ON01 ユニファイド・コミュニケーション環境の構築

ON01 ユニファイド・コミュニケーション環境の構築・運用
要旨
1.
はじめに
モバイルやクラウドなどの ICT(Information and Communication Technology)の進展
により私たちの働く環境を大きく変え始めているが、社内コミュニケーションをとる方
法として、電話・メールを主に使用しているのが現状である。
非言語コミュニケーション研究の先駆者、レイ・L・バードウィステルは、自身の研究
の中で「2 者間の対話の中で、コトバにより伝えられるメッセージは全体の 35%に過ぎ
ず、残り 65%は話しぶり、動作、ジェスチャー、相手との間(ま)といったコトバ以外
の手段による」(※1)と述べている。
当研究グループは「顔が見える」ビジネス・コミュニケーションに焦点をおき、ユニ
ファイド・コミュニケーション(以降 UC と呼称)を取り入れた「ワークスタイルの変革」
の研究を行った。
2.
ユニファイド・コミュニケーションとは
UC とは、
「様々な通信手段やコミュニケーション手段を統合する(unify)ことにより、
これまでにないコミュニケーションの方法を実現しようとする試みである。
多種多様なコミュニケーションツールが存在し、独立した環境で利用者が使い分けて
いる。企業環境も IP 化の流れとともに、個々の独立したコミュニケーションツールを統
合し効率的なコミュニケーション環境を整える技術として「ユニファイド・コミュニケ
ーション」が注目されています。
「顔が見える」ビジネス・コミュニケーションの方法として、会議や打ち合わせなど
があげられるが、UC ツールを使用した「顔が見える」会議システムは「テレビ会議」と
「WEB 会議」である。
3.
WEB 会議に着目
当研究グループは、コミュニケーションをとるシチュエーションと気軽に利用できる
環境を整備できることから、WEB 会議に着目した。
① パソコンやモバイル端末により実施場所は限定されないこと
② 利用者は社内・社内外を問わないこと
③ 設備投資が安価であること
WEB 会議と他のコミュニケーションツールを統合(unify)し、社内で利用する WEB
会議システムを構築することで、コミュニケーションの活性を図り、業務効率の向上が
できるのではないかと考えた。
2014Beacon Users' Group
ON01 ユニファイド・コミュニケーション環境の構築・運用
要旨
4.
目的
WEB 会議システムは導入事例が少なく、要件定義も曖昧である。そこで私たちは企業
で導入するに当たり、必要最小限の要件定義を提示し、WEB 会議システム導入後、コミ
ュニケーションを活性化させ、以下のビジネスプロセスの改善をすることを目的とした。
1 業務効率の向上
2 品質の向上
3 コストの削減
キーワードは、
「だれにでも」
「簡単に」「どんな場所でも」利用してもらえる WEB 会
議とした。
5.
検証内容
リーンスタートアップ手法を使用し、必要最小限の機能から身近なコミュニケーショ
ンのシチュエーションにあわせた機能改善の実践検証を行った。
WEB 会議システムの機能要件とシステム要件定義を作成した。
<検証>
問題のある身近なコミュニケーション・シチュエーションの洗い出し
シチュエーションごとの追加機能の精査(リーンスタートアップによる実践検証)
<3 つの重要システム要件項目>
観点
6.
要件
項目
利用者
「いつでも」使いたい
可用性
企業
情報が大切「なりすまし、漏洩対策」 セキュリティ
管理者
正しく運用されているか「心配」
システム監視
まとめ
電話・メールなどのコミュニケーションは、顔が見えないコミュニケーションであり、
一方的なコミュニケーションである事は明らかである。WEB 会議システムは利用方法や
活用方法で時間や場所に捉われることなく双方向のコミュニケーションが行える新しい
ワークスタイルである。
今回、当研究グループ内の実践結果からも WEB 会議システムは想定していた以上に活
用できることがわかり、テレビ会議のような設備投資をせず、ワークスタイルを変革す
ることで他部門・遠隔地などに対して情報共有などのコミュニケーションを向上させる
ことができると考える。
以上
7.
引用文献、商標について
( ※ 1) レ イ・ L ・ バー ド ウィ ス テ ル、 Kinesics and Context:Essays on Body Motion
Communication, University of Pennsylvania Press (1970)
※その他記載の会社名、製品名およびシステム名は、各社の商標もしくは登録商標です。
2014Beacon Users' Group