第17回CASBEE戸建評価員試験問題と正答

第17回
(2016年11月)
CASBEE戸建評価員試験
問
題
次の注意事項をよく読んでから、解答を始めてください。
[注意事項]
1.この試験は、次の CASBEE マニュアルの内容に基づくものです。
「CASBEE-戸建(新築) 評価マニュアル(2016年版)」
2.試験時間は、14時00分から16時00分までの2時間です。
3.問題は表紙を除いて16ページあります。この他に解答用紙が1枚あります。
4.解答用紙には、試験会場名・氏名・生年月日・受験番号を記入してください。
5.各問題につき1つの解答を選んでください。複数選択した場合は不正解となります。
6.総合問題を除き、問題は分野(QH1~3、LRH1~3)毎に分かれていますが、選択
肢の全てがその分野に含まれる内容とは限りません。
7.この問題冊子への書き込みは差し支えありません。
※本試験問題の無断転載、複製、営利目的使用は禁じられています。
<総合問題>
問題1
CASBEE-戸建(新築)の概要について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 CASBEE戸建評価認証制度は、CASBEE-戸建(新築)を使って評価員が評価した結
果を、第三者の評価機関が妥当性を審査し、認証する制度である。
2 評価の基本姿勢として、総合的に評価するものであるため、特定の取組みのみに
特化した住宅よりも、関連分野にバランスよく取組む住宅が高く評価される。
3 CASBEE-戸建(新築)による戸建住宅の環境性能評価は、登録された「CASBEE戸
建評価員」のみが行うことができる。
4 CASBEE-戸建(新築)は、評価の条件の全てが決まらない段階においても、想定
条件のもとで評価することが可能である。
5 CASBEE-戸建(新築)では、省エネルギー等に係る評価において平成28年に施
行された省エネ基準を引用している。
問題2
CASBEE-戸建(新築)における住宅の低炭素化性能評価について、次の記述のうち最
も不適当なものはどれか。
1 採点項目のうち、住宅の寿命や省エネルギーに係る項目の評価結果に基づいてラ
イフサイクルCO2排出量を算定している。
2 グリーン電力証書取得の取組みは、敷地内(オンサイト)における低炭素化の取
組みとして評価できる。
3 一般的な戸建住宅のライフサイクルCO2の排出量に対する割合(排出率)に応
じて、ランク表示がなされる。
4 評価ソフトによらず、他の公開されたLCA手法などにより評価者が独自に算定
したライフサイクルCO2を入力し、評価する方法も可能である。
5 ライフサイクルCO2排出率が100%を超える住宅は、非省エネ住宅であると
評価される。
問題3
「CASBEE-戸建(新築)の評価のしくみ」について、次の記述のうち最も不適当なも
のはどれか。
1 戸建の環境品質QHと環境負荷LHは、それぞれ集計され、最終的には100点
満点の点数に変換される。
2 環境品質QHを倍にして環境負荷LHを半分にすると、BEEHは4倍になる。
3 環境品質QHは、「室内環境を健康・快適・安心にする」、「長く使い続ける」
および「まちなみ・生態系を豊かにする」の3つの分野で評価を行う。
4 環境品質QHと環境負荷LHの評価対象範囲は建物の内と外で区分される。
5 BEEHの値の大小に応じて、「Sランク(★★★★★)」、「Aランク(★★
★★)」、「B+ランク(★★★)」、「B-ランク(★★)」、「Cランク
(★)」の5段階に格付けされる。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題4
CASBEE-戸建(新築)の環境効率BEEHについて、次の記述のうち最も不適当なもの
はどれか。
1 環境品質QH50点、環境負荷LH15点の場合、Sランク(赤★★★★★)と
評価される。
2 環境品質QH52点、環境負荷LH35点の場合、Aランク(赤★★★★)と評
価される。
3 環境品質QH70点、環境負荷LH58点の場合、B+ランク(赤★★★)と評
価される。
4 環境品質QH20点、環境負荷LH22点の場合、B-ランク(赤★★)と評価さ
れる。
5 環境品質QH42点、環境負荷LH91点の場合、Cランク(赤★)と評価され
る。
問題5
「CASBEE-戸建(新築)の使い方」について、次の記述のうち最も不適当なものはど
れか。
1 CASBEE-戸建(新築)では、住宅の仕様についてのみ評価し、入居者が持ち込む
家電機器等については評価項目に含まれない。
2 設計者が設計中の住宅の環境性能について総合的に確認し、その目標設定や達成
度をチェックする。
3 戸建住宅の環境性能を消費者にわかりやすく伝える手段として活用する。
4 自治体がその行政エリアにおける住宅および住宅地の整備を誘導する際の指針と
して活用する。
5 金融機関が住宅購入者等に融資する際、ローンの金利を優遇するなどの融資条件
として活用する。
問題6
CASBEE-戸建(新築)における「評価の基本的な考え方」について、次の記述のうち
最も不適当なものはどれか。
1 CASBEE-戸建(新築)では、既に活用されている既存の制度や手法を引用してい
る。
2 CASBEE-戸建(新築)は簡易な計算や、環境に配慮した取組みの数で評価する方
法を優先的に採用している。
3 CASBEE-戸建(新築)は、一部の専門家のためのツールではなく、住宅建設に携
わる様々な人が使うことを意識し開発している。
4 採点のレベル設定において、 今後特に普及を促進すべきと考えた取組みは、 現
状では比較的高度な場合であってもレベル3と設定したものもある。
5 CASBEE-戸建(新築)では、建物供給側が直接的に携わることができる取組みの
みが評価項目となっている。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題7
CASBEE-戸建(新築)の「ソフトウェアの使い方」について、次の記述のうち最も不
適当なものはどれか。
1 評価項目の中には、選択肢の中から「対象外」を選ぶことができるものもある。
2 「配慮」シートには、設計上の配慮や取組みを具体的に記入するとともに、「総
合」欄には建物全体に関する総合的なコンセプトを記入する。
3 「メイン」シートで、温暖化影響チャートの計算に「戸建標準計算」を選択した
場合、電気のCO2排出係数には、調整後排出係数が用いられる。
4 「採点Q1」~「採点LR3」シートの各採点基準表の下に設けられた「具体的
な取組み」欄には、具体的な取組み内容や特徴を記入する。
5 「結果」シートは設計段階や契約段階の打ち合わせ等での利用を想定し、A4サ
イズでプリントアウトされるように設定されている。
問題8
CASBEE-戸建(新築)における「二世帯住宅の評価の考え方」について、次の記述の
うち最も不適当なものはどれか。
1 評価対象設備が複数ある場合は、評価者が任意に選択して評価する。
2 評価対象室が複数ある場合は、床面積が最も大きい室で評価する。
3 内部で行き来できる二世帯住宅のみを対象とし、完全分離型の二世帯住宅は評価
対象外とする。
4 日常的に利用されない室(ゲストルーム等)は評価対象外とする。
5 評価対象室が複数あり、それらの室が同じ面積の場合は、使用頻度が多い室で評
価する。
問題9
CASBEE-戸建(新築)における「採点基準の見方」について、次の記述のうち最も不
適当なものはどれか。
1 「評価内容」欄では、何をどのような基準、あるいは考え方で評価しているか、
という評価の視点を示す。
2 「加点条件の有無」欄には、「評価レベル」欄の採点基準による評価の後、ある
条件に基づく追加の取組みによりレベルをあげる仕組みの有無が記載されてい
る。
3 「評価対象外」欄には、立地上の制限や建築基準法の規制条件などにより、その
項目を一律レベル3と採点する場合の条件が記載されている。
4 「条件によるレベル変更」欄には、「評価レベル」欄の採点基準等にかかわら
ず、ある条件でレベルが決まる場合に、その条件が記載されている。
5 「評価レベル」欄において、(該当するレベルなし)と記載されているレベルは
無いものとして扱う。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題10
ライフサイクルCO2評価における「戸建標準計算」の評価方法について、次の記述
のうち最も不適当なものはどれか。
1 CASBEE-戸建(新築)では、住宅のライフサイクルの中でも、建設、修繕・更
新・解体、居住を評価対象とする。
2 温暖化影響チャート「②建築物の取組み」は、住宅の省エネルギー基準の算定プ
ログラムで算出した太陽光発電による削減の効果を含めた設計一次エネルギー消
費量にCO2換算係数を乗じて求める。
3 「居住」段階のCO2排出量は、エネルギーに係るCO2排出量と水消費に係る
CO2排出量を合算して求める。
4 温暖化影響チャート「①参照値」は、住宅の省エネルギー基準の算定プログラム
で算出した基準一次エネルギー消費量にCO2換算係数を乗じて求める。
5 「QH2.1.1 躯体」の採点結果がレベル5の時には、躯体・基礎の寿命を9
0年として「建設」段階と「修繕・更新・解体」のCO2排出量が計算される。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
<QH1 室内環境を快適・健康・安心にする>
問題11
「断熱等性能の確保」におけるレベル5の評価について、次の記述のうち最も不適当
なものはどれか。
1 地域区分3に建つ住宅について外皮平均熱貫流率が0.35W/(㎡・K)であった
ので、レベル5と判断した。
2 地域区分8に建つ住宅について熱損失係数が3.0W/(㎡・K)で普通単板ガラス
の各窓に外付けブラインドがあったので、レベル5と判断した。
3 レベル5の判断は、外皮平均熱貫流率、熱損失係数のほか、部位毎の熱貫流率等
により判断することもできる。
4 地域区分8に建つ住宅について熱損失係数が3.0W/(㎡・K)で夏期日射侵入率
(面積加重平均)が0.29であったので、レベル5と判断した。
5 地域区分5に建つ住宅について外皮平均熱貫流率が0.60W/(㎡・K)、熱損失
係数が2.0W/(㎡・K)であったので、レベル5と判断した。
問題12
「日射の調整機能」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 居間を含む一体的空間と主寝室の、南面から±150°の範囲の外壁、および屋
根に設けられた開口部を評価対象とした。
2 同一室内に複数の開口部があるので、最も面積の大きい開口部の日射侵入率を採
用した。
3 ガラスの日射侵入率を、カタログにより確認した。
4 南面の庇は、夏期の日射は遮蔽するが、冬期の日射は遮蔽しないので、冬期の日
射侵入率の計算から除外した。
5 真南に設置された庇に対して、庇の出幅が窓下端と庇の高低差の0.4倍であっ
たので、日射遮蔽に有効な庇であると判断した。
問題13
「適切な冷房計画」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 冷房設備の設置が未定であったので、評価対象外とした。
2 エアコン以外の冷房設備を用いたので、居室内の温度分布が一様であることと、
温度制御が可能であることを確認し、適切な冷房計画であると判断した。
3 適切な冷房計画のためには、吹出しや吸込みを妨げる障害物のない場所に冷房設
備を設置しなくてはならない。
4 カタログを参考に、対象居室の大きさに合った容量のエアコンを選定したので、
適切な容量の冷房設備であると判断した。
5 居間を含む一体的空間において、適切な冷房計画が行われているので、レベル3
とした。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題14
「健康と安全・安心」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 「化学汚染物質の対策」の評価で、日本住宅性能表示基準の「6-1ホルムアル
デヒド対策(内装及び天井裏等)」において等級3を満たしているので、レベル
5とした。
2 「化学汚染物質の対策」の評価で、窓台、巾木、建具枠は評価対象から除いた。
3 「適切な換気計画」の評価において、台所、便所、浴室で発生する汚染物質に対
して、換気等の適切な処理計画がなされていることから、レベル3とした。
4 「適切な換気計画」の評価において、レベル5で求められるのは、居室単位で空
気室を維持するための換気であり、必ず外気が直接その部屋に供給されなければ
ならない。
5 「適切な換気計画」の評価において、竣工後の実測により必要な換気量が居室単
位で確保できていることが確認できたため、レベル5と評価した。
問題15
「災害に備える」の評価において、下記に示す仕様の住宅のレベルとして正しいもの
は次のうちどれか。
※仕様
住戸内に停電時に自動点灯する照明が設置され、かつ停電時に利用可能な太陽光発電
システムと蓄電池を設置し、災害発生時の機器の取扱いを含めた自立生活の方法につ
いて、すまい手に伝えている。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
問題16
「静かさ」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 評価対象は、居室の外壁に取り付けられている全てのサッシ及びドアセットの中
で平均的な性能のものとする。
2 全てのドアセットが日本住宅性能表示基準「8-4 透過損失等級(外壁開口
部)」の等級3で、サッシが等級2なので、レベル4とした。
3 遮音等級はメーカに問い合わせて確認した。
4 全てのサッシが日本住宅性能表示基準「8-4 透過損失等級(外壁開口部)」
の等級1で、ドアセットが等級2なので、レベル3とした。
5 室内における静かさの確保について、屋外から侵入する騒音などに対する遮音性
能により評価する。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
<QH2 長く使い続ける>
問題17
「長寿命に対する基本性能」における「躯体」に関する評価について、次の記述のう
ち最も不適当なものはどれか。
1 採点基準は、日本住宅性能表示基準「3-1 劣化対策等級(構造躯体等)」に
準拠する。
2 建築基準法に定める対策が講じられているため、レベル3とした。
3 おおむね50年まで大規模な改修を必要としない対策が講じられているため、レ
ベル4とした。
4 木造住宅で、劣化対策等級(構造躯体等)の等級3を満たしているが、床下空間
の高さが30cmと低いため、レベル4とした。
5 おおむね75年まで大規模な改修を必要としない対策が講じられているため、レ
ベル5とした。
問題18
「長寿命に対する基本性能」における「外壁材」に関する評価について、次の記述の
うち最も不適当なものはどれか。
1 サイディング外壁の評価の際に、目地防水が適切にメンテナンスされることを前
提として、サイディングの耐用年数により評価した。
2 引っ掛け式のタイル工法を採用していたため、レベルを1つあげた。
3 ALC材(乾式工法)による外壁であったため、レベル5と評価した。
4 劣化促進試験で検証された耐用年数が得られなかったため、実物件における使用
実績により耐用年数を定めた。
5 コンクリート打放し仕上げについて、高耐久塗装が施されているためレベル5と
した。
問題19
「長寿命に対する基本性能」における「火災に備える」に関する評価について、次の
記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 「火災に耐える構造」の評価で、日本住宅性能表示基準「2-6 耐火等級(延
焼のおそれのある部分(開口部以外))」における等級2を満たすので、レベル
3とした。
2 「火災に耐える構造」の評価で、延焼のおそれのある部分の外壁等(開口部以
外)の火熱を遮る時間が50分相当であるので、レベル4とした。
3 「火災に耐える構造」の評価で、延焼のおそれのある部分がないので、レベル5
とした。
4 「火災の早期感知」の評価で、評価対象住戸において発生した火災のうち、すべ
ての台所及び居室で発生した火災を早期に感知し、住戸全域にわたり警報を発す
るための装置が設置されているので、レベル5とした。
5 「火災の早期感知」の評価で、評価対象住戸において発生した火災のうち、すべ
ての台所及び寝室等で発生した火災を感知し、当該室付近に警報を発するための
装置が設置されているので、レベル4とした。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題20
「維持管理のしやすさ」の評価について、下記の仕様の場合のレベルとして正しいも
のは次のうちどれか。
※仕様
・延べ面積100㎡の電気・ガス併用住宅。
・日本住宅性能表示基準の「4-1維持管理対策等級(専用配管)」における等級2
を満たす。
・給湯ヘッダー方式を採用している。
・電気幹線の設計容量は5,000VA。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
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第17回CASBEE戸建評価員試験
<QH3 まちなみ・生態系を豊かにする>
問題21
「まちなみ・景観への配慮」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはど
れか。
1 本項目では、周辺のまちなみに調和させる取り組みや良好な景観形成を図る積極
的な取り組みは評価するが、まちなみ・景観の美しさは評価対象としない。
2 周辺のまちなみや景観に対して配慮されておらず、まちなみや景観から突出し、
調和していなかったため、レベル1として評価した。
3 評価する「取組み2」の①~⑤の全ての項目を満たしていたため、「取組み1」
については特に確認を行うことなく、無条件にレベル5として評価した。
4 評価する「取組み2」の①及び②を行うことによって、周辺のまちなみや景観に
対して配慮していたが、評価する「取組み1」を行っていなかったため、レベル
3として評価した。
5 評価する「取組み1」を満たしていたが、「取組み2」については、①~③の3
項目しか満たしていなかったため、レベル4として評価した。
問題22
「敷地内の緑化」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 樹木や地被植物の面積のほか、屋根や壁面の植栽面積や池などの開放水面の面積
を緑化面積に加えて評価した。
2 中・高木の緑化面積を、植栽時の樹冠の水平投影面積により評価した。
3 傾斜壁面の緑化面積を、緑化しようとする部分の水平投影面積又は見付面積の大
きい方の値を用いて評価した。
4 シバやその他の地被植物、低木の緑化面積を、その植物が成長時に覆うものと計
画した範囲の水平投影面積により評価した。
5 中・高木同士の重なりを重複して緑化面積に算入しないように評価した。
問題23
「生物の生息環境の確保」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれ
か。
1 周辺地域との親和性を高めるために設置した厚さ0.5mの生垣が、野鳥の住処
や隠れ場になると考え、レベル3として評価した。
2 庭の大半を池とすることにより、野鳥の水場の確保だけでなく、多くの生き物の
生息環境の形成に配慮したため、レベル3として評価した。
3 野鳥等の餌場や隠れ場となるような、樹高4m前後の花や実をつける3種類の高
木を、分散させて敷地内に配慮したため、レベル3として評価した。
4 庭や外構に自然石の石積みを多用し、小さな生き物の生息・生育空間を作り出し
たため、レベル3として評価した。
5 敷地内において、全く緑化をしていなかったが、水場と多孔質な空間を確保した
ため、レベル3として評価した。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題24
「地域の安全・安心」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 夜間において、人の行動を視認できる照度が確保できるよう、センサー付きの外
灯を設置したため、「取組み4」として評価した。
2 敷地内の建物の周囲に有効幅1.0mの通行可能な空間を確保し、境界部を軽量
フェンスにしたため、「取組み1」として評価した。
3 敷地に接する道路の幅員が5mだったので、建物壁面を道路境界線から2m離
し、接道部は緊急車両の通行を妨げないよう生垣としたため、「取組み3」とし
て評価した。
4 防火性の高いキョウチクトウやサンゴジュを用いて、接道部に高さ1.0mの生
垣を設けたため、「取組み2」として評価した。
5 自住戸や隣接住戸に侵入する足掛かりとならないよう、屋外設備機器の配置や植
栽の植え方、フェンスの高さなどに配慮したため、「取組み5」として評価し
た。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
<LRH1 エネルギーと水を大切に使う>
問題25
「躯体と設備による省エネ」について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 BEIが大きいほど、評価レベルは高い。
2 家電等を除く基準一次エネルギー消費量が50,000MJ/年で、家電等を除く
設計一次エネルギー消費量が45,000MJ/年の場合、BEIは0.9である。
3 BEIが1.2のとき、評価レベルは1である。
4 基準一次エネルギー消費量と設計一次エネルギー消費量の比率であるBEIの大
きさに応じて、評価レベルが決定される。
5 BEIが0.85のとき、評価レベルは5である。
問題26
「躯体と設備による省エネ」について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 原則として、「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)」を用いて、評価
対象住宅の一次エネルギー消費量を算定した結果を用いて評価する。
2 太陽光発電とコージェネレーションシステムの両方がある場合、算定プログラム
の出力結果からコージェネレーションシステムと太陽光発電による発電量を引用
する必要がある。
3 「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)」を用いない評価方法として、
「住宅部分の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する基準及び一次エネル
ギー消費量に関する基準」を満たす場合をレベル3と判断できる。
4 給湯エネルギーに「太陽熱温水器」や「ソーラーシステム」など太陽熱を利用す
ると、大幅な省エネルギーとなる。
5 コージェネレーションシステムには複数の種類があるが、発電効率や排熱回収効
率などは同じである。
問題27
「躯体と設備による省エネ」の評価に使用する一次エネルギー消費量の算定対象とし
て、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 昇降機のエネルギー消費量
2 給湯エネルギー消費量
3 照明エネルギー消費量
4 暖冷房エネルギー消費量
5 換気エネルギー消費量
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題28
「躯体と設備による省エネ」の評価における「換気エネルギー」に関する次の記述の
うち、最も不適当なものはどれか。
1 換気設備にはダクトを用いるダクト式とダクトを用いない壁付け式があり、ダク
ト式は一台の換気設備に合計1m以上のダクトが使用されるものをいう。
2 ダクト式の換気設備は、径の大きいダクトを採用したり、電動機を直流モーター
にすると、省エネとなる。
3 壁付け式の換気設備は、比消費電力の値が大きいほど、省エネとなる。
4 熱交換型換気設備では、熱交換による負荷削減効果と、換気設備自身のエネル
ギー消費量の増加のバランスに気をつける必要がある。
5 第1種換気は給気と排気の両方を、第3種換気は排気のみを機械により強制的に
行う換気方式である。
問題29
「家電・厨房機器による省エネ」の評価について、次の記述のうち最も不適当なもの
はどれか。
1 採点表による採点が3点の場合、レベル4である。
2 トイレに電気便座を採用しない場合は、電気便座の採点は0点である。
3 電気クッキングヒーターの採点で、コンロの口数3つのうち、2つがIH加熱方
式の機器を採用する場合は1点である。
4 2台所有するテレビは、いずれも多段階評価3つ星以上の機器であったため、テ
レビを1点とした。
5 旧式の機器であったので、トップランナー基準に定める方法に基づき、独自に算
出した達成率を用いて評価した。
問題30
「水の節約」「維持管理と運用の工夫」に関する評価項目について、次の記述のうち
最も不適当なものはどれか。
1 「節水型設備」の評価では、節水型設備による上水消費量の削減対策を評価す
る。
2 「雨水の利用」の評価では、取組みがなくともレベル3である。
3 「エネルギーの管理と制御」の評価において、電力使用の調整機能を有しないH
EMSを採用する場合、レベル5である。
4 「住まい方の提示」の評価では、設備毎の取扱説明書が居住者に手渡され、すま
い手に省エネに関する住まい方について一般的な説明がなされていれば、レベル
4である。
5 「節水型設備」の評価では、電気食器洗い機の設置が評価する取組みの対象とな
るが、定置型で給湯設備に接続されている必要がある。
- 12 -
第17回CASBEE戸建評価員試験
<LRH2 資源を大切に使いゴミを減らす>
問題31
「資源を大切に使いゴミを減らす」における語句の説明で、次のうち最も不適当なも
のはどれか。
1 「リサイクル」とは、「循環型社会形成推進基本法」に従い、循環資源の全部ま
たは一部を原材料として「再生利用」することをいう。
2 「リサイクル可能な材料」とは、リサイクルの比較的容易なアルミ、鉄、銅をい
う。
3 「再生可能材料」とは、持続可能な森林から産出された木材もしくは、利用可能
になるまで期間の短い植物由来の自然素材をいう。
4 「リサイクル材」とは、リサイクルされた材料またはそれらを使用した部材、お
よびグリーン購入法で指定された資材を言い、前者についてはリサイクルの量的
な評価を考慮する。
5 「リユース」とは、「循環型社会形成推進基本法」に従い、循環資源を製品とし
てそのまま、あるいはその全部又は一部を部品その他製品の一部として「再使
用」することをいう。
問題32
「省資源、廃棄物抑制に役立つ材料の採用」の評価について、次の記述のうち最も不
適当なものはどれか。
1 「構造躯体(木質系住宅)」の評価において、既存建築躯体のリユース材が構造
躯体の一部に使用されている場合は、評価を1レベルあげることができる。
2 「構造躯体(鉄骨系住宅)」の評価において、既存建築躯体のリユース材が構造
躯体の一部に使用されている場合は、評価を1レベルあげることができる。
3 「構造躯体(コンクリート系住宅)」の評価において、既存建築躯体のリユース
材が構造躯体の一部に使用されている場合は、評価を1レベルあげることができ
る。
4 「外装材」の評価において、既存建築のリユース材が外装の一部に使用されてい
る場合は、評価を1レベルあげることができる。
5 「内装材」の評価において、既存建築のリユース材が内装の一部に使用されてい
る場合は、評価を1レベルあげることができる。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題33
「省資源、廃棄物抑制に役立つ材料の採用」における「内装材」の評価について、以
下の仕様の場合のレベルとして正しいものは次のうちどれか。
※仕様
取り組みの数(対象外ではない) :6つ
取組みの程度 :4点
内装材の過半に既存建築のリユース材を使用している。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
問題34
「生産・施工段階における廃棄物削減」の評価について、レベル5に該当しないもの
はどれか。
1 「施工段階」の評価において、副産物の発生抑制、リサイクルの推進に対する具
体的取組みが設計図書に指示されている。
2 「生産段階(構造躯体用部材)」において、現場で構造躯体用部材を全て加工
し、工場での加工工程が無い。
3 「施工段階」において、施工現場でのISO14001認証取得がされていない
が,プレカット材を優先して使用するとともに、端材などの副産物の分別が確実
に実施されている。
4 「生産段階(構造躯体用以外の部材)」において、ISO14001認証を取得
した工場で生産された床材,天井材,外装材,換気設備が採用されている。
5 「生産段階(構造躯体用部材)」において、構造躯体用木材のプレカット工場に
おいて発生した端材を、工場でのコジェネシステムの燃料として使用している。
問題35
「リサイクルの促進」の「使用材料の情報提供」に関する評価について、次の記述の
うち最も不適当なものはどれか。
1 住まい手に対して、住宅に使用されている材料のリサイクルや廃棄に対する情報
提供を行っていないため、レベル3とした。
2 躯体、内・外装に使用している面材・線材のメーカー、製品名、型番等の情報提
供を住まい手に対して行っているため、レベル5とした。
3 住宅に使用されている材料のリサイクルや廃棄に対する情報を、インターネット
を通じて住まい手に提供しているため、レベル5とした。
4 木材、石材、土等の自然素材については、情報提供を必要としない。
5 評価対象とする住宅には使用されていないが、有害な材料に関する情報提供を企
業として行っているため、レベル5とした。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
<LRH3 地球・地域・周辺環境に配慮する>
問題36
「地球温暖化への配慮」の評価について,評価対象建物のライフサイクルCO2の排
出率が、一般的な住宅(参照値)に対して130%となった場合のレベルとして、次
の記述のうち正しいものはどれか。
1 レベル0.6
2 レベル1.0
3 レベル1.4
4 レベル1.8
5 レベル2.4
問題37
「地域インフラの負荷抑制」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはど
れか。
1 敷地面積から建築面積を減じた外構面積のうち、20%を池、20%を透水性舗
装としたが、その他に植栽地等を設けなかったため、「取組み1」として評価し
なかった。
2 敷地内に雨水配水管を接続する浸透トレンチを設けたが、雨水を浸透させるべき
ではない計画的な雨水排水処理が必要な敷地であったため、「取組み2」として
評価しなかった。
3 下水道未整備地区であったため浄化槽を設置したが、法令・指導に基づいた規
模・性能であり、それを大きく上回るものではなかったため、「取組み6」とし
て評価しなかった。
4 敷地内に、資源ごみを分別してストックできるスペースを確保したが、缶、ビ
ン、ペットボトル、新聞・段ボールの4種であったため、「取組み5」として評
価しなかった。
5 雨水貯留・利用設備を設置したが、容量が50リットルと小規模に留まったた
め、「取組み3」として評価しなかった。
問題38
「既存の自然環境の保全」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれ
か。
1 既存の自然環境や自然資源の保全に一部配慮はしたものの、ポイントが1点だっ
たため、レベル3として評価した。
2 敷地に緑が全くなかったため、中・低木から高木まで新植したが、いずれも地域
の自生種としたため、レベル4として評価した。
3 敷地に従前から自生していた樹高10mの巨木を保全したため、レベル3として
評価した。
4 緩やかな自然斜面であった従前の地形を改変せずに概ね保全し、従前の表土もそ
のまま残し、さらに従前から自生していた低・中木を保全したため、レベル5と
して評価した。
5 「取組み1」から「取組み4」までの全てを実施したため、ポイントが6点とな
り、レベル5として評価した。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
問題39
「騒音・振動・排気・排熱の低減」の評価について,次の記述のうち最も不適当なも
のはどれか。
1 エアコン室外機について、騒音値が敷地境界部で45dB(A)以下で、防振のた
めの適切な施工が行われていれば、「積極的な配慮」のNo.1を行っていると
みなせる。
2 排気・排熱の発生源について、隣接する建物の開口部から離れた位置に設置して
いれば、「一般的な配慮」をしたとみなせる。
3 隣接する敷地にまだ住宅が建っていないため、設備機器と隣接敷地の建物開口部
や植栽との位置関係が未確定の場合でも、評価対象外にはならない。
4 生活騒音や悪臭などの近隣への影響は、本項目の評価対象から除外する。
5 全ての屋外設置の設備機器の騒音・振動、排気・排熱の発生源に対して、一般的
な配慮をした上で、エアコン室外機のみに「積極的な配慮」のNo.1とNo.2
を行ったため、レベル4として評価した。
問題40
「周辺温熱環境の改善」の評価について、次の記述のうち最も不適当なものはどれ
か。
1 「取組み1」で夏季の卓越風向を確認する際、アメダスポイントや消防署等が計
画地近傍になかったため、市町村等で取りまとめている地域の気象データを活用
した。
2 「取組み2」では、地表面温度や地表面近傍の気温上昇を抑えるために、緑地や
水面等を敷地内にどれだけ確保しているかを評価する。
3 「取組み4」の①では、屋上や屋根面の緑化の程度を評価することから、たとえ
屋根面に日射反射率の高い材料を用いても、屋根緑化等面積率を求める際には考
慮されない。
4 「取組み3」の①の舗装面積を求める際には、保水性の高い舗装材のみならず、
夏期に明らかに直達日射の当たらない部分についても除外してよい。
5 「取組み4」の②で壁面緑化面積率は、壁面緑化の採用面積の合計を外壁面積で
除して求める。
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第17回CASBEE戸建評価員試験
平成28年度(第17回)CASBEE戸建評価員試験 正答番号一覧
問題
No
正答番号
問題
No
正答番号
1
3
21
5
2
2
22
2
3
4
23
1
4
2
24
4
5
1
25
1
6
5
26
5
7
3
27
1
8
1
28
3
9
3
29
2
10
2
30
3
11
5
31
4
12
2
32
3
13
1
33
3
14
4
34
2
15
3
35
5
16
1
36
2
17
4
37
5
18
5
38
4
19
3
39
1
20
4
40
3