区分 (FULL・FLEX、等) 共通 コード F&A324 授業科目名 ROEマネジメント 担当者名 廣木 隆 授業科目の概要 ~資本主義と資本収益率~ トマ・ピケティ『21 世紀の資本』から得られるインプリケーションを起点として、マルクスの不等価交換 が現代のコーポレート・ガバナンス問題へといかに変容したかを提示する。その中心的視座は、資本主義 と市場経済のなかで資本の収益率がいかに機能してきたか(または機能してこなかったか)という点であ る。具体例として、ROE(自己資本利益率)を取り上げ、詳細かつ多角的に分析する。ROEを軸とし て、株主還元策、資本コスト、コーポレート・ガバナンス、エンゲージメント(投資家との対話)、そして 「真の企業価値とは何か」等につき考察する。資本主義とは「利潤」の源泉である「差異」を食いつぶす ことによって自己増殖していくプロセスにほかならない。株価の上昇が資本主義のひとつの帰結だとした ら、ROEに内在される「差異」の消滅は何か。資本還元率の要素であるリスクフリーレートとリスクプ レミアムの差異、現在価値と将来価値の差異、資本コストと残余利益の差異。それらを検討する。マクロ からミクロへ、ミクロからマクロへ、「資本」を巡る議論を縦横に展開する。 達成目標 明示的な達成目標としてはROE(自己資本利益率)について高度な理解が得られること。基本的な定義 を正確に把握したうえで、日本企業のROEの特徴を業種や個社の事例で検証する。現在の資本主義経済、 市場経済のなかで企業に属してビジネスを行う上で、ROEの理論的かつ実践的理解は不可欠のものであ ろう。現在の日本の企業と資本政策の在り方や問題点についての整理もビジネスの実務に役立つ。そのよ うな個別論と具体事例をもとに、資本主義とは何か、資本主義の未来は?といった深淵で遠大なテーマを 思考することを最終的な達成目標とする。 履修条件 テキスト 著者 著書名 出版社 授業計画 授業テーマ 事前準備・事後学習等 1 オーバービュー/イントロダクション 2 「21 世紀の資本」の主題 3 「21 世紀の資本」とROE 4 「21 世紀の資本」資本の蓄積と格差の拡大 5 「21 世紀の資本」資本主義の矛盾 – 本当に矛盾なのか 6 「21 世紀の資本」問題提議と解決策 7 ROEとは何か – 具体事例分析 8 ROEと資本主義 9 ROEと資本市場 10 価格 ROE重視の経営を巡る諸問題 (1)資本コスト、株主還元、ガバナンス、エンゲージメント 11 ROE重視の経営を巡る諸問題(2)資本コスト、株主還元、ガバ ナンス、エンゲージメント 12 日本経済とROE 13 グローバル・ビュー 14 資本主義の未来、ROEの未来 15 総括 成績評価 レポート 参考書 著者 著書名 Thomas Piketty Capital in the Twenty-First Century トマ・ピケティ 21 世紀の資本 広木隆 勝てる ROE 投資術 出版社 The Belknap Press of Harvard University Press 価 4,463 円 みすず書房 5,940 円 日本経済新聞出 版社 1,512 円 格
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