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九州のがんばる農山漁村の女性たち Ver.16
取材日:H27.1.20
宮崎県モーモー母ちゃん
のさき
とみえ
野﨑 トミエ さん
〔プロフィール〕
就農のきっかけ
結婚を機に就農
営農地・農産物
宮崎県都城市で畜産経営(繁殖牛)
母牛20頭、水稲85a
近年の主な活動歴
都城農業協同組合理事
都城市農業委員
イコール
「農家に嫁げば食いっぱぐれはない!」との両親の勧めで結婚 = 就農し、当初は
鍬の扱いも判らなかったが、今やJA理事や農業委員等務める地域のリーダーに!
「何事も実践する」をモットーに、逃げない!あきらめない!
中学を卒業と同時に集団就職したことが、向上心旺盛な野﨑さんにとっ
てはコンプレックスと感じていました。農外から嫁ぎ、農機具の扱いも未
熟なまま、夫と二人だけで田15a、畑30aで経営を開始し、農業技術は
まさに実践の中で向上しました。近所の味噌造りなどに誘われ、地域にも
溶け込んでいきました。
やるべきことはキッチリやる、学ぶ努力を惜しまないといった性格は、
徐々に信頼に繋がり、PTA等の地域役員のほか、昭和52年にはJA都城
の沖水地区婦人部長に就き、以降、JA都城理事や農業委員、和牛生産婦
人部長、農業協力普及委員、宮崎県農業体験インストラクター等々、数多
くの要職を歴任し、現在も務められています。
特に、平成6年のJA都城理事は公選を勝ち上がり、
当時は男尊女卑の気風が残る中、いわゆる男社会に自ら
が風穴を開け、その後、理事や総代の女性枠確保に尽力
され、また、女性農業委員は7名を輩出するなど女性の
社会参画に道を開くとともに、後継者の育成にも取り組 何事も一生懸命!頑張るから
こそ、「仕事が楽しい!」と
まれてきました。
感じることができます。
∼ 新規就農者の育成にも地域を挙げて取り組んでいます ∼
農業自体を活性化させるためには、新規就農者を育成・確保する
必要があります。新規就農者に対しては、地域料理を振る舞うなど、
地域の交流を図り、「農業の良さ」を伝えながら激励しているとこ
ろです。
小学生には自らのほ場を提供し、農作業体験をさせています。
∼バイタリティ溢れる野﨑さんへの取材実録∼
局)現在も、JA理事や農業委員等兼務されていますが、会議等行事も多
いのでは?
野﨑さん)毎月、農業委員会やJAの定例会のほか、現地調査が数回。
その他、農業者年金等制度の説明など推進に回ったりします。
局)畜産経営と役員との両立は大変だと思えますが。
野﨑さん)やるべきことは、キッチリやる性分。
元気に働けることが趣味です。
局)畜産の場合は特に、24時間体制だと思えますが。
野﨑さん)出産にも立ち会うし、競り市には自ら出荷
する場合はもちろんですが、JA理事
(主催者)としても出席し、挨拶も務めます。
品評会で頂いたトロフィーの
今は、自らの仔牛品評会に向け調整中です。 数々。励みになっています!
理事や農業委員等支持される理由は?
職責上挨拶する機会も多い中、判りやすく、みん
なが真剣に聞いてくれるような話題づくりに務める
ため、アンテナを高く張って情報の収集を図ってお
り、このような日頃の努力が地域の支持を得ること
に繋がったのかも、、、とは本人の弁。
しかしながら、最後のスイッチは「薦められるう
ちが花。やってみなさい!」と言う夫の理解だった
ようです。
JA理事公選の際は、夫と共に地域
を周り、選挙活動を行いました!
人と接することで自分の勉強になりました!
地域のあらゆる女性役員や、H25モーモー母ちゃん全国大会in宮崎実行委員を行っ
たことで多くの出会いがあり、人と接することで自分の勉強になりました。畜産経営
との両立は大変で、スケジュールはビッシリですが、とても楽しく元気に働いていま
す!多くの方に恵まれ、感謝しています!
これからがんばる農山漁村の女性たちへのメッセージ
∼理解を得るためには相手に尽くす!∼
相手の気持ちになって接すると、何でも話してく
れます。特に、リーダーになる人はお高くとまらず、
役者になりきること、相手に尽くすことが大事。
もちろん自分自身も「学ぶ努力を惜しまないこ
と」は大切です。仲間たちには「私ができたんだか
ら、皆できる!」と伝えることで次の女性役員に繋
がっていき、後継者育成に励んでいます。