Hela News 2015年2月号(234号) Foodex Japan 2015 ~ホール5

Hela News 2015年2月号(234号)
ヘラ・スパイス・ジャパン株式会社
茨城県守谷市松ヶ丘1-4-1
http://www.helajapan.com
Foodex Japan 2015 ~ホール5:ドイツパビリオンへどうぞ
3月3日(火)~6日(金)幕張メッセ=当社ヘラスパイスジャパンは、今年も出展します
今年は チキン&ひき肉惣菜 をメインテーマに、様々な新商品を開発しご提案いたします
もちろんご試食もご用意しております~ぜひお立ち寄りください
お待ちしています!!
日本の和牛:ドイツで広めるセミナー!!
2015年1月中旬、ドイツ国内の3会場で、日本から空輸
した和牛のセミナーと試食会が開催された
1月16日 ベルリン Jetro 主催
1月18日 ミュンヘン 中央畜産会主催
1月20日フランクフルト 中央畜産会 主催
参加者は、食肉加工、ホテルレストラン、デパート、食肉卸など~ドイツ食肉
新聞などの募集広告に応じて参加を申し込んできた
まずは、会場入り口に設置された冷蔵ケースの中に展示された霜降り肉を
見て、普段は赤身肉しか目にしない来場者は驚きの声をあげて、しきりに写真にとってみる
セミナー形式で日本オリジナルの和牛の美味しさの秘密を宮崎大学 六車教授などの解説でレクチャー、
和牛の脂肪の融点の低さと肉質の柔らかさを確かめるために、切り身を各テーブルに回し、手袋をはめて
指で触ったり、香りを楽しんでもらった
そのあとは、和牛を使った料理の試食 ローストビーフ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉、ステーキなどに、こ
んなに柔らかく美味しい肉は初めてだ!と満足顔のドイツ人参加者
ステーキはもちろんドイツ人には納得の味だったが、ローストビーフはワサビを添えて出し、すき焼きの甘
い醤油味はやはり和牛に合うので、和風の味付けも人気があった
ベルリンの高級デパート KaDeWe の精肉コーナーでは、オーストラリア産 Wagyu でキロ234€
日本の和
牛は昨年の予約販売ではキロ600€だったので、今後の取引も600€前後の価格で販売される見込み
ドイツではすでに主に日本の会社6社が輸入販売を始めており、今後の取引に期待が高まっている
冬の味覚~内臓を食べよう
毎日どんよりと曇って霧が立ち込め、太陽も顔をのぞかせない寒いド
イツの冬….
葉物野菜と太陽光不足でビタミンC 、ビタミンDが足りなくて、クル病
などが多かった昔の冬のドイツでは、特に牛豚のレバーなど内臓を好
んで調理し、ホースラディッシュを荒削りして肉料理やサラミ、ベーコン
などにもたっぷり載せて食べるのが典型的な冬の家庭料理でした
今でも冬の料理と言えば、レバーのソテーや内臓の煮物(酢を入れて
ちょっとすっぱめの味付け)など、冬を越すための料理が、おふくろの
味として、いまだに好まれている
レバーにはビタミンA,B,鉄分、亜鉛などミネラル成分もたっぷり。
伝統料理のレストランでは冬場の定番として欠かせないメニューである
写真は、仔牛のレバーのソテー マイルドな仔牛の味に合わせて味付けもホワイトトソースベースに仕上げ
ている
典型的なバイエルン料理の店では、牛レバー、豚レバー
料理も多く、ソテーして甘めのバルサミコソースをたっぷ
り、かりかりにローストオニオンをトッピングした料理がポ
ピュラーな家庭料理
内臓に充填したソーセージとして有名なものは・・
ザウマーゲン Saumagen 豚の胃袋にソーセージ生地とジャガイモをいれて、1cm程度に
切って焼いて食べるラインランド・プファルツ州の名物料理
ミルツヴルストMIlzwurst 牛の脾臓をヴァイスヴルストの生地(仔牛と豚肉の生地)に粗挽きで入れ、仔
牛の腸に充填
冷たいままスライスかフライ、グリルでも食べるバイエルンの料理
バウエルンロートヴルスト Bauernrotwurst 農家風血のソーセージ
牛盲腸に充填した豚タンと豚脂をちりばめた伝統の逸品
人口ケーシングが無かった時代には、この他にも多種多様に羊、豚、牛
などの内臓に、自ら屠札した動物の腸を大切に使ってきた
もちろん、内臓、腸だけでなく、血液、脳みそなども料理に使い、皮まですべ
て大切に人間の生きる糧として食べてきた歴史を感じる事が出来る。現在では BSE 問題もあり、
使うことが出来ない部分もあるのと、人口ケーシングに充填されるものがほとんどになっている
Fleischermuseum フライシャームゼウム食肉博物館 閉館へ
シュトュットガルの南の街 Böblingen ベーブリンゲ
ンにあるドイツ唯一の食肉博物館~ 1984年の
開館から30年を経過しているが、残念ながら今年2015年に
閉館することが決まった
今年中に閉館して内部を撤収し、建
物を売却する方針だとシュトュットガルト新聞に発表。
ベブリンゲン市所有の公共建物を使用していたこの博物館は、
年間15000人の来場者があり、貴重な資料や製造機械、食肉
組合の歴史などが、ドイツ国内から集められて、きちんと整理さ
れ展示されており、昔ながらの手仕事の道具とその使い方、往時の肉屋のレジスターなども並び、来場者
から喜ばれている~財政危機に苦渋の決断を下した政権政党の SPD は、これで年間180000€(2500
万円)が節約できるとの弁!
しかしこのような貴重な資料が集まっている唯一の場所を失っていいのだ
ろうか??
2008年の弊社主催 Süffa コンテスト出品ツアーの際にも、参加者全員で、この食肉博物館を訪れた
1923年に作られた、Bad Ems 地区
のゲゼレ同志の連帯を鼓舞して“ゲゼ
レ=兄弟の旗”と名付けられた、刺繍
が素晴らしいベルベットの大旗= 斧
がクロスした牛と、赤十字の白旗を持
つ羊は、伝統的な肉屋の象徴である
~手入れされた彫刻が素晴らしい包丁や砥ぎ棒やミンチ用手びねりなど、このような道具が散逸してしまう
のは惜しいことである
afz 食肉新聞も、この素晴らしい宝石の山を無くしていいのか??と嘆いている
TTIP 条約締結後の輸入商品のオリジナリティ問題・・特権喪失
EU と米国は、2014年5月に包括的貿易投資協定(TTIP:
Transatlantic Trade and Investment Partnership)の第 5
回交渉を行っており、欧州委員会はこれに先立ち、
「化学品」
「化粧品」
「自動車」
「医薬品」
「繊維・衣料品」の 5 つのセク
ターについて、交渉の方針を示した
食品に関しても交渉が続いている
今後、輸出入規制が緩やかになることで、多くのアメリカ製
品が EU に押し寄せると考えられる
そのことが意味することは、伝統的なヨーロッパの製品の名前を使った製品が、海を越えたアメリカから渡ってき
て、ヨーロッパの市場を駆け回ることを意味する
写真のように、既にアメリカ製シュバルツヴェルダーシンケン(Schwarzwälder Schinken:シュバルツバルト黒
い森の生ハム)と書かれたアメリカ製品がドイツ市場に出回っており、受け入れがたいと思う人も多く、そのパテ
ントを侵害しているが、もうその“地元産品”が保護されることは無くなったのだ
ミュンヘナヴァイスヴルスト、ニュールンベルガーブラートヴルスト、チューリンガーブラートヴルスト、ブルグ
ンダーシンケン、などなど
地域の名前を冠にした代表的な製品が、国外から安価に入るようになれば、市場は活
気づくというよりも、混乱するのではないだろうか??
ドイツ国内では名称の使用規制は残っているのに・・・
ハムソーセージに限らず、チーズや菓子、チョコレートなど、ほとんどの製品に地元オリジナルがなくなる
“ケンタッキー製シュバルツヴェルダーシンケン” なんて、買う気がしない!とはドイツ食糧省大臣のコメント
お金は道路の上にある
ドイツのほぼすべての街の中心の毎週末の広場で開
催される露店市場は、パンやチーズ、野菜や蜂蜜、
ハーブや石鹸と色々な手造り商品が並ぶ街のイベン
ト
大きな買い物かごを手に、多くの主婦が新鮮な
食品を求めて集まってくる
農家風の生ハム、ベーコンなど、普段手に入らないこ
だわり製品が見つかるのも、このような露店市場。
4.5mの長さの冷蔵ショーケースを搭載した移動式販売車
でハムソーセージ、生肉を売る Georg Wiesneth 氏45歳
Sinmelsdorf 在住~移動式販売を始めて10年になる
フランケン地方600km四方の市場を回り、顧客が500
人は下らない。店頭売りよりも効率が良いということで、
「お
金は道路の上にある!!」と豪語。
大都市では“動くソーセージスタンド”も出没
フランクフルトの目抜き通り Zeil でも寒い路上で、ソー
セージを焼きながらアツアツを移動販売~品質保証(肉屋直送) 1本1.5€(210円)と目立つ傘でアピー
ル!! ちょっと小腹がすいたらば・・・たこ焼き感覚で気軽に食べられるのが魅力