関西国際学園言語方針 言語教育の理念 言語は自分の考えを表現し、コミュニケーションを取る為の重要なツールと考えます。言 語は、話者の文化及びコミュニティと密接に繋がっており、自身のアイデンティティを理 解する為に最も重要な要素の一つです。関西国際学園では、全生徒が完全な日英バイリン ガルになることを目指すとともに、他の言語にも興味、関心を持つことを目標としていま す。 国際社会のコミュニケーションで最も使われる言語として、英語は関西国際学園の主要言 語です。英語の習得が、国際社会に貢献するリーダーとしての子ども達の未来の可能性を 大きく広げます。 関西国際学園のほとんどの生徒の母国語は日本語です。第二言語習得の為には母国語の基 礎が不可欠です。また母国語を通して自身の文化やアイデンティティを理解することで、 広い視野を持って他の文化を受け入れることができます。 英語の習得と引き換えに、日本人としてふさわしい完璧な日本語の習得や、その文化、歴 史、アイデンティティを理解することを犠牲にすべきではありません。子ども達が社会で 通用する完全なバイリンガルになることは可能です。 言語ルール 関西国際学園の主要言語は英語です。学校にいる間、また学校のバスや校外学習の際に も、生徒は教師や他のスタッフ、また生徒間でも英語で会話をします。「日本語の時間」 と決められている時間や、英語を話さないスタッフとのコミュニケーションには日本語を 使います。 指導言語 幼稚園では、主に英語で指導します。科目の領域(言語、算数、理科、社会)は外国人の 教師により、英語で指導し、英語を話す日本人がサポートとして入ります。日本語は「国 語」の時間として、専門の国語科教師による指導が行われます。音楽と体操も、専門講師 より日本語で授業が行われます。 初等部では、言語、算数、理科、社会の科目の領域をすべて英語と日本語で学習します。 学級にはそれぞれ外国人と日本人の担任がつき、それぞれの言語を使って主要科目を指導 します。体操と音楽は専門講師の指導で、日本語で行われます。 プログラムの中の言語 言語は、環境の中で生活と関連させて学ぶことが最も効果的です。関西国際学園では、探 究プログラムの中で、話す、聞く、読む、書く、鑑賞する、そしてプレゼンテーションを 行う機会を通して言語力を伸ばします。全ての教師は「言語指導者」としての自覚を持 ち、幼稚園でも初等部でも子ども達の言語能力を高めることを常に意識しています。 言語は、可能な限り探究プログラムの中で学びます。習得した言語スキルと、探究の中で 触れる様々なテーマや概念とが結び付くよう指導します。ただし、言語を集中して学ぶ時 間も必要です。関西国際学園のほとんどの生徒は日本語を母国語とし、学校の外で正確か つ流暢な英語に触れる機会はあまりありません。よって、探究プログラムでの学習を支え るため、英語の言語スキルを築くための時間を設けています。クラス担任の主導の下、言 語コーディネーターと連携しながら、言語スキルをアップさせる為の教材やメソッドを取 り入れます。また日本語に関しても「国語」を単教科として教える時間を設けています。 その中でも可能な限り、探究ユニットやユニットの中の概念やスキルなどと関連付けてい ます。 英語でも日本語でも、該当年齢の学習を行う言語能力を持ち合わせていない生徒に関して は、プログラムの中でサポートを施します。言語コーディネーターや他の教師による教室 の中でのサポートや、少人数でその生徒のレベルに合わせた集中的な言語指導などがあり ます。生徒のそれぞれの違った必要をしっかり把握しながらサポートを進めます。 母国語のサポート 関西国際学園のバイリンガルプログラムでは、日本人として日本語をしっかり習得すると いう理念が根底にあります。しかし、日本語と英語以外の言語を母国語とする少数の生徒 に関しても、母国語をしっかり学習する為のサポートが必要です。日本語と英語以外を学 ぶプログラムは実施していませんが、関西国際学園の生徒が話すすべての言語を尊重する と共に、学習の中で適切な範囲で母国語を使って自身を表現する機会も与えています。ま た保護者とのコミュニケーションを通して、家庭でしっかり母国語の学習を維持できてい るかを確認しています。
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