冬来たりなば春遠からじ 学校長 岩間 和子 びっくりするぐらい暖かい日があるかと思えば、身体の芯から冷えるような真冬の寒さの日もあり、子ど もたちも大人も体調管理の難しい時期です。けれども、日射しの明るさや正門脇の桜の芽の膨らみは「冬来 たりなば春遠からじ」ということばを思い起こさせます。それは文字通りの季節の春であり、人生における 春をも意味しています。子どもたち一人ひとりの春が楽しく輝かしいものであってほしいと願いながら、桜 の木の芽を見上げています。 今年度もまとめの時期に入り、一年間の成果と課題を整理しています。先日、事務主査(事務室職員)と 話をしている中で、今年度は学校予算の中の「小破修繕費」の支出が例年にも増して少ないということを聞 きました。「小破修繕費」というのは窓ガラスなど学校施設の小さな破損を直すために充てるものです。こ の「小破修繕費」の支出が少ないということは、つまりは本校の子どもたちがいかに落ち着いた学校生活を 送っていたかということにつながります。乱暴な振る舞いや落ち着かない態度は施設の破損につながること が多く、施設が破損したり汚れたりしている状況が続けば、それがまた子どもたちの意欲の低下に影響する という負の循環を生むことにもなりかねません。このこと一つをとっても、ご家庭や地域のご協力のもと、 子どもたちと教職員が一緒に安定した学校生活を作り上げてきたことに心からの感謝を表したいと思いま す。 子どもたちが安定した豊かな学校生活を送ってこられた理由の一つには、地域の方との交 流によるところがとても大きいと実感しています。学援隊、環境学習農園(わくわく農園)、 家庭科支援、昔遊びなど、長く行っていただいていることに加え、今年度は新たに理科の実 かみすき 験、植物の観察、環境学習、紙 漉、打楽器コンサートなど、さらに多くの場面で子どもたち へのご支援、ご指導をいただきました。子どもたちへの温かく深い声かけや専門家としてのご指導は、子ど もたちの実感を伴う体験や学習として定着しています。そして、なによりも地域の方との何気ない会話の数 々が、子どもたちの安心感や楽しさにつながっていることを痛感しています。体験が少ないと言われる子ど もたちに、身近なところで発見や驚きを与えていただいたり、心の拠り所となる言葉をかけていただいたり、 本校の子どもたちとともに教職員もまた学ぶことの多い連携を図ることができたと思うところです。今年度 は長年の本校への功績に対し、次の一名と二団体の方々に、横浜市教育委員会南部学校教育事務所の所長よ り感謝状が交付されることとなりました。 ☆中野 幸吉 様 (学校運営協議会会長) ☆鳥が丘小学校学援隊 様 (代表:高橋 早苗様) ☆鳥が丘小学校環境学習農園(わくわく農園)様 (代表 竹内 俊晴様) また、今年度は保護者の方による「学習ボランティア」を立ち上げました。現在28名の保護者の方にご 支援をいただいています。学習が円滑に進むよう子どもたちに寄り添っていただいたり、毛筆習字のご指導 をいただいたりと子どもたちが安心して授業に取り組める環境づくりが大きく進んだ一年間になったと思 っています。 学習ボランティアの保護者の皆さまからは、子どもたちへの理解とともに教職員に対する理解も深めてい ただき、「学習ボランティアの活動を通して子どもたちの様子や、先生方の言葉がけなどとても勉強になり、 私たちが学校に協力していくことがとても大切なのではないかと感じました。難しいシステムではあるのか もしれませんが、学校と保護者の連携をもっと強くして、学校の取り組みに寄り添っていくことができたら と思いました。」という、温かく心強い感想をいただくこともできました。 学校もさらに保護者の皆さま、地域の皆さまに学校の状況をお伝えする工夫と、ご支援を教育活動に生か す取り組みを続け、新たな春の到来に向けて、子どもたちが温かい気持ちで毎日を過ごせる学校づくりを推 進していきます。
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