1 環境不動産に関する「国内外の動向」と「環境配慮の必要性」に関するイからニまで の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 イ GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)では、CASBEE-不 動産も評価が加点される公式ツールとして認められている。 ロ 東京都のキャップ・アンド・トレードでは、第二計画期間(2015年度~2019年 度)に予定されていた15%の削減目標(事務所については17%)を下方修正 し、第一計画期間(2010年度~2014年度)同様、6%の削減(事務所については 平均8%)で据え置かれることになった。 ハ エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)の最新の改正(2013年施 行)では、これまでのCECの考え方を変えて、建物全体での一次エネルギー消費 量に基づく評価方法に大きく変更された。 ニ 建物用途別の建物使用時間(営業時間)について1990年と2005年とを比較した 場合、百貨店、コンビニ、スーパー、事務所(自社ビル、テナントビル)のす べてにおいて増加している。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 全て正しい 5 全て誤っている 問題2 不動産の環境配慮に関する調査について述べた以下の文章のうち、最も不適当なもの はどれか。 1 海外における調査ではグリーンビルディングと同一地区内の一般ビルの対比 で、実効賃料で6%高いというデータがある。 2 国内の不動産関連会社へのアンケートによると、投資判断における不動産の環 境配慮については、8割以上の企業が高い関心を寄せている。 3 オフィスワーカーの知的生産性と経済価値の研究では空調温度を28度に設定し た場合、最も作業効率が上がるとされている。 4 賃貸オフィスビルに入居する場合の環境配慮項目の重要度(重要度DI)をみる と、「省エネルギー性能(断熱性・高効率の設備)」の項目の重要度が相対的 に高い結果が得られている。 5 環境配慮ビルへ入居する場合の賃料上乗せ支払いの意思額は、ランニングコス トの削減額が5%の場合、コスト削減分以上の賃料上乗せでも構わないという 企業は過半数に上っている。 - 1 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 第2章からの出題 問題3 「省エネルギー/温暖化ガス排出削減に関する手法」に関する次の記述のうち、最も 不適当なものはどれか。 1 オフィスビルのエネルギー消費量の内訳は、空調・熱源と照明・コンセントの 比率が高いと言われており、この部分に削減の余地が多く、これに対して優先 的に対策を実施することが有効である。 2 新築の計画に当たっては、エネルギー消費の元を断つという観点から、建築計 画の初期から、省エネルギーを考えていくことが重要である。しかし、既存建 物の省エネ化に関しては、容易性や改修の波及の大小などを判断すると運用的 な手法から着手することになる。 3 総合的な環境性能向上、環境負荷削減のためには、設備的な省エネと共に、建 築的なファサードデザイン、自然換気・自然採光などの取り組み、エコワーク スタイルへの対応などによる、室内環境性能の向上・知的生産性の向上など、 総合的な取り組みが重要となる。 4 総合的な環境性能向上、環境負荷削減のための取り組みとして、エネルギー消 費の原因を「元から絶つ」という「建物デザインの工夫」が重要であり、「外 皮性能の向上」、「自然通風、自然換気」、「昼光利用」などの取組みが行わ れている。 5 自然換気・自然通風を採用した場合、室内温湿度の変動は当然生じるので、在 室者の好みや許容温湿度範囲などには配慮する必要はない。 問題4 「省エネルギー/温暖化ガス排出削減に関する手法」に関するイからニまでの記述の うち、正しいものはいくつあるか。 イ 昼光利用という観点からは高窓が有効であり、天井面を明るく見せる工夫も重 要となる。 ロ 空調や熱源の容量について合理的な余裕は必要であるが、過大容量機器の運転 によるエネルギー消費の無駄の発生に配慮する必要がある。 ハ タスク&アンビエントとは、室全体を緩やかに空調・照明し、人の居るところ をより快適に制御することにより、省エネルギーと快適性を両立させる手法で ある。 ニ 必要な所だけを空調・照明するというオンデマンド制御は、便所の照明など人 感センサが動作しやすい場所への適用に限定され、オフィス内の照明や空調に 適用することは適切でない。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 すべて正しい 5 すべて誤っている - 2 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題5 「省エネルギー/温暖化ガス排出削減に関する手法」に関するイからニまでの記述の うち、正しいものはいくつあるか。 イ 最近の照明計画として、部屋全体の心理的な明るさ感を確保するように、壁面 や天井面に光を当てるアンビエント照明を計画し、タスク部分は、タスク用の 照明器具で生理的に適切な範囲で照度を確保するなどの試みが行われている。 ロ ビルエネルギー管理システム(BEMS)などを活用して、エネルギー消費の計量 を詳細に行い、更にその結果を分析・評価することにより、経年的に省エネ化 を進めていくことが重要である。 ハ 商業施設は、一般的には、照明などの内部発熱が多い、外気量が多い、曜日や 時間帯により人員密度のばらつきが大きいなどの特徴を持つ。また、大型物販 店舗などでは窓が少ない、スーパーマーケットやコンビニなどでは冷蔵冷凍 ショーケースの消費電力が大きいなどの特徴があり、建築形態・営業形態ごと の省エネの工夫が重要となる。 ニ 食品販売店舗では、ショーケースからの冷気漏れの防止や回収、夜間のカ バー、適正な温度管理、インバータ制御、漏れた冷気による店舗内の冷え過ぎ の防止など、様々な工夫が行われている。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 すべて正しい 5 すべて誤っている 問題6 「水の有効利用に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれ か。 1 衛生器具の節水化は年々進み、現在の節水器具の水使用量の最小値は大便器で 6L/回、小便器で4L/回程度となっている。 2 排水再利用の方式として、近年では活性炭処理装置やUF膜処理装置などのよう な高度処理が可能な方式も採用されている。 3 雨水は雑用水や防災用水としての利用だけでなく、屋根への散水や外装での保 水による熱環境保全にも活用される。 4 建築物において水の有効利用を総合的に考える際、建築物の立地条件や敷地条 件を把握することが重要である。 5 雨水を地下浸透する方法としては、浸透トレンチ、浸透ます、屋外駐車場等を 利用した透水性舗装等がある。 - 3 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題7 「水の有効利用に関する手法」に関するイからニまでの記述のうち、正しいものの 組み合わせはどれか。 イ 雨水は、雑用水として利用する上では透明度が高くきれいであるが、人為的に 汚染された集水面から流出する水を利用する場合等は、消毒を要する。 ロ 治水対策は主に雨水貯留と雨水地下浸透に分けることができ、雨水貯留は地盤 沈下防止などの効果が期待できる。 ハ 節水器具の普及により、超節水ビルの水使用量は1970年代の事務所建物と比較 して、約半分に低下している。 ニ 水の有効利用に関する基本的な考え方として、外構・敷地での手法、建築的手 法、設備的手法を総合的に実施することが重要である。 1 イとロ 2 イとハ 3 イとニ 4 ロとハ 5 ハとニ 問題8 「資源利用や安全に関する手法」について、資源を使い続けられるための対策に関す るイからニまでの記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。 イ 有害物質を含まない建材を使う ロ 持続可能な材料を使う ハ 更新しやすい仕様とする ニ リユース材・リサイクル材を使用する 1 イとニ 2 ロとニ 3 ハとニ 4 ロとハとニ 5 イとロ - 4 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題9 「資源利用や安全に関する手法」における「廃棄物の処理負荷抑制に寄与する取組 み」に該当するものとして、最も不適当なものは次のうちどれか。 1 ゴミの分別回収容器・ボックスの設置 2 長期保存容器の使用 3 バイオマス利用 4 化学物質排出把握管理促進法で指定された物質を含まない建材の使用 5 廃棄物削減に関する維持管理の組織化 問題10 「生物多様性や敷地に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはど れか。 1 エコスタックとは落ち葉などを堆積して、肥料をつくる仕掛けである。 2 緑地面積が大きくなると、そこで確認される野鳥の種類が増加していく。 3 敷地内に存在する貴重な水、緑、土などの自然資源を保全し活用することは、 生態系の循環系構築に有効である。 4 街に大きな緑が存在すると大幅な緑視率の向上が期待できる。 5 生態空間の創出のためには、周辺の生物資源と連続する緑地配置が重要であ る。 問題11 「生物多様性や敷地に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはど れか。 1 敷地内に存在する樹木や水辺、表土等の自然資源については、都市環境の改善 にも貢献する。 2 近年では積極的に建物と一体となる立体的な緑化を行い、緑量を増やす事例も 多くみられる。 3 土壌汚染対策法は、平成14年に初めて制定された。 4 自然災害への対策を考える上では、まずその土地にどのようなリスクがあるの かを調査・把握することが必要である。 5 外来生物法とは、「特定外来生物による生態系等に係る利益の公正な配分に関 する法律」のことを指す。 - 5 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題12 「屋内環境に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 1 タスクアンビエント照明を採用する場合、タスクとアンビエントの照度のバラ ンス、天井や壁の輝度に注意し、部屋の明るさ感を損なわないようにする必要 がある。 2 執務空間の騒音や振動は集中力を低下させ、作業効率を低下させる。また、会 話や放送などが明瞭に聞こえることは、効率的に仕事を行うために必須であ る。 3 室内の良好な空気質を維持するためには、汚染物質の発生を抑制しながら、十 分な外気を供給することが重要である。 4 昼光利用を効果的に運用するためには、直射光によるグレア(まぶしさ)の対 策を行う必要がある。 5 設備騒音の抑制対策では、低騒音タイプの空調機器を採用することが唯一の対 策となる。 問題13 「屋内環境に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。 1 必要換気量として、建築基準法では、20(m3/h・人)以上とすることが規定され ている。 2 ビル全体の運用に関わる問題として、禁煙または喫煙ブースなど、非喫煙者が 煙に曝されないような対策も重要である。 3 建築物衛生法における室内空気温度は17~28℃とされているが、快適性の面か ら、事務所ビルでは一般的に冬期22℃、夏期26℃の室温を実現するための設備 容量を確保する。 4 中小のビルでは、ゾーン毎に冷暖が切り替えられるマルチユニット型ヒートポ ンプ方式が一般的となっており、外気の取り入れや湿度制御の検討は不要と なっている。 5 自然換気の効果として、一時的に自然換気による空気質の改善が可能であるこ とが挙げられる。 - 6 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 第3章からの出題 問題14 CASBEE-不動産の「CASBEEファミリーにおける位置づけ」及び「建物の環境性能評価 ツールにおける位置づけ」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 CASBEE-不動産は、不動産マーケットでの普及を促進するために、設計者や自治 体が短期に簡略的に評価が可能なツールとして開発されたものである。 2 CASBEE-不動産の評価が行われた建物について、その後に従来のCASBEE評価が行 われることは望ましくない。 3 CASBEE-不動産はCASBEEの超簡易版としてCASBEE-戸建(新築)と類似した性格 を有することから、CASBEEファミリーにおいては「1.住宅」のスケール系統に 位置づけられる。 4 CASBEE-不動産は必須項目を満たした建物のみ認証対象とすることから、不動産 のブランディングツールとして位置づけられる。また既存建物の環境性能を簡 易に診断しユーザーの気づきにつなげられるチェックリストとしても利用しう る。 5 CASBEE-不動産については、環境性能が高くなるに従い、1つ星のCランクから 2つ星のB、3つ星のA、4つ星のSの格付けが行われる。 問題15 「CASBEE-不動産の考え方と構成」に関するイからホまでの記述のうち、正しいもの はいくつあるか。 イ CASBEE-不動産は竣工後1年以降の既存建物を対象に認証を行う。 ロ CASBEE-不動産(オフィス)とCASBEE-不動産(店舗)では、「廃棄物処理負荷 抑制」の項目の扱いが異なる。 ハ CASBEE-不動産はエネルギー/温暖化ガス、資源利用/安全、生物多様性/敷 地、屋内環境の4つの分類に必須項目を設けている。 ニ 資源利用/安全の必須項目は新耐震基準に適合することのみである。 ホ 従来のCASBEEがBEEにより総合環境性能の評価を行うのと同様に、CASBEE-不動 産もBEEの評価を行う。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 4つ 5 全て正しい - 7 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 第4章からの出題 問題16 「1. エネルギー/温暖化ガス」の必須項目の評価に関するイからニまでの記述のう ち、正しいものはいくつあるか。 イ 「省エネ基準のクリア」の判定に際して、評価建物の省エネルギー計画書が確 認できなかったので、一次エネルギー消費量の実績値を基に、「1.2 エネル ギー使用・排出原単位(実績値)」の評価がレベル3以上であることを確認し た。 ロ 「省エネ基準のクリア」の判定に際して、評価対象の建物の竣工年度が古く、 省エネ計画書の届出が行われていない場合は、無条件で「クリア」したものと 判断せざるを得ない。 ハ 「運用管理体制の構築」に関して、建物の運用管理の体制図を確認し、各テナ ントの代表者を含めたビルの運用管理体制が組織されており、居住者を含めた 省エネルギーの取り組みを進めていることが確認できたので、1ポイントを加 点した。 ニ 評価対象の建物には事務所とホテルが併設されており、このホテル部分で積極 的な省エネルギーに取り組んでいるため、その部分を含めて評価した。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 すべて正しい 5 すべて誤っている 問題17 「1.1 エネルギー使用・排出原単位(計算値)」の評価に関する次の記述のうち、最 も不適当なものはどれか。 1 評価対象建物の省エネ計画書を紛失したので、最新の一次エネルギー消費量算 定プログラムにより新たに一次エネルギー消費量を算定して、評価した。 2 平成25年4月に改正された省エネ基準に対応した「BEST平成25年省エネ基準対 応ツール」を用いて、C/Sを算出して評価した。 3 計算値Cと基準値Sを用いて、C/Sを計算し、0.73であることをから、20ポ イントと評価した。 4 床面積20,000㎡のデパートの評価に際して、省エネ計画書が入手できなかった ので、一次エネルギー消費の実績値 60,000(GJ/年)と、DECC(非住宅建築物 の環境関連データベース)の統計値を用いて、C/S求めた結果加点は、18ポ イントとなった。 5 「東京都建築物環境配慮制度」によってERR(エネルギー利用削減率)を算出し ているため、1-ERRの値をC/Sとみなして評価した。 - 8 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題18 「1.2 エネルギー使用・排出原単位(実績値)」の評価に関するイからニの記述のう ち、正しいものはいくつあるか。 イ 評価対象建物の8階全体に、データセンターが入居しており、そこでのエネル ギー消費量が計測されているため、建物全体のエネルギー消費量から除外し、 床面積からも除外してエネルギー消費原単位を算定した。 ロ 評価対象建物は、オフィス棟10,000㎡内に駐車場1,000㎡が設置されているた め、駐車場部分の床面積を除外して評価した。 ハ 延床面積10,000㎡の物販店舗で、年間の一次エネルギー消費量が20,000(GJ/年) の場合、レベル3と評価した。 ニ 飲食店舗と物販店舗が併設され、用途別にエネルギー消費量が計測されている ため、飲食店部分の評価と物販店部分の評価をそれぞれ行い、その評価結果 を、それぞれの用途の床面積比率で案分して建物全体の評価とした。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 すべて正しい 5 すべて誤っている 問題19 延床面積10,000㎡の物販店舗ビルがある。このビルにおける2014年度の電力消費量が 3 3,000,000(kWh/年)、都市ガス消費量が100,000(m /年)である場合、「1.2 エネ ルギー使用・排出原単位(実績値)」の評価結果として、次のうち正しいものはどれ か。ただし、一次エネルギーへの換算値は、電気が9.76(MJ/kWh)、都市ガスが45 (MJ/m3)とする。 1 レベル1 2 レベル2 3 レベル3 4 レベル4 5 レベル5 - 9 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題20 「1.3 自然エネルギー」の評価に関するイからニの記述のうち、正しいものの組み合 わせはどれか。 イ 評価対象建物の最大使用電力が1,000kW に対して、太陽光発電設備の供給電力 が15kWであることを確認して、レベル3と評価した。 ロ グリーン電力を購入(オフサイトの自然エネルギーを導入)しているため、自 然エネルギーによる供給電力として評価した。 ハ 評価対象建物屋上に設置された太陽光発電設備は全量買取制度を適用してお り、敷地内で直接消費していないが、評価の対象とすることができる。 ニ 最大使用電力のカットと震災時の非常電源の確保の観点から供給電力40kWの太 陽光発電設備を設置している。このとき、建物の電力消費量の最大値は2000kW であるため、レベル4とした。 1 イとロ 2 イとハ 3 ロとハ 4 ハと二 5 ロとニ 問題21 「3.資源利用/安全」の必須項目の評価について、1980年に竣工した建物の評価を 行う場合の判断として、次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 倒壊危険度指標If値が0.7なので、必須項目を満たしていると判断した。 2 構造耐震指標Is値が0.4なので、必須項目を満たしていると判断した。 3 耐震改修が実施中であり、利用者の継続的な入居を阻害しない範囲で継続的に 耐震改修を進めている場合、評価時点の性能で評価する。 4 建物全体の耐震改修を行うことが決定しているが、実施前の場合、評価に反映 することができない。 5 構造耐震指標Is値が0.5なので、必須項目を満たしていると判断した。 - 10 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題22 「3.1 高耐震・免震等」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれ か。 1 「①耐震性」の評価において、損傷制御設計が行われているのでレベル5と判 断した。 2 「①耐震性」、「②免震・制振機能」の2つの評価で高い方の点数を評価結果と した。 3 「②免震・制振機能」の評価において、免震装置を導入しているのでレベル4 と判断した。 4 「①耐震性」の評価において、時刻歴応答計算で、層間変形角を1.5分の一とし たので、レベル5と判断した。 5 「②免震・制振機能」の評価において、制振装置を導入しているのでレベル4 と判断した。 問題23 「3.2 再生材利用」の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 「①躯体材料におけるリサイクル材の使用」の評価において、自己評価の場合 で、建材等の確認ができなかったのでレベル3とした。 2 店舗の場合、「3.2.1 再生材利用率」と「3.2.2 廃棄物処理負荷抑制」の両方 を評価し、平均値を評価結果とした。 3 「②非構造材料におけるリサイクル材の使用」の評価において、同じ品目に含 まれるが、3つの材料を使用していたので、3品目用いていると判断した。 4 「3.2.1 再生材利用率」の評価において、「①躯体材料におけるリサイクル材 の使用」と「②非構造材料におけるリサイクル材の使用」の評価レベルの低い 方を評価結果とした。 5 「3.2.2 廃棄物処理負荷抑制」の評価において、6ポイントであったが、評価 対象が飲食・食品売場を含まない物販店舗だったので、レベル5と判断した。 - 11 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題24 飲食店舗と食品売場を含まない物販店舗において、以下に示す取組みを行っている場 合に、「3.2.2 廃棄物処理負荷抑制」の評価結果について、正しいものはどれか。 ・日常的に発生するゴミの種類や量を推計している ・店舗内にゴミの分別回収容器を設置している ・ビン・缶類の減容化は行っていない ・リターナブルコンテナを利用している ・廃棄物削減に関する維持管理の組織化及び継続的な教育を行っている 1 レベル1 2 レベル2 3 レベル3 4 レベル4 5 レベル5 問題25 「3.3 躯体材料の耐用年数」の評価に関するイからニの記述のうち、正しいものはい くつあるか。 イ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準、3.劣化の軽 減に関すること)」において、鉄骨の評価方法基準(平成25年消費者庁・国土 交通省告示第1号)で等級2に該当する仕様だったので、レベル4とした。 ロ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準、3.劣化の軽 減に関すること)」において、等級3とは、通常使用される自然条件および維 持管理の条件の下で2世代(おおむね50~60年)まで、大規模な改修工事を必 要とするまでの期間を伸長するため必要な対策が講じられていることを指す。 ハ 躯体の耐震改修工事において繊維補強が行われていたので、躯体材料の耐用年 数の伸長に寄与すると考え、評価の際にその効果を含めて判断した。 ニ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準、3.劣化の軽 減に関すること)」における鉄骨の評価方法基準(平成25年消費者庁・国土交 通省告示第1号)で等級1に該当する仕様だったので、レベル3とした。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 全て正しい 5 全て誤っている - 12 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題26 「3.4 主要設備機器の更新必要間隔/設備の自給率向上/維持管理」の評価に関する イからニの記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。 イ 「③維持管理」の評価において、建築物衛生法における特定建築物に該当し、 清掃管理と設備管理における業務標準仕様書を用意しているので、評価ポイン ト1を加算した。 ロ 「①主要設備機器の更新必要間隔」の評価において、主要設備機器の更新周期 が異なっていたので、機器ごとの評価結果の平均を本項目の評価結果とした。 ハ 「①主要設備機器の更新必要間隔」、「②設備(電力等)の自給率向上」、 「③維持管理」の評価レベルの最小値を評価結果とした。 ニ 「②設備(電力等)の自給率向上」の評価において、自然エネルギーによるエ ネルギー供給を可能としていたので、評価ポイント1を加算した。 1 イとハ 2 ロとハとニ 3 ハとニ 4 ロとニ 5 イとロとニ 問題27 「4.生物多様性/敷地」の必須項目の評価に関する次の記述のうち、最も不適当な ものはどれか。ただし、特定外来生物・未判定外来生物・要注意外来生物は「特定外 来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づくもの とする。 1 敷地内に過去に導入され現存している要注意外来生物について、維持管理は容 易であるが新たな導入は回避することとした。 2 特定外来生物を飼育、栽培、保管、運搬、輸入することは原則として禁止され ており、新たに植栽することも禁止されている。 3 未判定外来生物として指定されている外来生物は、その影響の実態がよくわ かっていないことから、導入を回避する必要がある。 4 用地を取得した時点で敷地内に既に存在していた特定外来生物については、評 価からは除外することとした。 5 要注意外来生物については、環境省から適切な取扱いについて理解と協力がお 願いされているものであるが、屋上緑化であれば導入しても影響はなく、問題 はない。 - 13 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題28 「4.1 生物多様性の向上」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれ か。ただし、記載されている以外の取組みは無いものとする。 1 「①生物多様性に関する評価の実施、認証の取得」の評価において、生物多様 性評価に関する第三者認証としてJHEPのAAランクの認証を取得していることか ら、レベル5とした。 2 「②取組み表による評価」において、計画地周辺の土地に本来生育する植物種 を基本とした植栽計画を行っていることから、評価ポイント1としてカウント した。 3 「②取組み表による評価」において、生態系に有効と考えられる水面を含めた 場合、緑化率が30%であったので、評価ポイント1としてカウントした。 4 「②取組み表による評価」において、計画地内に保全すべき自然資源がないこ とから、評価ポイント1としてカウントした。 5 「②取組み表による評価」において、建物運用時の管理方針は定めていない が、緑地の維持管理に必要な設備を設置していることから、評価ポイント1と してカウントした。 問題29 「4.3 公共交通機関の接近性」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものは どれか。 1 一定水準の鉄道駅まで徒歩12分、一定水準のバス停まで徒歩4分であることか らレベル3とした。 2 一定水準の鉄道駅まで徒歩5分ではあるが、一定水準のバス停が徒歩15分圏内 にはないことからレベル1とした。 3 一定水準の鉄道駅まで徒歩15分、一定水準のバス停まで徒歩4分であることか らレベル3とした。 4 一定水準の鉄道駅まで徒歩20分、一定水準のバス停まで徒歩5分であることか らレベル3とした。 5 一定水準の鉄道駅まで徒歩4分、一定水準のバス停までも徒歩4分であること からレベル5とした。 - 14 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題30 「4.4 自然災害リスク対策」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはど れか。ただし、記載されている以外のリスクは無いものとする。 1 敷地は30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が25%であり、水害時 の予想浸水深さが50㎝を超えることから、地震動と水害のリスクが存在するも のと判断し、それぞれについて有効な防災対策を講じたのでレベル5とした。 2 計画地は背後に崖のある海沿いに位置しており、水害、液状化、津波、地震 動、斜面災害のリスクがあることから、防災対策を実施はしているものの、レ ベル1とした。 3 計画地は河川に近く、水害、液状化、地震動のリスクがあるが、それぞれのリ スクに対して有効な防災対策を実施していることからレベル3とした。 4 計画地は崖下に位置しており、斜面災害のリスクがあることは把握している が、有効な防災対策が行えていないことからレベル2とした。 5 計画地は広い平野に位置しておりIKLが30となっているが、特段の防災対策は 行っていないことからレベル2とした。 問題31 「5.屋内環境」の必須項目の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはど れか。 1 建築物環境衛生管理基準における浮遊粉じんの量の管理基準は0.20(mg/m3)以 下である。 2 建築物環境衛生管理基準における温度の管理基準は17℃以上28℃以下である。 3 建築物衛生法による特定建築物(延床面積が3,000㎡以上)ではない場合には、 「②質問票による評価」により評価する。 4 建築物環境衛生管理基準における相対湿度の管理基準は40%以上70%以下であ る。 5 建築物環境衛生管理基準における二酸化炭素の含有率の管理基準は1,000ppm 以 下である。 問題32 オフィスにおける「5.1 昼光利用」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なも のはどれか。 1 開口面積が大きくなると、あわせて暑さ(日射)やまぶしさ(グレア)制御の 必要性も大きくなる。 2 「②昼光利用設備」の評価について、昼光利用設備が1種類ある場合、レベル 5と評価される。 3 「①自然採光」の評価において、開口率は、開口による自然光の導入可能性の 目安を、開口面積/床面積(%)により簡易に評価するものであり、値が大き いほど評価が高い。 4 「②昼光利用設備」の評価対象となる昼光利用設備とは、建物外壁に通常設け られる窓以外に、積極的な昼光利用を意図して設けられた設備である。 5 「①自然採光」の評価において、開口率が12%の建物はレベル3と評価され る。 - 15 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題33 店舗における「5.1 昼光利用」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものは どれか。 1 飲食店舗の「①自然採光」の評価において、開口率が12%の建物はレベル3と 評価される。 2 デパートの「①自然採光」の評価において、開口率が6%の建物はレベル2と 評価される。 3 家電量販店の「①自然採光」の評価において、屋上にオープンモールを有する 場合、レベル5と評価される。 4 スーパーの「①自然採光」の評価において、開口率が6%の建物はレベル2と 評価される。 5 「②昼光利用設備」の評価について、昼光利用設備が2種類ある場合、レベル 5と評価される。 問題34 共用部の代表ゾーン(共用通路)が床面積3,000㎡の物販店舗がある。共用部の代表 ゾーンにおける昼光利用に有効な開口部が、トップライト50㎡×3ヶ所、ハイサイド ライト30㎡×2ヶ所、1階エントランスのガラス開口部10㎡×3ヶ所である場合に、 「5.1昼光利用 ①自然採光」の評価結果として、次のうち正しいものはどれか。 1 レベル1 2 レベル2 3 レベル3 4 レベル4 5 レベル5 問題35 オフィスにおける「5.2 自然換気性能」の評価に関する次の記述のうち、最も不適 当なものはどれか。 1 外気冷房について、必要外気量の2倍以上の換気量がある場合には、条件によ りレベル4、レベル5の評価とする。 2 事務所の代表的な事務室を対象として、開閉可能な窓(自然換気が行える窓) が十分に設けられているかどうかを評価する。 3 窓が開閉可能な居室において、自然換気有効開口面積が居室床面積の1/20の場 合、レベル4と評価される。 4 窓が開閉不可能な居室において、自然換気有効開口面積が50(cm2/m2)以上の場 合、レベル5と評価される。 5 排煙窓については自然換気を意図して設計されたものであっても自然換気開口 と見なすことはできない。 - 16 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題36 店舗における「5.2 自然換気性能」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なも のはどれか。 1 中間階に屋外テラスを有する場合、レベル3と評価される。 2 物販店舗では、物販エリアの代表階の代表室、あるいは共用部の代表ゾーン等 で評価する。 3 売場に自然換気が可能な開口部を有する場合、レベル2と評価される。 4 屋上にオープンモールを有する場合、レベル2と評価される。 5 売場に自然換気が可能な開口部を有し、かつ地上にオープンモールを有する場 合、レベル4と評価される。 問題37 基準階における事務室の床面積が720㎡の事務所ビルがある。この事務室には自然換 気に有効な窓(自然換気有効開口部が幅1.0m、高さ1.8mである窓)が20ヶ所設置さ れている。この場合の「5.2 自然換気性能」の評価結果として、次のうち正しいもの はどれか。ただし、この建物では空調装置による外気冷房は行っていないものとす る。 1 レベル1 2 レベル2 3 レベル3 4 レベル4 5 レベル5 問題38 オフィスにおける「5.3 眺望」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なもの はどれか。 1 建築の利用者にとって広く感じる空間、景観が楽しめる空間は心理性・快適性 の向上に寄与するものと考えられる。 2 天井高さは必ずしも快適性を直接説明するものではないが、その効果として、 広さ感、開放感など様々な恩恵をもたらすものと考えられる。 3 事務室の天井高2.6mで、かつ、すべての執務者が十分な屋外の情報を得られる ように窓が設置されている場合、レベル3と評価される。 4 事務室の天井高2.8mで、かつ、すべての執務者が十分な屋外の情報を得られる ように窓が設置されている場合、レベル5と評価される。 5 事務室の天井高2.5mで、かつ、すべての執務者が十分な屋外の情報を得られる ように窓が設置されている場合、レベル3と評価される。 - 17 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 問題39 オフィス10,000㎡、店舗5,000㎡、駐車場2,000㎡から構成される複合施設の評価を行 う。CASBEE-不動産の評価結果はオフィスが75点、店舗が70点である。複合施設の総 合評価結果として、次のうち正しいものはどれか。ただし、総合評価結果は四捨五入 により小数第1位まで求めるものとする。 1 71.7点 2 72.5点 3 72.9点 4 73.3点 5 73.9点 第6章からの出題 問題40 建物の環境配慮関連の用語に関するイからニまでの記述のうち、正しいものはいくつ あるか。 イ 不動産とは、民法第86条第1項の定義により「土地及びその定着物」を指す。 ロ ビオトープとは、「生物多様性」を示す言葉であり、語源はギリシア語からの 造語(bio(命)+topos(場所))といわれる。 ハ ブラウンフィールドとは、「土壌汚染の存在、あるいはその懸念から、本来、 その土地が有する潜在的な価値よりも著しく低い用途あるいは未利用となった 土地」のことを言う。 ニ CO2排出係数とは、「地球温暖化対策の推進に関する法律」(温対法)などによ り、エネルギー消費量から二酸化炭素排出量に換算するための係数である。 1 1つ 2 2つ 3 3つ 4 全て正しい 5 全て誤っている - 18 - 第3回CASBEE不動産評価員試験 第3回CASBEE不動産評価員試験 正答一覧 番号 正答 番号 正答 問題1 3 問題21 1 問題2 3 問題22 3 問題3 5 問題23 1 問題4 3 問題24 3 問題5 4 問題25 2 問題6 1 問題26 4 問題7 3 問題27 5 問題8 2 問題28 5 問題9 4 問題29 2 問題10 1 問題30 5 問題11 5 問題31 1 問題12 5 問題32 2 問題13 4 問題33 3 問題14 4 問題34 2 問題15 2 問題35 5 問題16 2 問題36 4 問題17 4 問題37 4 問題18 3 問題38 4 問題19 2 問題39 4 問題20 4 問題40 3
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