若者が職で輝ける力を ウガンダ(PDF/1.29MB)

特集
動く、アフリカ
ちこちにある。
﹁ず い ぶ ん 昔 に、日 本 の 協 力 に
よ﹂
。そう案内された。
よって導入された機械なんです
ここは、ウガンダの首都カンパ
自動車、電気、電子、機械など7
パチ、パチ、パチッ。まばゆい
つのコースに分かれて学んでい
閃光が飛び散る中、大きな鉄の板
感が漂っている。
る。機械の油などで手を真っ黒に
ラにあるナカワ職業訓練校︵NV
ふとそばを見ると、なじみのあ
が弧を描いて削られていく。手元
る 文 字 が 目 に 入 っ た。
﹁HITA
しながらも、男性も女性も、生き
われ、約1000人の若者たちが、
。そ の 機 械 に
CHI SEIKI﹂
生きとした表情で学んでいる。
TI︶
。東 ア フ リ カ 最 大 級 と も い
刻まれている名は、かつて千葉県
その設立は1971年、今から
年以上も前にさかのぼる。
そ こ で 白 羽 の 矢 が 立 っ た の が、
とになった。
成 の た め、
NVTIを 創 設 す る こ
現地の中小企業の技術・技能者育
人 が い な け れ ば 産 業 は 育 た な い。
っても、技術・技能を身に付けた
た。しかしいくら豊富に資源があ
ど、日本の社名が入ったものがあ
O Y AM A 、K I T AMU R A な
とその他の機械にも、
KIWA、
A
て 終 了 し、NVTIは 創 設 わ ず か
しまう。日本の協力は 年をもっ
どなくして混乱の時代に突入して
独裁政権が始まり、ウガンダはほ
しかしディア・アミン大統領の
ました﹂と振り返る。
しいことが動くという実感があり
から救世主のように現れ、何か新
指したのが、鉱工業化の推進だっ
新たなスタートを切った政府が目
ウ ガ ン ダ が 独 立 し た の は
練校を守る﹂と、日本人の技術者
た の だ。
﹁自 分 た ち で こ の 職 業 訓
の機械が、まだ大切に使われてい
た。 年以上前に供与した日本製
立った日本人専門家たちは驚い
長年の空白を経て、現地に降り
話だった。
った日本にとっても、またとない
年。
驚異のスピードで戦後復興を遂げ
人専門家。当時、機械科の指導員
また新たにパートナーシップを組
ったのは
日本とウガンダが、再びつなが
日本と再始動、
新たな指導者の育成へ
野では日本屈指の専門家。東南ア
間、
NVTIに 派 遣 さ れ た 厚 生 労
に主に力を入れてきたのが、指導
多喜さんを始めとする4人の日本
庁や大学などから多く
マニュアルの作成。省
キュラム開発と指導員
本にもなるようなカリ
隣国の職業訓練校の手
に取り組んだのは、近
川島専門家たちが主
ね﹂
。
は戸惑いもありました
て浮いてしまい、最初
や文化の違いが際立っ
もアフリカは、見た目
ことができました。で
あってすぐに溶け込む
じアジアということも
事 だ っ た。
﹁以 前 は 同
ウガンダが初めての仕
働 省 の 川 島 孝 徳 さ ん は、こ の 分
員の育成だ。2011年から2年
に採用されたワンゴロベ・ファビ
ジアの職業訓練校の能力強化に
く、現地に派遣されたのが、横瀬
ア ン さ ん は、
﹁日 本 人 の 皆 さ ん は
むチャンスが到来した。志半ばで
NVTIを視察に訪れたアルポ教育大臣と田中明彦JICA理事長
年 代。情 勢 が 安 定 し、
手取り足取り、とても丁寧に教え
も取り組んできたが、アフリカは
それ以降、日本がNVTIと共
続けたという。
20
62
NVTIから撤退せざるを得なか
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てくれました。はるか遠いところ
指したい 。その思いに応えるべ
魂を受け継いだ人々が維持管理し
さらなる成長を目指すアフリカでは、
運営せざるを得なくなった。
働くために必要な技術・技能を身に付ける職業訓練校。
3年で、現地の人たち自身の手で
若者が職で
輝ける力を
た日本だった。日本の経験に学び、
最近では、社会進出を目指した女性の訓練生も増えてきた
一つの国としてさらなる成長を目
精機株式会社のことだ。よく見る
にあった工作機械メーカー、日立
が1ミリずれただけでもダメ。そ
CASE 1
の空間には、何ともいえない緊張
東アフリカ
ナンバーワンを目指す
車両整備士はウガンダでもニーズの高い職業の一つ
90
カンパラ
ウ ガ ンダ
Uganda
そして今、東アフリカの職業訓練をリードするのが、
ウガンダのナカワ職業訓練校だ。
る。そのうちの数本は、 年代に
く一本道には、ヤシの並木道があ
NVTIの入口から事務棟に続
だ。
ウガンダとの連携も始まる予定
動車株式会社の現地法人、トヨタ
力も新たな段階に入り、トヨタ自
負うように。3月からは日本の協
元企業の従業員の職業訓練も請け
た﹂と 話 す。現 在NVTIは、地
や熱意は変わらないと感じまし
カの職業訓練関係者も、真面目さ
供しようと真剣で、日本もアフリ
ねました。より良い職業訓練を提
ョップを何回も開催して議論を重
んな何事にも前向きで、ワークシ
料 や 教 材 な ど を 持 ち 寄 っ た。
﹁み
の関係者が集まり、参考になる資
from
派遣された日本人専門家によって
植えられたもの。その立派なたた
ずまいには、ここにしっかりと根
を張って学んでほしいとの思いが
感じられる。それを受け取ったか
のように、今日もまた、訓練生た
ちは汗水たらしながら懸命に学ん
でいる。
10
February 2015
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11 40
日本から訪れた村越祐民外務大臣政務官
(当時)
に説明するウガンダ教育
スポーツ省幹部とNVTIの指導員
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人づくりの重要性に注目が集まっている。
校内にはあちこちに日本の
協力の軌跡が見られる