キウイフルーツ [レインボーレッド]等 2倍体品種の摘果 【満足

キウイフルーツ [レインボーレッド]等 2倍体品種の摘果
(C)
Onizawa
http://www.page.sannet.ne.jp/ja1jor/
★【満足した果実を得る秘訣 】
<注>
ここの説明は、2倍体の大玉品種[紅美人]では残果数を最高
値で2果に留めた準用が適切かも?
晩生のヘイワード系には適応外。
1 摘果
<注>摘蕾を省略し、摘果作業だけで構わない。
1-1 時期 花後10~20日頃に行う。(水戸では5月中~下旬頃)
1-2 対象 (70g以上の)充実果にするために残す。
この摘果では80~100g前後の収穫が期待できる。
春出た緑色の結果枝 → ==========
|
|←果梗
/|\
|
幼果 →
O O O
O
側果 中 側果
中央果だけ
央
果
a
b
果梗に側果を伴っている場合は側果を除去して中央果を残す。
aで処理した果を優先して残す。これで残果数不足では、側果を
伴わない果で充足する。枝にある果のうち、立派な果を残し、貧
弱果、変形果、傷果などを除去する。
1結果枝当たり残す総数は、
b1 長く立派な結果枝では大きめ果を含めて、★残数を2~3果に。
b2 やや立派な結果枝では大きめ果を含めて、★残数を1~2果に。
b3 短く貧弱な結果枝では全て除去して残さず、★残数を0果に。
2 陽光の確保(本来は剪定作業)
充実果を得るには、摘果の他に、果の肥大化に関与している葉へ十分な
陽光が必要で、これを妨害している諸枝葉類を剪定除去する。
キウイ棚下の地面に、キウイ枝・葉を通り抜け、地上に到達する陽光が、
地面面積の10%程度になるように、果の肥大に関与している葉への陽光を妨害
している諸枝葉類を剪定除去するか、しておく。
3 環状剥離 = 樹皮に篩(ふるい)管束、樹皮の部分除去について
2項で、葉と日光とによる同化作用で得られた養分を果実肥大にだけ回し、
根などへの流失を抑える目的で行う。この作業を省略しても構わない。
別掲(レインボーレッド向きの環状剥離方法.pdf)をご参照ください。
4 追肥
摘果の際や、直後に即効性の化成肥料の追肥が果実肥大化に効果的である。
一般にはN-P-K成分が同一比だが、甘味増強したい場合は、リン酸肥料で、
堆肥(少量で可)と混合すべきで、直接、土壌に散布では土中の鉄、アルミ分と
化合し、流亡してしまうのでリン酸肥料が殆ど無効になる。
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補足
・ [結果母枝]と[結果枝]との関係
年越した結果母枝(枝皮は茶色)の芽から、翌春に伸長した枝皮が緑色の枝
が[結果枝]で、この枝に花芽が着く。
1つの結果母枝から4本程度の結果枝が春に出て、この結果枝に花芽が複数着
いたまま出る。
結果枝であった枝は秋冬には茶色の結果母枝に変化し、収穫終えた果梗(成
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りヅル)が残る。着果跡の成りヅル跡部分及び、これよりも元方向の枝には翌
年は着花しないのがキウイフルーツ最大のクセ(習性)である。
着花が期待できるのは、結果母枝に変化した枝では、着果跡の成りヅル跡部
分よりも先方(末端方向)の部分で、この葉柄跡から翌春に新しく萌芽するのが
結果枝になる。
冬の剪定では、枝上の1葉柄跡(葉の付け根跡)を1節(フシ)と数え、果梗(成り
ヅル)残跡の位置から末端方向に数えて5~7節目程度まで(=結果母枝になる)を
残し、その先で切除する。翌春に結果枝が出るのは1~4節目程度である。7節
目程度よりも更に先は萌芽しても着花せず、先枝優先クセで、繁茂し、余分に
栄養が奪われ浪費したり、日照妨害にもなる。
これらの剪定を毎年繰り返すと棚内部は着花しない老枝ばかりなどで満杯に
なってしまう。
対処方策として、結果枝 → 結果母枝 → 結果枝 → 結果母枝 →…を3回も
繰り返した枝は、大元からバッサリと切除し、代わりに比較的若い徒長枝を結
果母枝候補に期待して更新に利用する。これらの繰り返しは年次計画的に行う。
●[結果母枝]を持つ果樹
キウイフルーツ,カキ、ぶどう、クリ、フェイジョア、イチジク等。
これらの開花時期は遅い。
●[結果枝]だけの果樹
モモ(ネクタリン)、スモモ(プルーン)、アンズ、ウメ、リンゴ、梨、桜 <以上
はバラ科サクラ属>、ブルーベリー、ポポーなど。
これらの開花時期は早い。
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