PDFダウンロード - ベネッセ教育総合研究所

座
談
出席者
会
東京都立小山台高校
生徒同士が高め合う場、
ロールモデルと出会う機会を
校内につくり続ける
変化の大きな社会を生き抜く上で必要な、自分の志である﹁軸﹂と、
その﹁軸﹂に基づいて変化に柔軟に対応する﹁修正力﹂を育むために、
教科外活動ではどのような役割、配慮が教師に求められるのだろうか。
持 た せ る こ と が、 本 校 の キ ャ リ ア 教
と は、 生 徒 自 身 に い ち 早 く そ の こ と
も そ う 確 信 し て い ま す が、 重 要 な こ
で あ る﹂ と 言 い ま す。 も ち ろ ん、 私
ち は し ば し ば﹁ 生 徒 の 可 能 性 は 無 限
リ ア 教 育 の 重 要 な テ ー マ で す。 私 た
志 を 育 む こ と は、 高 校 に お け る キ ャ
れ て し ま う こ と が あ り ま す か ら、 広
思い込みで変えてしまうと軸から外
正 力 で す。 進 路 を 変 更 す る 際 に は、
の前の現実に柔軟に対応していく修
軸 と な る 部 分 を 大 切 に し な が ら、 目
とがあります。その時に必要なのが、
志 は 不 変 な も の で は な く、 大 学、
社会人へと成長する過程で変わるこ
育プログラムの狙いです。
に 気 付 か せ る と い う こ と で す。 そ の
い視野とそこから自分に必要なもの
分 の 中 に つ く る 軸、
気 付 き の 機 会 を つ く り、 大 き な 志 を
山本
変化する社会
を生き抜くために自
﹁軸﹂と﹁修正力﹂をキャリア教育で育む
学校事例で話を聞いた4人の教師が集まり、教科外活動への思いを語り合った。
愛媛県立松山東高校
学校事例概要●学年縦割りのグループをつくり、生
いしまる・たかよし
石丸隆祥
学校事例概要●様々な社会人との出会いや探究学習
徒主体で運営される運動会を通じて、リーダーシッ
︵詳細はP . ︶
プとフォロワーシップを育む。
やまもと・みその
山本美園
で構成される体系的なキャリア教育で﹁大学までで
はなく、大学からの人材﹂を育成。
︵詳細はP 6. ︶
たどころ・しん
田所 伸
大分県立大分舞鶴高校
14
学校事例概要●文化祭のクラス別ステージ発表で、
田所クラスが﹁世界とつながる﹂をコンセプトに新
しい劇づくりに挑戦した。
︵詳細はP . ︶
18
千葉県立船橋古和釜高校
望月正彦
も ちづき・まさひこ
学校事例概要●野球部で﹁野球ノート﹂や読書会な
どを通して生徒の考える力を伸ばし、主体的に活動
できるチームづくりを進める。
︵詳細はP . ︶
10
22
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正力の育成につながるのです。
情 報 分 析 力 を 高 め て い く こ と が、 修
リア教育プログラムで情報収集力や
を 取 捨 選 択 す る 力 も 必 要 で す。 キ ャ
分 の 軸 を 更 に 太 く す る の と 同 時 に、
さ ん は、 社 会 人 の 話 を 受 け 止 め て 自
点 の1 つ に な り ま す。 卒 業 生 の 中 山
学 はゴ ー ル で は な く、 あ く ま で 通 過
い と 思 っ て い ま す。 そ う な れ ば、 大
よ う に な れ る か も﹂ と 気 付 い てほ し
よ う に 生 き た い ﹂﹁ 自 分 も あ の 人 の
を 聞 く こ と で、 生 徒 に は﹁あ の 人 の
ね。
は高校時代に身に付けたのでしょう
況 を 冷 静 に 解 釈 す る 力 を、 中 山 さ ん
は な い﹂ と、 自 分 が 置 か れ て い る 状
き な 進 路 変 更 で あ り、 安 易 な 妥 協 で
田所
目標に到達するためのプロセ
ス が 想 定 と 違 っ て も、﹁ こ れ は 前 向
る人材モデルの1人です。
教育プログラムで育てようとしてい
を獲得することと同じだと思ってい
を 高 め る こ と は、 生 き る た め の 学 力
く こ と で、 自 分 の 状 況 を 解 釈 す る 力
校の野球部の生徒が野球ノートを書
表 情 や 態 度 に も 出 て し ま い ま す。 本
感 情 が コ ン ト ロ ー ル で き な く な り、
ね。 解 釈 す る 力 が な い と 混 乱 し て、
ントを与えるのは教師の仕事ですよ
て、 自 分 の 状 況 を 解 釈 す る た め の ヒ
20(%)
15
10
5
役割は大きい。
3
注)対象は高校2年生 642 人。
出典/ベネッセ教育総合研究所「子
どもの 生 活・学 習 実 態 基 礎 調 査」
(2012)
リーとして描き直し
ました。だから、第1
志望の大学に不合格
に な る な ど、 自 分 が
か ら、 仲 間 を 大 切 に し て 生 き る こ と
法やプロセスを修正
ためのアプローチ方
ますが、夢を実現する
悩みながらではあり
球 に 限 ら ず、 何 に 取 り 組 む 時 で も、
分 の 成 長 を 実 感 さ せ る こ と で す。 野
と り を 密 に し て い く 中 で 上 達 し、 自
る と い う こ と で は な く、 人 と の や り
な が り で す。 そ れ は、 仲 良 く 練 習 す
感 じ て い る と 語 っ て い ま し た が、 そ
キ ャ プ テ ン の 山 口 君 は、 そ の 違 い を
練 習 へ の 取 り 組 み 方 が 違 い ま す。 副
じです。しかし、中学校と高校では、
中 学 校 と 高 校 の 野 球 を 比 べ る と、
ルールや必要なスキルはほとんど同
の素晴らしさを高校で知ってほしい
することで壁を乗り
人 と の つ な が り を 大 切 に し、 そ れ を
れは単にスパルタかどうかではな
望月
本校の野球部
が一番大事にしてい
越えられましたし、そ
喜 び と す る 気 持 ち を、 人 生 の 変 わ ら
く、 や ら さ れ て い る 練 習 か、 そ れ と
思い描いた通りに物
の度に軸を一層太く
ぬ軸として持ってもらいたいと思っ
も自分たちでやる練習かの違いだと
ですね。
し た の だ と 思 い ま す。
て い ま す。 ど ん な 進 路 を 選 ん で も、
気が付いていました。だから彼らは、
ることは、人とのつ
紛れもなく、中山さん
生徒は人の中で生きていくわけです
事 が 進 ま な い 時 で も、
は、私たちがキャリア
● 高みに挑む教科外活動
生徒の視野を広げ、ロールモデルを発見させる進路行事が担う
自分が置かれた状況を
解釈する力を養う
他者の生き方を自分の中で消化し
いない
0
山 本 キャリアガイダンスで、 人生
の岐路を体験した多様な社会人の話
Q 「あの人のような生き方をしたい」と思える人はいますか。
変化を生き抜く﹁軸﹂と﹁修正力﹂の育成
83.0%
親
16.5
先輩
15.6
芸能人
13.8
教師
11.0
スポーツ選手
9.2
知人
6.4
実業家
5.5
医者
1.8
学者 0.9
政治家 0.0
その他
19.3
17.0 %
て、自分自身のストー
ます。
理想の大人の具体例
いる
﹁人の中での成長﹂が人生の軸となる
望月
生徒の思考や学力に合わせ
特 集
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理想の大人の存在について
資料1
練習中も指示を待たずに自分たちで
心に迫る言葉を投げ掛け、
生徒の成長を促す
﹁チームメートの成長に自分は置い
﹁
﹃あの人のように生きたい﹄という
軸が自分の中に出来れば、
大学がゴールではなくなる﹂ 山本
断 さ せ た り、 考 え さ せ た り す る 場 面
す。﹁君 は 次 の 試 合 で こ こ を 頑 張 れ﹂
て い か れ る か も ⋮⋮﹂ と、 良 い 意 味
3 時間+3 時間以上
0.2
90 100
いない生徒が少なくあり
ません。 ペンを手に、 考
ます。 大事なのは、 ノー
いてもよいことにしてい
ず、 何をどんなふうに書
構成などには指示を出さ
球ノートでは、 書き方や
ありました。 ですから野
にさせたいという思いが
良 い と こ ろ を 把 握 し な が ら、 同 じ 目
れ の 役 割 を 決 め て い き ま す。 相 手 の
た ち が お 互 い に 見 付 け 合 い、 そ れ ぞ
様 々 な 役 割 が あ り、 適 材 適 所 を 生 徒
ち だ と 思 い ま す。 本 校 の 運 動 会 で は
標を実現することを喜びとする気持
同様、仲間と高い目
石 丸 学校行事で育
まれる軸は、部活動
す。 本 校 の 生 徒 た ち が、 周 り の 人 を
ような配慮が出来る人だったはずで
知 っ て、 全 員 が 成 功 体 験 を 味 わ え る
と こ ろ で 頑 張 り、 苦 労 し て い る か を
る だ け で は な く、 そ れ ぞ れ が ど ん な
学 ん だ リ ー ダ ー 像 は、 周 囲 を 引 っ 張
の リ ー ダ ー を 志 し て い ま す。 彼 女 が
輩 の 姿 か ら 多 く を 学 び、 次 の 運 動 会
て く れ た 2 年 生 の 梶 原 さ ん は、 先
で す。 ま た、 運 動 会 で の 体 験 を 語 っ
トに書かれた内容に対す
標に向かって仲間と取り組むという
豊かにするリーダー像を持ってくれ
えることをまずは大切
る私のコメントです。
﹁夏
軸をつくっていると思います。
運 動 会 は、 全 て の 生 徒 が 最 後 に
﹁良かった﹂﹁ありがとう﹂ と感動を
望月
グループ長や副グループ長を
話 し 合 い の 中 で 選 ん で い け る の は、
ることが、私はとてもうれしいです。
は暑いけれど頑張ろう﹂
も言えるようなことを
共有しながら成功体験を味わえる場
など、 どの生徒に対して
私が書くようでは駄目で
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工夫し、動けるようになっています。
私 も 生 徒 の 動 き を 見 て、 な ぜ そ う し
た の か を 聞 き、﹁ 自 分 で 考 え て 動 け
る証拠だ﹂と褒め、
﹁こうすればもっ
が多いのだろうと想像しました。
﹁この部分が伸びてきているぞ﹂ と、
での焦りを感じ取るようになるので
田所
望月先生の指導をうかがっ
て、 日 々 の 練 習 以 外 で も、 自 分 で 判
と 良 く な る よ﹂ と、 彼 ら が 主 体 的 な
一人ひとりの生徒の心に迫る言葉を
す。 そ れ も 人 と の 触 れ 合 い の 中 で の
る の は、 君 た ち が 確 実 に 成 長 し て い
活 動 の 中 で、 野 球 だ け で な く、 そ の
石丸
野球ノートを書くことは、 考
えさせる場面の1つなのでしょう
掛 け れ ば、 生 徒 は ノ ー ト を 書 く よ う
部活動に参加している生徒は、参加していない生徒よりも
後の人生にも役立つ修正力を高める
ね。
平日の家庭学習を「ほとんどしない」の比率が低い。
ような後押しをするようにしていま
成長です。
80
60
50
40
30
20
10
0
0.1
19.4 4.2
0.0
9.4
70
21.1
25.3
16.9
27.3
部活動に参加していない
(384)
2 時間+2 時間 30 分
15 分+30 分+45 分
15.9 6.6
27.8
17.2
32.2
部活動に参加していたが
やめた(546)
1 時間+1 時間 30 分
ほとんどしない
32.6
19.8
23.9
部活動に参加している
(5271)
無回答・不明
Q 平日の家庭学習時間は?
全員に成功体験を味わわせる
に な り ま す し、 ノ ー ト を 書 か な い と
(%)
す。
注)対象は高校1・2年生 6201 人。
( )内はサンプル数。
出典/ベネッセ教育総合研究所「第2回子ども生活実態基本調査」(2009)
望 月 本校には、 高校入学までに書
く習慣を身に付けてきて
部活動への参加状況と平日の家庭学習時間
資料2
﹁人とのつながりの中での成長を喜び、
し ま な い と い け な い と 思 う の で す。
生 で も、 ア ク シ ョ ン さ え 起 こ せ ば 外
国 際 機 関 や 大 学、 企 業 な ど に 手 紙
を 書 き、 返 事 を も ら う こ と で、 高 校
時の田所クラスの生徒たちに世界と
運動会の準備や競技に参加しなくて
の世界とつながることが出来るのだ
心﹂ を 開 花 さ せ る 場 だ と 考 え て い ま
も、 生 徒 か ら﹁先 生 が 一 番 運 動 会 を
と 実 感 し た で し ょ う し、 異 文 化 と つ
つながることを求めたのです。
楽 し ん で い ま し た ね﹂ と 言 わ れ る く
ながるための手法やスキルをもっと
す。 そ し て、 生 徒 を 本 気 に さ せ る た
時 間 は 正 直、 少 々 騒 が し く 感 じ て し
ら い に の め り 込 む こ と が、 生 徒 の 本
そ し て、 学 校 行 事 を 本 気 で 楽 し ん で
気 を 後 押 し す る の だ と 思 う の で す。
思ったはずです。
知 り た い、 身 に 付 け た い と 彼 ら は
分 前 に な る と、 教 師 が 何 も
言 わ な く て も、 す っ と 静 か に な り ま
い る か ら、 学 校 行 事 を 地 域 に も っ と
め に は、 教 師 も 心 か ら 学 校 行 事 を 楽
生 徒 が、 良 い 集 団 を つ く る た め に
ま う 程、 元 気 で す。 け れ ど も、 授 業
求め続けることが出来る
は、 自 分 よ り も ふ さ わ し い 人 が い た
の開始
せばいいと分かっているからですよ
す。 遊 ぶ 時 も 本 気 だ か ら、 学 ぶ 時 も
愛してもらうために出来る配慮はな
若者に育てたい﹂ 望月
時 は、 自 分 は 別 の 役 割 で 全 力 を 尽 く
ね。 目 標 が 明 確 だ か ら、 最 も 適 切 な
本 気 に な れ る の だ と、 彼 ら を 見 て 実
寄り道を楽しむ生徒を育て、
社会を変える
人を選ぶことが出来るのでしょう。
い か、 本 校 の 教 師 は 真 剣 に 話 し 合 え
るのだと思います。
田所
今の生徒に対して感じるの
は、 課 さ れ る も の が 多 く、 そ れ を こ
なすのに精いっぱいだということで
ブル経済崩壊以降で
田所
今の生徒たち
が生まれたのは、バ
在を定義するための異文化との接触
時 に 必 要 に な る の が、 自 分 と い う 存
置 を 知 ら な け れ ば な り ま せ ん。 そ の
を 語 る た め に は、 今 の 自 分 の 立 ち 位
を 認 め て あ げ た い で す し、 そ こ そ こ
ら こ そ、 私 は 生 徒 が 立 ち 止 ま る こ と
る こ と が 少 な く な っ て い ま す。 だ か
て 考 え、 夢 を 更 に 大 き く 描 こ う と す
を 追 求 す る よ う に な り、 立 ち 止 ま っ
夢を語りづらい時代に夢を語る力を育む
私 は、 学 校 行 事 は、﹁ 本 気 の 遊 び
感します。
田所
、 こ
運 動 会 で の 成 功 体 験 は の 先、 何 か で つ ま ず い た 時 に 立 ち 直
る 際 の 原 動 力 と な る で し ょ う。 そ う
し て、 成 功 体 験 を 土 台 に し な が ら 失
あ る た め、 彼 ら は 日 本 社 会 の 豊 か さ
な の だ と 思 い ま す。 高 校 生 が 異 文 化
の レ ベ ル の 夢 で 満 足 し て い る 時 は、
す。 だ か ら、 生 徒 は お の ず と 効 率 性
を 実 感 し に く く、 夢 が 語 り に く い 時
と 接 触 す る た め に は、 校 外 に 飛 び 出
﹁ 君 な ら、 も っ と 出 来 る は ず だ ﹂ と
敗 を 乗 り 越 え る こ と で、 修 正 力 は 養
代を生きていると言われます。私は、
し て い く か、 校 内 に 外 の 世 界 を 取 り
目線を上げさせることを大切にして
われていくのだと思います。
山 本 準備も含め、 運動会をこれだ
け 本 気 で 楽 し め れ ば、 勉 強 へ の 切 り
そ ん な 時 代 に 生 き る か ら こ そ、 太 い
込 ん で い く こ と が 必 要 で す。 そ こ で
います。
生徒の本気を後押しするのは
教師の本気
替えも早いのではないですか?
軸 を 持 ち、 大 き な 夢 を 語 る 生 徒 を 育
私 は、 文 化 祭 で も、 工 藤 君 は じ め 当
て た い と 思 っ て い ま す。 た だ し、 夢
変化を生き抜く﹁軸﹂と﹁修正力﹂の育成
● 高みに挑む教科外活動
石丸
はい、 切り替えはとても上手
だ と 思 い ま す。 本 校 の 生 徒 は、 休 み
特 集
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1
3
﹁ ス ク ー ル ﹂ の 語 源 は、 ギ リ シ ャ
語で﹁余暇﹂を意味する﹁スコレー﹂
け で 終 わ ら せ ず、 ク ラ ス、 学 年、 学
田所
そう思います。 寄り道をしな
が ら 考 え る こ と を、 個 人 に 求 め る だ
⋮⋮それが私の夢です。
改革や社会の変革は更に進んでいく
え を 持 つ 生 徒 を 育 て る こ と で、 大 学
に、﹁ 代 わ り に こ の 企 画 な ら ど う で
画 が 通 ら な い 時 も、 す ぐ に は 諦 め ず
と 感 じ ま す。 だ か ら こ そ、 当 初 の 企
す か﹂ と、 粘 り 強 く 提 案 す る こ と が
た ち は、 私 を 育 て て く れ て い る の だ
で す。 文 化 祭 で 優 勝 を 目 指 す の は ど
校の中に文化として広げていきたい
で す。 私 た ち 高 校 教 師 が そ う し た 考
の ク ラ ス も 同 じ で す が、 効 率 的 に 練
出来ています。
習を重ねて直線的にゴールに向かう
夢を持ち続ける姿を生徒に見せる
か、 寄 り 道 を し な が らゴ ー ル を 目 指
す か、 ど ち ら の 道 の 方 が よ り 多 く の
う と し て い ま す。 私 た ち 高 校 教 師 も
道をして生き方を深める力を育てよ
ギ ャ ッ プ イ ヤ ー な ど を 通 し て、 寄 り
で す よ ね。 一 部 の 大 学 で は、 既 に
山本
立ち止まって考える力は、1
年生のうちにこそ身に付けたいもの
でしょう。
待ってくれることも分かっていたの
そ う し た 寄 り 道 を し て い る 間、 私 が
分 か っ て い た の だ と 思 い ま す。 更 に
め る 限 り 仕 事 に 終 わ り は な く、 教 師
お っ し ゃ い ま し た。 私 は、﹁ 突 き 詰
かなか終わらないんだ﹂と笑顔で
度 に 採 点 を 最 初 か ら 見 直 す か ら、 な
が あ る ん だ よ。 良 い 解 答 を 見 付 け る
答 よ り も、 生 徒 の 解 答 の 方 が 良 い 時
い て み る と、﹁ 自 分 が 作 っ た 模 範 解
ま で 残 っ て い た の で、 そ の 理 由 を 聞
で す。 以 前、 ベ テ ラ ン の 先 生 が 遅 く
きな夢を持つことが大切だと思うの
石丸
生徒が大きな夢を持つために
は、 彼 ら と 接 す る 私 た ち 教 師 も、 大
聞いて思いました。
て い き た い と、 今 日 先 輩 方 の お 話 を
い と 高 望 み し て、 が む し ゃ ら に や っ
な り た い、 こ ん な こ と を や っ て み た
の 浅 い 私 だ か ら こ そ、 あ ん な ふ う に
る の で は な い で し ょ う か。 キ ャ リ ア
﹁自分も夢を持とう﹂と思ってくれ
自 分 を 打 ち 明 け れ ば、 生 徒 も き っ と
﹁こんな先生になりたい﹂と生徒に
ん な 大 き な 夢 を 持 っ て い る ﹂ と か、
生 徒 に﹁ 大 き な 夢 を 持 と う ﹂ と 語
る 時、 田 所 先 生 の よ う に﹁自 分 も こ
教 科、 同 じ 分 掌 か ら、 1 人 ず つ で も
し い 取 り 組 み を 提 案 し、 そ し て 同 じ
たち教師は衝突を恐れずに校内に新
人 に よ っ て 様 々 で す。 そ れ で も、 私
す る 受 け 止 め 方 は、 教 師 と い え ど も
が、 新 し い 視 点 で の 試 み、 挑 戦 に 対
山本
か つ て、 キ ャ リ ア 教 育 が 高
校現場で始められた時もそうでした
ことで修正力が付きます。
り ま す よ ね。 教 師 も、 跳 ね 返 さ れ る
抜 い て い く、 そ う い う メ リ ッ ト も あ
望月 自分の案がすっと通らない
か ら こ そ、 代 案 を 考 え る 力 も 付 く
そうした変化の意味を改めて考えた
が上を目指すから生徒もついてきて
りたいと心から思いました。
い で す し、 社 会 全 体 が 立 ち 止 ま っ て
く れ る の だ﹂ と、 そ の ベ テ ラ ン の 先
田 所 そ の が む し ゃ ら さ は、 き っ
と先輩教師が支えてくれると思いま
景 色 が 見 え る の か を、 生 徒 た ち は
考える力をもっと大切にするように
生 か ら 学 び、 自 分 も そ ん な 教 師 に な
ひ と 言、 言 っ て く れ る の で す。 先 輩
職 が﹁ 本 当 は 分 か っ て い る ん だ ﹂ と
あ り ま す。 そ ん な 時 に も 先 輩 や 管 理
中 に は 却 下 さ れ る も の も、 も ち ろ ん
しますが、全てが通るわけではなく、
す。 私 は 校 内 で い ろ い ろ な 企 画 を 出
も仲間づくりを進めていきます。
校 内、 そ し て 校 外 で、 私 は こ れ か ら
生 徒 に も 言 え る こ と だ と 思 い ま す。
田 所 私も学年団という同志がいる
の で、 大 き な 夢 が 持 て ま す。 そ れ は
すね。
をゆっくりと巻き込んでいきたいで
い い の で 仲 間 を つ く っ て、 校 内 全 体
し、 粘 る 中 で 本 当 に 大 事 な も の を 見
なればいいですね。
﹁まず自分ががむしゃらに
高い目標を目指すことで、
生徒の夢を育めるはず﹂ 石丸
26
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な相談相手として生徒と接してもら
社 会 人 を メ ン タ ー と し て 迎 え、 身 近
校の現在のキャリア教育を経験した
て い き た い で す。 い ず れ は 小 山 台 高
る か、 こ れ か ら も そ の ヒ ン ト を 与 え
現在学年主任をしている
回生全員
は 部 活 動 や 受 験 に も 通 じ ま す。 私 は
切 れ﹂ と 私 た ち を 鼓 舞 し ま す。 そ れ
田所
本校の校是に当たる舞鶴魂
は、﹁ 締 ま れ、 頑 張 れ、 粘 れ、 押 し
動かすことを実感させたいですね。
す。 そ の 思 い が あ る か ら、 全 国 の 同
私 は、 日 本 は 教 育 に よ っ て も っ と
良い国になると本気で思っていま
笑顔で私に教えてくれました。
メールを介して学術に関してのコネ
な っ て く れ る こ と を 望 ん で い ま す。
と が 出 来 る ん だ﹂ と、 彼 ら の 自 信 に
て は、 自 分 た ち だ っ て こ れ だ け の こ
来 る 貴 重 な 場 で す。﹁ や り 方 に よ っ
と を 実 感 し、 周 囲 に も 示 す こ と が 出
望月
部活動は、 本校の生徒たちに
と っ て、﹁ や れ ば 出 来 る ﹂ と い う こ
みへと発展させるのが私の夢です。
学校の枠を超えながら新たな取り組
小 山 台 高 校 を 発 信 地 に し て、 時 に は
を 持 っ た 卒 業 生 に 集 ま っ て も ら い、
し、 進 学 希 望 先 の 東 北 大 の 教 授 に 思
大分県で開催された地熱学会に参加
しました!﹂と言うのです。聞くと、
子 生 徒 が、﹁ 私、 ア ク シ ョ ン を 起 こ
と よ く 話 す の で す が、 先 日、 あ る 女
かを常に語れる人間であり続ける﹂
な り な さ い。 私 も、 何 と 闘 っ て い る
を起こしているか答えられる人間に
自 分 が 何 と 闘 い、 ど ん な ア ク シ ョ ン
で す。 私 は 生 徒 に、﹁ 君 た ち は、 今
高 く 持 ち、 更 に 背 伸 び を し てほ し い
に、 夢 や 目 標 と い う 自 分 の 軸、 志 を
夢 を 大 き く し た り、 軸 を 太 く し た り
く れ る は ず で す。 そ う し て、 生 徒 の
生徒は私の言葉を素直に受け入れて
な ら ば、 共 に 夢 を 語 る 同 志 と し て、
に は こ ん な 力 が あ る よ﹂ と 話 し た の
さを生徒と語り合いながら、
私が﹁君
見 せ た い と 思 い ま す。 夢 を 追 う 楽 し
石丸
私 も、 軸 を 持 ち、 修 正 し て い
く モ デ ル と し て、 自 分 の 姿 を 生 徒 に
姿を生徒に見せていきます。
と を 信 じ、 こ れ か ら も、 自 分 が 闘 う
あ れ ば 社 会 は 動 き、 世 界 は 変 わ る こ
志 と も 交 流 を 続 け て い ま す。 思 い が
ク シ ョ ン を 構 築 し た と、 誇 ら し げ に
山本
社会がどう変化しても、 自分
の 可 能 性 を 信 じ、 高 い 志 を 持 ち 続 け
う こ と も 考 え て い ま す。 そ う し て 志
もちろん、失敗はつきものですから、
も ち ろ ん、 校 内 で 野 球 部 に 所 属 す る
い 切 っ て 声 を 掛 け た そ う な の で す。
軸を持ち、生き方を修正する
モデルになる
ら れ る 生 徒 を 育 て た い と 思 い ま す。
そ こ か ら ど う 修 正 し、 再 び 立 ち 上 が
の は 一 部 の 生 徒 に 過 ぎ ま せ ん が、 野
する手伝いが出来ればと思います。
生徒に語れる教師であり続けたい﹂ 田所
何と闘っているかを
﹁自分はどんな夢を持ち、
彼 女 は そ の 教 授 か ら 名 刺 を も ら い、
部 は 強 い ん だ﹂ と 他 の 生 徒 に と っ て
も 誇 り と な り ま す。 学 校 を 結 束 さ せ
る力があるのが部活動なのではない
でしょうか。部活動も﹁本気の遊び﹂
で す。 本 気 で や っ て い れ ば 自 然 と 人
は 集 ま っ て く る こ と、 本 気 は 周 り を
● 高みに挑む教科外活動
変化を生き抜く﹁軸﹂と﹁修正力﹂の育成
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64
球 部 が 活 躍 す る こ と で﹁ う ち の 野 球
特 集
3