メニューレシピの設計と マーケティング調査 田口 素子 早稲田大学スポーツ科学学術院 / 早稲田大学スポーツ栄養研究所 専門 略歴 スポーツ栄養学 早稲田大学スポーツ科学学術院准教授。早稲田大学スポーツ栄養研究所所長。早稲田大学大学院スポーツ科学研究 科博士後期課程修了。博士 ( スポーツ科学 )、管理栄養士、公認スポーツ栄養士、健康運動指導士。専門分野はスポ ーツ栄養学。国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部契約研究員、日本女子体育大学准教授などを経て現職。 特定非営利活動法人日本スポーツ栄養学会理事。日本陸上競技連盟医事委員。2010 年に秩父宮記念スポーツ医・科 学賞奨励賞受賞。ジュニアからトップレベルまでスポーツ選手および指導者に対する栄養指導経験豊富。 主な著書 「体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養 は「戦う身体をつくるアスリートの食事と栄養」( ナツメ社 )、 学 ( 編著 )」( 市村出版 ) など多数。 高齢者の生活自立や健康維持のためには、食事の内容が偏らないよう配慮しながら、十分なエネルギーと栄養素を 摂取することに加え、適切な運動を実施することが重要である。高齢者の一日の栄養摂取状況や低栄養状態などに関 する報告はあるが、食生活の実態や食事提供における満足度を踏まえて、ヒトを対象にした時間栄養学的観点から現 場応用を目指した研究は見あたらない。そこで本中課題では、高齢者の食と生活の実態や食事提供における満足度を 踏まえた上で、時間栄養学・運動学の視点で実施される他の中課題により得られた機能性食品成分と運動のベストな 組み合わせの知見を取り入れ、高齢者を対象としたメニューレシピの設計を行う。最終的には、新しい食事サービス を広く社会に還元するための具体的方策を見出すことにより、高齢者の QOL の向上に寄与することを目指す。本研 究は民間企業等と連携して実施中であり、SIP における出口戦略を担う。 平成 26 年度は 24 時間思い出し法および質問紙を使用した聞き取り調査により、高齢者を対象とした時間栄養学に 配慮した食事・生活の実態調査を実施中である(図参照) 。また、外部のフードサービス企業と連携し給食献立を蓄 積してデータベース化を進めることにより、栄養分析や献立の類型化作業を効率よく行うことが可能になる。そのた め、外部企業が給食を提供して いる高齢者施設における提供メ ニューを整理し、既存システム のカスタマイズとデータ入力方 法の検討を連携して進めること により、献立データベース化に 向けての作業中である。 平成 27 年度以降は献立ルール の整理と類型化を行い、献立マ トリックスとレシピコンセプト をかため、献立作成を行う。成 果物としてのメニューレシピは、 全国の高齢者福祉施設、総合型 地域スポーツクラブ、スポーツ ジムなどを通じて全国的に展開 する予定である。 21
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