特集農業豊かさを生むシゴト〝そのまま〟で育つ果樹に付加価値を徴の一つ、周辺の山々からの雪解け水の恩恵を受けて、古くから農業が盛ん。特に、冷涼な気候で良たちにとって、これまで果樹は〝勝境が災いしてか、ここで暮らす人く育つアプリコットやリンゴなどの花を付けた木々が一帯を覆う。手に育つ〟もの。特にアプリコッ果樹の栽培には最適だ。日本の桜の景色によく似ているトは、出来過ぎて余ってしまうこ一歩足を踏み入れた瞬間、誰もが、地元の人たちに尋ねると﹁あともしばしばだった。山がちで都が思わず言葉を失う場所がある。れはアプリコットの木だよ﹂と教しかし、そんな恵まれた自然環えてくれた。視線の先にそびえ立市部の市場へのアクセスも悪く、毎年４月になると、白やピンクつ山々は、何とも幻想的なたたず〝売れる〟ポテンシャルを十分にット・バルティスタン地域のフンた株式会社かいはつマネジメン約２年前、初めてこの地を訪れ上にはなかなか結び付かなかった。生かせず、地元の人たちの収入向まいだ。ザ。その景観の美しさから〝最後ここはパキスタン北部、ギルギの桃源郷〟とも呼ばれる。その象ラバラ。これでは高く売れるはずンザのリンゴは小粒で色も形もバきく、サイズもそろっている。﹁フられた農作物は、色もきれいで大衝撃だった。他の地域、海外で作で目にしたものは、彼らにとってマバードの市場へ出掛けた。そこは農家の代表を伴って首都イスラグ担当の池田幸生専門家︵同社︶を確認するために、マーケティンの共同プロジェクト。まずは現状バルティスタン政府農業局と日本出すべく始まった、ギルギット・フンザの果樹産品を市場に押しれるものになると感じた﹂と話す。ょっとした工夫で、必ず市場で売どれも甘みがあっておいしい。ち専門家は、﹁見た目は悪いけれど、ト・コンサルティングの町田賢一努力を続けた。んだりと、農家の人たちは懸命にを作ったり、病害虫対策に取り組などすぐに手に入るもので乾燥機ドバイスを受けながら、網や木材った。そこで町田専門家たちのアざってしまい、売り物にならなか干しするだけ。小さな虫や砂が混これまでフンザではただ外で天日にして売るのが一般的。しかし、アプリコットは、ドライフルーツだ。生のままでは日持ちがしないれているのがアプリコットの加工そしてもう一つ、彼らが力を入家は話す。えを感じたようです﹂と池田専門で変化が起こったのを見て、手応ょっとした工夫で色や形にここまましたが、みんなやる気満々。ち人もいるのではないかと思ってい多くの人に届けたい。その思い最後の桃源郷で生まれた果樹をしている。を習得できる場を増やそうと奮闘を日本に移すなど、実践的な技術し今できることをと、研修の舞台で残念です﹂と町田専門家。しかなろうとしていたところだったのて、これから活動がさらに活発に農家の人たちと信頼関係ができ制限されているのだ。﹁農業局や専門家チームは現地への出入りがの１年、情勢不安のため、日本人りにいかないことも多い。実はこしかし、開発途上国では思い通たようだ。評価されて、さらにやる気が増しる。〝売れる商品〟であることがではうれしい悲鳴が上がってい木の管理から木のせん定、液肥作﹁目標を達成するためには、苗に見直すことにしたのだ。りっぱなし〟だった栽培を徹底的ンゴを栽培すること。今まで〝やた目が良い、大きさがそろったリを定めた。それは、おいしくて、見は、みんなで話し合い、ある目標そこで奮起した農家の人たちキスタン・日本チームが出展。企ドライアプリコット〟を携えてパ A PAN 2014﹂に〝フンザの品の輸入見本市﹁FOODEX J そこでこの３月、日本最大の食となっていたからだ。を中心にドライフルーツがブームそう、日本では健康志向の人たちで市場開拓をすることになった。ライアプリコットは、なんと日本｜た。トンの注文を受けて、現地がないと、彼らも自分の目で見てりまで、これまでやったことのな業側の関心の高さは予想以上だっることに。そして、有機栽培のドずは国内の市場への流通を強化すは確かに、私たちの元に届き始めフンザている。壮大な山々が連なるギルギット・バルティスタン地域。そうして出来上がったリンゴと最近、ここで採れるアプリコットを使った商品が、日本でちょっとした人気を集めている。ドライアプリコット。リンゴはまパキスタン北部に “最後の桃源郷” と呼ばれる場所がある。はっきりと分かったようです﹂。最後の桃源郷からの贈り物 10 14 July 2014 July 2014 15 手をかければかけるほどおいしくなるい作業が必要。正直面倒くさがる ★フンザのドライアプリコットは、N.HARVEST （nharvest.net/）、AMBESSA （ambessa.jp/）、 FAR EAST （fareastinc.co.jp/）で販売中。 PA KISTAN 収穫したアプリコットは種を取り除いて天日干し。衛生面に考慮し、トレーの改善やカバーのある乾燥機などを開発したフンザを彩るアプリコットの木。宮本輝原作の映画『草原の椅子』の舞台になったパキスタン from どうしたら市場で売れる商品を作れるかをみんなで議論「FOODEX JAPAN 2014」では、パキスタンから農業局職員も来日して日本企業にドライアプリコットの魅力をアピールしたフンザではチェリーの栽培も盛ん。女性たちが実の仕分けをする。こういった一つ一つの細かな作業は市場のニーズに沿ったものだイスラマバード日本での研修では、地元の農家に教わりながら、アプリコットの栽培方法を学んだ