調査書案資料編3-5(PDF:2272KB)

2.6
建造物影響
2.6.1
電波受信状態
供用後の計画建築物の存在に伴う計画地周辺における電波受信状態への影響について、
予測等を行いました。
1)
地域の現況
(1) 調査事項
調査事項は以下に示すとおり、テレビ電波の到来状況、周辺市街地の状況、テレビ電
波受信の状況及び受信障害対策の状況としました。
a) 既存資料調査
・テレビ電波の到来状況
・計画地周辺市街地の状況
b) 現地調査
・テレビ電波受信の状況及び受信障害対策の状況
(2) 調査方法
a) 既存資料調査
(a) テレビ電波の到来状況
既 存 資 料 で あ る 「 全 国 テ レ ビ ジ ョ ン ・ FM・ ラ ジ オ 放 送 局 一 覧 」 ( 日 本 放 送 協 会 ・ 日
本民間放送連盟監修)を用い、 テレビ電波の到来状況を整理する方法としました。
(b) 計画地周辺市街地の状況
既 存 資 料 で あ る 「 港 区 土 地 利 用 現 況 図 ( 用 途 別 ) 」 (平 成 23年 10月 、 港 区 )を 用 い 、
計画地周辺市街地の状況を把握する方法としました。
226
b) 現地調査(テレビ電波受信の状況及び受信障害対策の状況)
計 画 地 周 辺 の テ レ ビ 電 波 受 信 の 状 況 等 の 調 査 は 、 電 波 測 定 車 ( 電 波 受 信 高 さ 10m) を
用いて行い、電波の強さを測定するとともに画質評価を行いました。電波測定車の仕様
は、表 2.6.1-1に示すとおりです。
調 査 地 点 は 図 2.6.1-1に 示 す と お り 、 受 信 障 害 が 予 測 さ れ る 範 囲 内 の 20地 点 と し 、 平
成25年6月27日(木)に現地調査を実施しました。
表 2.6.1-1
機器名
電波測定車の仕様
種別
型名(メーカー名)
受信アンテナ
UHF14素子
AU-14F(日本アンテナ株式会社)
テレビ受信機
15型
LC-15SX7(シャープ 株式会社)
地上デジタルハイビジョンチューナー
-
DTH110(ユニデン株式会社)
受 信 特 性 測 定 器
スペクトラムアナライザ
U3751(株式会社アドバンテスト)
増幅器
-
N-35U(日本アンテナ株式会社)
227
図 2.6.1-1
テレビ受信の状況調査地点図
228
(3) 調査結果
a) 既存資料調査
(a) テレビ電波の到来状況
計 画 地 周 辺 に お い て 、 受 信 し て い る テ レ ビ 電 波 の 送 信 状 況 は 表 2.6.1-2に 示 す と お
りです。
また、衛星放送の送信状況については、表 2.6.1-3に示すとおりです。
表 2.6.1-2
送信所
テレビ電波の送信状況
チャンネル
局名
送信出力
(kW)
ch27
NHK総合
554~560
10
ch26
NHK教育
548~554
10
日本テレビ
542~548
10
TBSテレビ
524~530
10
ch21
フジテレビ
518~524
10
ch24
テレビ朝日
536~242
10
ch23
テレビ東京
530~536
10
MXTV
488~494
3
ch25
東京
スカイツリー
送信周波数
(Hz)
ch22
ch16
広域局
県域局
表 2.6.1-3
衛星放送の送信状況
放送種別
衛星放送(BS)
軌道位置
BSデジタル放送
東経110度CSデジタル放送
通信衛星放送(CS)
東経110度
東経124度CSデジタル放送(JCSAT-4)
スカパー!プレミアムサービス(スカイサービス)
東経124度
東経128度CSデジタル放送(JCSAT-3)
スカパー!プレミアムサービス(パーフェクサービス)
東経128度
(b) 計画地周辺市街地の状況
計 画 地 及 び 計 画 地 周 辺 市 街 地 の 状 況 は 、 図 2.6.1-2に 示 す と お り 、 事 務 所 建 築 物 の
立地割合が最も多く、その他にも官公庁施設(大使館)、教育文化施設(寺社等)、
宿泊・遊興施設(ホテル等)が多く立地しています。
また、計画地西側に隣接して集合住宅(虎の門タワーズレジデンス等)、北西側・
南西側にも集合住宅が隣接して立地しています。
229
図 2.6.1-2
計画地周辺市街地の土地利用の状況
230
b) 現地調査(テレビ電波受信の状況及び受信障害対策の状況)
テレビ電波受信の状況の調査結果は、表 2.6.1-4及び表 2.6.1-5に示すとおりです。
調査地点における各放送局の画像評価は、概ね「○:正常に受信」でした。
また、品質評価は概ね「A:きわめて良好」、「B:良好」、「C:おおむね良好」
でしたが、一部で「D:不良」となる地点がありました。
なお、受信障害対策の実施箇所は図 2.6.1-3に示すとおりです。
調査範囲では、ケーブルテレビに加入済の建築物が多く、一部で共同受信施設を設置
していました。
表 2.6.1-4(1)
調査地点におけるテレビ受信の状況
受信局名
地点
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
調査項目
NHK
総合
NHK
教育
日本
テレビ
TBS
テレビ
フジ
テレビ
テレビ
朝日
テレビ
東京
MXTV
ch27
ch26
ch25
ch22
ch21
ch24
ch23
ch16
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
B
B
B
B
B
C
B
D
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
C
B
B
B
C
B
B
D
画像評価
△
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
D
B
B
A
A
A
B
D
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
B
A
A
A
B
A
B
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
B
A
B
A
B
B
B
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
B
A
A
A
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
A
A
A
A
A
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
△
品質評価
B
B
B
B
B
B
C
D
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
C
B
B
B
B
B
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
C
B
C
B
A
B
A
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
A
A
A
A
A
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
D
A
B
B
B
B
A
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
C
C
B
A
B
B
C
A
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
C
B
B
B
B
C
C
D
注 1) 画 像 評 価 は 、 次 の 基 準 に よ る 評 価 で す 。
○ : 正 常 に 受 信 、 △ : ブ ロ ッ ク ノ イ ズ や 画 面 フ リ ー ズ あ り 、 ×: 受 信 不 能
注 2) 品 質 評 価 は 、 次 の 基 準 に よ る 評 価 で す 。
A:きわめて良好、B:良好、C:おおむね良好、D:不良、E:受信不能
231
表 2.6.1-4(2)
調査地点におけるテレビ受信の状況
受信局名
地点
15
16
17
18
19
20
NHK
総合
NHK
教育
日本
テレビ
TBS
テレビ
フジ
テレビ
テレビ
朝日
テレビ
東京
MXTV
ch27
ch26
ch25
ch22
ch21
ch24
ch23
ch16
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
△
品質評価
D
B
A
A
A
A
A
D
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
A
A
A
A
A
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
B
B
B
B
B
B
B
C
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
A
A
A
A
A
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
A
A
A
A
A
画像評価
○
○
○
○
○
○
○
○
品質評価
A
A
A
A
A
A
A
A
調査項目
注 1) 画 像 評 価 は 、 次 の 基 準 に よ る 評 価 で す 。
○ : 正 常 に 受 信 、 △ : ブ ロ ッ ク ノ イ ズ や 画 面 フ リ ー ズ あ り 、 ×: 受 信 不 能
注 2) 品 質 評 価 は 、 次 の 基 準 に よ る 評 価 で す 。
A:きわめて良好、B:良好、C:おおむね良好、D:不良、E:受信不能
表 2.6.1-5
テレビ受信の状況の調査結果
受信局名
NHK
総合
NHK
教育
日本
テレビ
TBS
テレビ
フジ
テレビ
テレビ
朝日
テレビ
東京
MXTV
ch27
ch26
ch25
ch22
ch21
ch24
ch23
ch16
○
19
20
20
20
20
20
20
18
△
1
0
0
0
0
0
0
2
×
0
0
0
0
0
0
0
0
A
8
10
9
11
10
10
10
7
B
5
8
10
9
9
8
7
0
C
4
2
1
0
1
2
3
7
D
3
0
0
0
0
0
0
6
E
0
0
0
0
0
0
0
0
調査項目
画像
評価
品質
評価
注 1) 画 像 評 価 は 、 次 の 基 準 に よ る 評 価 で す 。
○ : 正 常 に 受 信 、 △ : ブ ロ ッ ク ノ イ ズ や 画 面 フ リ ー ズ あ り 、 ×: 受 信 不 能
注 2) 品 質 評 価 は 、 次 の 基 準 に よ る 評 価 で す 。
A:きわめて良好、B:良好、C:おおむね良好、D:不良、E:受信不能
232
2)
環境の目標
環境の目標は、「計画建築物に起因するテレビ電波の受信障害を発生させないこと」
としました。
3)
供用後の予測
(1) 予測事項
予測事項は、以下に示すとおりとしました。
・計画建築物によるテレビ電波(デジタル:東京スカイツリー)、衛星放送の遮へい
障害
(2) 予測地域・予測地点
予測地域は、対象事業の実施によりテレビ電波、衛星放送の遮へい障害が及ぶと推定
される地域及びその周辺としました。
(3) 予測方法・予測条件
a) 予測手法
「 建 造 物 障 害 予 測 の 手 引 き ( 地 上 デ ジ タ ル 放 送 ) 」 ( 平 成 17年 3月 、 日 本 CATV技 術 協
会)に示す方法としました。
b) 予測時点
予測時点は、計画建築物の建設工事が完了した時点としました。
c) 予測条件
計 画 建 築 物 は 地 上 36階 、 高 さ 約 180mの 計 画 で あ り 、 建 築 物 の 配 置 は 平 面 図 ( 本 編 図
2.3-2参照)、建築物の形状は立面図(本編図2.3-3参照)により設定しました。
233
(4) 予測結果
計 画 建 築 物 に よ る テ レ ビ 電 波 の 遮 へ い 障 害 の 予 測 結 果 は 、 表 2.6.1-6及 び 図 2.6.1-3
に示すとおりです。
ま た 、 衛 星 放 送 の 遮 へ い 障 害 の 予 測 結 果 は 、 表 2.6.1-7及 び 図 2.6.1-4に 示 す と お り
です。
表 2.6.1-6
テレビ電波の遮へい障害範囲
区分
方向
障害距離
障害幅
広域局
県域局
南西
約550m
約100m
南西
約1,500m
約125m
表 2.6.1-7
衛星放送の遮へい障害範囲
区分
方向
障害距離
障害幅
北東
約230m
約100m
東経124度CSデジタル放送(JCSAT-4)
スカパー!プレミアムサービス(スカイサービス)
北北東
約180m
約90m
東経128度CSデジタル放送(JCSAT-3)
スカパー!プレミアムサービス(パーフェクサービス)
北北東
約170m
約90m
BSデジタル放送
東経110度CSデジタル放送
234
図 2.6.1-3
テレビ電波の遮へい障害予測結果
235
図 2.6.1-4
衛星放送の遮へい障害予測結果
236
4)
環境目標との比較
計 画 建 築 物 に よ る テ レ ビ 電 波 の 遮 へ い 障 害 は 南 西 方 向 に 約 1,500m、 衛 星 放 送 の 遮 へ い
障害は北北東から北東にかけて約230m程度、生じると予測されました。
計画建築物に起因して新たな電波障害が生じた場合は、ケーブルテレビ・共同受信施
設の整備等の方法により、事業者の責任において、適切な障害対策を講じます。
従って、「計画建築物に起因するテレビ電波の受信障害を発生させないこと」とした
環境の目標を満たすと考えます。
237