カーネーシヨンの12月出し一度切り栽培に関する試験 1 試験のねらい カーネーションの需要は年末ピークがあり、品質を重視するあまり温室の周年切り作型でも年 末かち長幹切り出荷が行なわれていることも多い。そのため春先の出荷皇が少なくなり総収量が 減少するため経営上不利になる。そこで年末の需要期に長幹で高品質のカーネーションを供給す るため簡易ハウス利用による12月一度切り栽培の作型について検討したので報告する。 2 試験方法及ぴ結果、考察 (1)採穂位置 摘心節位、栽植密度等が採花時期と品質に及ぼす影響(昭59) 品種は、ス4ニア、ノラを供試しメリクロン採苗専用母株から採穂位置をそれぞれ分枝点か ら2,3,4,5節を残して展開葉4節で採穂した。挿し芽は6月7目に6㎝ポリ永ツトにし、定植は 7月2目に床幅80㎝に20×10㎝で中2条抜きの6条及び8条植えとした6摘心は7月9 日に、下から5節位と8節位とした。茎数の仕車ては、揃った芽を3∼6本任意に仕立てたも のと3本に制隈したものを設定した。なお最低夜温は7℃に保持した。 ㎡当たりの採花数は、スケニアに対してノラの方が一般に多く6条植えと8条植え、3本仕 立てと任意仕立てでは、採穂節位や摘心の深さによって異なるものの採花本数の多い限界は両 品種とも8条植え任意仕立てに出現した。採穂節位と採花数の関係はスケニアでは一定の傾向 は認められなかったが、ノラでは高節位で多い傾向がみられた。採花率は任意仕立てと3本仕 立てでは、いづれの品種、条件でも3本に制隈した区が高く6条植えで100%に達する区が 幼、った(第2表)。時期別採花割合は、スケニアでは一般に12月採花率が高く、多くの区 で80%を占め区問差は少なかった。ノラでは採穂位置が高くなるにつれて11月までの採花 割合が高くなる傾向がみられた。(第1図) 12)定植時期及び日長処理が12月の開花に及ぼす影響(昭60) 採穂位置を4−5節とし、その他育苗条件は前試験に準じた。定植は7月4目、14日、 24目とし(摘心は定植後5目目)目長処理を全期問長日区(摘心から120目問)、生育中 期(6∼7節)から長目区(60目間)及ぴ自然目長区とした。なお電照方法は80W501,x 以上の深夜4時問の光中断とした。定植時期が12月開花に及ぽす影響は第1表のとおりであ り、7月4目定植に対して、それ以降の定植では採花率が急激に減少し特にスケニアでは著る しかった。これらに長目処理を加えると開花期は前進し、遅い定植でも採花率は増加した。 (データーは省略)しかし、7月14目定植の長目処理でも7月4目定植無電照区の採花数を上 .まわることはできなかった。長目処理は側枝発生の抑制、節数の減少、到花目数の短縮等の効 果がみられた。しかし、開花の斉’化を図る効果はなく、逆に開花時期は分散した。 3 成果の要約 年末の切花数を確保するためには、スケニア、ノラ共に分枝点から4−5節の高節位で採穂し、 8条植えの低節位摘心で揃った分枝を任意本数仕立てる、定植及ぴ摘心は7月10日までに行な う。定植が遅れた時又は生育の遅れが心配されるときのみ長目処理を行なう。 (花き部 古口 光夫) 一73一 第1表定植時期が12月開花に及ぼす影響昭60 品 種 ノ ラ ス ケ ニ ア ㎡当たり 株当たり 採花率 ㎡当たり 株当たり 採花率 定植期 採花数採花数 %採花数採花数一 % 月 目 7. 4 106.6 7,14 6.8 7.24 9.1 2,35 58,80 0,25 3,75 0.20 5.00 1 1 0.0 2.4 3 6 0,8 59.0 ユ.30 32,5 15.0 0,33 8.2 第2表採穂位置、摘心の深さ、植付密度及び仕立て方法が採花に及ぼす影響(ノラ) 昭59 採摘 穂心 位方 置法 2−S 3−S 4−S 5−S 2−H 3−H 4−H 5−H 6 任意仕立て ㎡当たり 8 条 3本仕立て 採花割合 ㎡当たり 条・ 任意仕立て ㎡当たり 採花割合 採花割合 採花数 % 採花数 採花数 69,0 39,4 59,4 71.0 71,4 84,0 87,5 81.5 114,5 76.5 108.2 121.8 ’86.5 108.2 114.5 133.2 区加\割合一 』 99,9 100,0 76,5 76,7 88,5 88,7 88.5 88.7 88,5 88.7 99,9 100.、0 99,9 100.0 99.9 1−00.0 弛本 2?0 ’一’1■1 一 72,6 90,8 99.8 114.8 104,4 89.0 138.0」 149.8 45,8 44,7 55,1 48.4 62,9 82,1 65,0 84.8 40,0 60−0 ● ■ 6−2二S 6−3−S 6−4.一S− 6−5−S .6−2−H 6−3−H 6■4−H 6−5−H 8−2−S 8−3−S 8−4−S 8−5−S 8−2−H 8−3−H 8−4rH 8二、5−H 第1図 時期別採花割合(ノラ、任意仕立て)昭59 区別・6−2−S6条植え一2節残し採穂一S−8節ピンチ H−5節ピンチ 一74. 3本仕立て ㎡当たりI 採花割合 採花数 58,3 66,6 75,0 70.6 79.4 9018 102,1 96.2 118.0 124.0 118.9 86,6 1き6.2 100.0 91,6 87.3 80,0
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