資料4 欠席委員からの提出意見 (産消連携分野・農村活性化分野) ○ 藤本和弘委員 1 産消連携の推進について (消費者の意識醸成) 県産県消の取組が広く普及するためには、まずは、食料や農業に対する 消費者の理解が不可欠である。農業は、食料の生産・供給だけでなく、災 害を防止し、県土を保全するといった機能を有しており、県内で生産され た農産物を購入することで県土の保全にも参画しているのだという意識を、 広く県民に醸成していくことが肝要である。 (県産農産物の生産拡大) また、県内の生産量を増加させることも重要であり、そのためには、高 齢農家による生産をいかに維持、拡大するかが鍵である。農協にも働きか けて、高齢農家が積極的に生産、出荷できるような環境や仕組みを作るべ きである。なお、その際に大事なのは、それぞれが自分勝手に作るのでは なく、生産量や品目数の目標を立て、計画的に取り組むということである。 (県産農産物の給食等への使用) 県産農産物が広く認知されるためには、学校給食だけではなく、病院や 一般の飲食店等での使用を推進していくことも重要である。県産品は外国 産等と比べると高価だが、1 食当たりで見ると、価格差はそれほど大きな 金額にはならないはずである。売り込み方や供給方法を工夫することで、 実現可能であると考える。 2 農村活性化の推進について (農業・農村政策における専業農家と兼業農家の区分) 集落が農村として持続的に発展していくためには、兼業農家も一定の役 割を担っており、専業農家と兼業農家がバランスよく共存することが肝要 である。専業農家は、農業で生計を立てていかなければならず、より大き な利益が見込める農業、即ち、経営の大規模化や農産物の高付加価値化に 取り組んでいく必要があるが、他方、兼業農家は、ある程度の農業収入が 確保されればよく、また、自給的農家にあっては、農業を楽しんでいると いう部分もあり、農業収入は期待していない。このように、専業、兼業そ れぞれで農業への姿勢は異なるので、農業・農村政策についても、専業農 家と兼業農家を区分して考えるべきである。 (大規模農家への農地の集積) 稲作等の土地利用型農業は、耕作地の団地化を進めなければ、効率的な 経営は実現できない。大規模農家に任せようというのであれば、大規模農 家の耕作地が飛び地にならないよう、集落において、大規模農家に任せる エリアとそれ以外のエリアに区分し、農地を再換地するくらいのことを考 えていかなければならない。また、いくら農地を集約しても、農業用水の 利用に制約があると効率的な営農は実現しないので、水利権の調整ついて も、農地の集積・集約化と一体的に進めていく必要がある。 (定年帰農の促進) 集落の定住人口を維持するためには、定年退職者の帰農を促進すること も重要であるが、年金と合わせて一定の収入が得られるような経営プラン を提案することなども有効ではないかと考える。 (コミュニティビジネスの展開) 集落が存続していくためには、インフラだけでなく、医療や福祉、教育、 交通といった条件の整備も不可欠であり、自助共助の考え方に立てば、コ ミュニティビジネスへの期待が大きい。高齢者を対象とした移送サービス、 買物代行、宅配サービス、空き家を利用した介護サービスといったコミュ ニティサービス事業を、農家や営農組合が副業として行うといったことも 検討していくべきである。
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