1 床材を選ぶときに 床材と静電気 人体に不快感を与えるだけでなく、コンピュータや精密機器の誤作動・劣化・故障を引きおこす静電気。 快適な空間をつくるためには、床材による静電気防止も重要なポイントです。 静 電気発生と対策 OA機器の取り扱いが多い場所では、静電気の発生が問題になります。静電気は機器類の誤動作を招くだけでなく、半導体等の破 損の原因にもつながります。このような場所では、制電性を備えた機能性床材が有効。帯電防止床材や導電性床材、制電カーペット があり、 どれも歩行によって人体と床材との間に生じた静電気を、床材を導体にする事によって地中に逃す働きをします。帯電防止床 材は、配合された帯電防止剤が空気中の水分を利用して電気抵抗を下げるため、室内の相対湿度や下地の導電性の影響をうけま す。また、帯電防止剤を利用した帯電防止床材には、比較的汚れやすいという弱点があります。導電性床材はカーボン等の導体を埋 め込んでいるので安定した制電性を期待できます。 (注:塗り床、タイル等、既存床の上に重ね貼りすると、静電気の逃げ場がなくなり、 問題を起こす事があります。) ■ 静電気の発生要因 歩行による摩擦で、 静電気が溜まり、 人体からの放電で、 床と靴の間に静電気が発生します。 人体が帯電します。 静電気トラブルが発生します。 床材の制電性・電気特性の見分け方 【評価解説】 ※試験方法の詳細は10∼13頁を参照して下さい。 制電性(カーペット) 歩行時に発生する静電気のおこりにくさを示す目安です。静電 気の発生は、人体に帯びた静電気が他へ放電した結果と言わ れています。静電気を防ぐには、いかに迅速に人体に帯びた静 電気を床を通して地中に逃がすかによります。カーペットの制 電性は、靴底の材質によっても変わります。 ランク 1.0kv以下 OA機器を使用する場所等、静電気を嫌う場所。 B 2.0kv以下 一般のオフィス、 ホテル等、乾燥した状態 (10%以下) での 使用が常時発生する場所。 C 3.0kv以下 一般の使用で静電気が気にならないレベル。 D 3.0kv超 ります。静電気ショックは人体に帯びた静電気が他へ放電した 結果です。迅速に人体に帯びた静電気を床を通して地中に逃 がす事によって静電気の発生を防ぐ事ができます。 静電気の発生しにくい場所での使用に適する。 JIS L 1021-16 測定条件 23℃ 25%RH 合成ゴム底 ランク 結果 用途の目安 A 1×104∼1×107Ω 導電グレード。 コンピューター制御室等。 B 1×107∼1×1010Ω 帯電防止グレード。機器の組み立てライン・OAオフィス、 手術室、検査室、薬剤室。 C 1×1010Ω∼1×1015Ω 一般グレード。静電気の発生の憂慮されない場所。 JIS A 1454 体積電気抵抗試験 23℃ 25%RH 下地金属板 発生した静電気を、アース板を通じて地中に逃がす事 静電気を拡散させ、発生を緩和する帯電防止グレード。 によって静電ショックを防ぐ導電グレード。 機械の組み立てライン、OAオフィス、手術室、検査室、 コンピューター制御室などに使用可能です。 薬剤室などに使用可能です。 床材と安全性/床材と静電気 【 TOLI電気性能マーク(高分子系床材)】 Manua l 静電気をアース板を通じて地中に逃がす導電性の2段階があ 用途の目安 A 電気特性( 高 分 子 系 床 材 ) 高分子系床材の電気特性には、下地に逃がす帯電防止性と、 結果 487
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