アフリカ地域全体で 立ち上がる 2001年、 NEPADは﹁アフ リカ開発のための新パートナーシ ッ プ︵ New Partnership for Africa's ︶ ﹂と し て、誕 生 し ま Development し た。目 指 し た の は、ア フ リ カ 大 陸の国々が一丸となってパートナ ー シ ッ プ を 組 み、貧 困 撲 滅、持 続 可能な成長と開発、政治経済のグ ローバル化、女性の社会進出など を目指していくこと。国際社会の 支 援 だ け に 依 存 す る の で は な く、 民間資金も活用しながら自力で発 展していこうという動きです。 そして今、 NEPADでアフリカ の指導者たちが今後のビジョンと 年後を 行 動 を 検 討 し て い る の が﹁AGE NDA2 0 6 3﹂で す。 私たちはこれまでの 年に学ぶこ も予想できるはずがない。しかし、 先の未来がどうなっているか、誰 〝計画〟ではありません。そんなに 見据えた開発目標ですが、これは 50 とはできるはず、学ぶべきだと考 えています。 アフリカは多くの国が独立し始 めた1960 年代から、それぞれ の国で﹁政治的自立﹂に力を注ぎ、 ある程度の成果を得ました。それ を踏まえ、これからの 年で目指 すべきは﹁政治経済の変革﹂です。 商品の付加価値の向上、産業化を 進め、包括的な成長を遂げていか なければなりません。今年中には、 ﹁AGENDA2063﹂はアフリ カ 連 合︵AU︶の サ ミ ッ ト で 正 式 に採択される見込みです。 NEPA ベ ル、地 域 レ ベ ル で、こ れ を 実 現 DはAUの 開 発 部 門 と し て、国 レ していく役割を担っていくのです。 04 February 2015 アフリカ東部タンザニアの経済の中心地、ダルエスサラーム。近年、アフリカ都市部の成長は誰が見ても明らかだ(撮影:久野武志) February 2015 05 50 50 かつては“暗黒大陸”ともいわれたアフリカ。 その地域が今、目覚ましい経済成長を遂げている。 さらなる発展のために、彼らはどのような道を歩むのか。 アフリカの地域統合を支える組織、NEPAD※の イブラヒム・アサネ・マヤキ計画調整庁長官に聞いた。 ※ アフリカ開発のための新パートナーシップ(New Partnership for Africa's Development)の略称。 特集 動く、アフリカ リカは天然資源の宝庫といわれて いますが、それをどのように産業 する上で、アフリカはさまざまな ﹁AGENDA2063﹂を実行 て 苦 難 の 年 で し た。そ の 原 因 が、 20 14年は、アフリカにとっ をつくらなければなりません。 して、地域として、きちんと 政 策 の活性化につなげていくか。国と 壁に直面しています。一つが人口 日本でも連日報道されていたエボ としてぜい弱な部分が多くあるた ベリアなどの紛争終結国はまだ国 で す。さ ら に、シ エ ラ レ オ ネ、リ 的資本への投資が必要不可欠なの 味での成長を遂げるためには、人 れが明らかになった今、本当の意 ながっていなかったからです。そ が公共衛生システムへの投資につ ませんでした。それは、その成長 の流行を早期に抑えることができ かせていましたが、エボラ出血熱 は、近年高い成長率でその名を轟 ば、感染国の一つのシエラレオネ ばならないということです。例え います。 ルでの啓発活動も重要だと考えて 構築はもちろんですが、住民レベ なりません。政府レベルでの制度 フリカで慎重に精査されなければ 公共衛生システムは、これからア も言えます。 の広がりを抑えることができたと て協力体制に出たことで、感染国 押ししました。地域が一体となっ 世界保健機関︵WHO︶の介入を後 ら調整役を買って出て、現場への 同体︵ECOWAS︶が早い段階か ん。今回は西アフリカ諸国経済共 策を取っていかなければなりませ ©Shinichi Kuno め、このような不測の事態に備え アフリカの成長の可能性は無限 06 February 2015 未来の成長に向けて、 今の課題と向き合う 構造の変化です。近年、アフリカ て、制度をきちんと構築しなけれ 大です。私は地域を取りまとめる ■100兆CF以上 ■10∼100兆CF ■1∼10兆CF では若年層の人口増加が顕著です ばなりません。 公共衛生システムの充実化にはさ NEPADの 長 官 と し て、今 後 も ■100億バレル以上 ■10∼100億バレル ■1∼10億バレル らに注意を払い、改善を図ってい 天然ガス確認埋蔵量 きるものではありません。アフリ 国 境 を 超 え て 広 が る 感 染 症 は、 1951年ニジェール出身。97∼200 0年までニジェール首相を務めた後、 教育や保健医療の政策に特化した シンクタンクを設 立 。2 0 0 9 年から NEPAD計画調整庁長官。 言うまでもなく、国単位で解決で イブラヒム・アサネ・ マヤキ 原油確認埋蔵量 きたいと考えています。 原油 3 天然 ガス カ全体として、広域で戦略的に対 3 世 界 187.3兆m 世 界 1兆6,680億バレル 8% 14.5兆m ラ出血熱の流行です。西アフリカ 200 ©Takeshi Kuno ■ 天然ガス確認埋蔵量(2012) が、これから、さらに加速化する 350 動く、アフリカ 出典:JOGMECのデータを基にJICAで作成 を中心に混乱に見舞われ、今もな 400 特集 天 然 資 源 の 宝 庫! と予想されています。そこで問題 250 5 0(年) 20 お、その影響は続いています。 100 ここで私たちが学んだのは、繰 150 となっているのが雇用の確保であ 東アジア り、そのためには産業の活性化が 南アジア 300 ©Takeshi Kuno 南米・カリブ 50 40 20 30 20 20 ガーナでエボラ出血熱の感染防止に向けた啓発活動を行う青年海外協力隊 ■ 原油確認埋蔵量(2012) アフリカ 7.8% 1,300億バレル アフリカ February 2015 07 アフリカ 450 タンザニアでは、 日本ならではの5Sを取り入れた病院運営を日本人専門家が指導 り返しになりますが、アフリカが (百万人) 必要となります。そして2つ目は、 ■ 若年層の人口変化 20 10 20 00 20 0 9 19 0 8 19 0 7 19 0 6 19 5 19 0 0 出典:JICA「アフリカの若者に明るい未来を TICAD Vへの報告書」 目指すべき成長は包括的でなけれ 若 者(15∼24歳)の人 口 が 増 える! 天然資源のガバナンスです。アフ ア フリカ の ポ テン シャルとは?
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