愛媛県立弓削高等学校(19) 平成26年度 「地域共生プロジェクト」実践

愛媛県立弓削高等学校(19)
平成26年度
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「地域共生プロジェクト」実践概要
学校の概要
本校は島嶼部に位置し、弓削島を始め、佐島、生名島、岩城島、魚島の越智郡上島町内の島々と、
伯方島、広島県因島から通う全校生徒63名の小規模校である。小規模ながらも生徒一人一人が各
場面において活躍している。島民との交流は密接であるが、生徒は狭いコミュニティ環境に慣れて
おり、一度に多くの人と接する機会があまりない。
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実践のねらい
様々な世代の人々との交流活動や地域に貢献する活動を通して、他者を思いやる気持ちや郷土を
愛する心を育む。
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実践の内容
(1)
交流体験
ア
家庭科の授業
「家庭基礎」の授業(1年)で年1回、弓削保育所とサービス付高齢者住宅「潮騒」の訪問
をしている。また、選択科目「発達と保育」の授業(3年)で、弓削保育所に年5回訪問して
いる。これらの実習では、自分たちで考えたゲームや紙芝居などを行った。さらに、選択科目
「家庭看護・福祉」の授業で、上島町弓削高齢者生活福祉センター「高浜荘」に年6回訪問し、
施設で行われているゲームの補助や生徒が企画したゲーム等で交流を図った。
イ
課外授業
夏季休業中に生名島にある上島町特別養護老人ホーム「海光園」を訪問し、音楽部の演奏や
合唱、ちぎり絵でカレンダーを一緒に作って高齢者との交流を図った。
(2)
伝統文化の伝承
2年生が総合的な学習の時間で、弓削島の名産品である藻塩作りを行っている。学校近くの海
からホンダワラを採取し、約半年間かけて藻塩を作った。文化祭ではその製塩過程を資料にまと
めて展示し、藻塩を使ったフライドポテトを販売した。
(3)
奉仕活動
年2回、地区別奉仕活動と学年別奉仕活動を実施している。
<弓削保育所訪問>
4
<高浜荘訪問>
<地区別奉仕活動>
<藻塩作り>
成果と課題
継続的な交流を通して、普段の授業では学ぶことのできない異世代の人々との触れ合い方を学び、
思いやりの心を育んでいる。また、コミュニケーション能力の育成にもつながっている。そして、
上島町の伝統文化「藻塩」作りや奉仕活動を通して、伝統文化を伝承する想いや地域を愛する気持
ちが強くなった。これからも活動内容や方法を改善していきながら、地域の方々と積極的に交流し、
豊かな心を育む教育活動を推進していきたい。