Q 研究授業に備えて、学習指導案を書きます。「指導上の留意点」の欄に

Q
研 究 授 業 に 備 え て 、 学 習 指導 案 を 書 きま す 。「 指導 上 の 留 意点 」 の 欄 に、 何 を ど
のように書いたらよいか分かりません。書き方のヒントをください。
(小学校)
A
1
行動が伝わるように「具体的」に
「指導上の留意点」において、曖昧で分かりにくい表現を散見します。直しましょう。
例えば、
☓
友達の考えをしっかり聞かせる。
○
発言者の方に顔を向けさせる。
「しっかり」では、何をどうするのかが分かりませんね。「顔を向けさせる」とすれば、
行動が伝わります。副詞はなるべく使わないほうがよいです。
それから、比喩を使うのは避けましょう。例えば、
☓
「最期の時」という言葉を押さえる。(小5『大造じいさんとガン』以下同じ。)
○
「最期」を丸で囲ませ、国語辞典で調べさせる。
「押さえる」とは、教科書の上に指を置かせるのではないでしょう。あたかも指で押さ
えさせるかのように強調する、と比喩で表現しているわけです。比喩は改め、具体的な行
動を示しましょう。
2
授業場面が思い浮かぶよう「明確」に
読み手の頭に一つの授業場面が思い浮かぶように書きましょう。例えば、
☓
音読させる。
○
全員を起立させ、各自の速さで1回微音読させる。
「音読」なら、どのような状況で、どのように読ませるのか。読み手によって想像が異
ならないように書きましょう。回数も入れると、なおはっきりします。
次の例も、全く同じことです。
☓
考えを書かせる。
○
ノートに「結論→理由」を書かせる。(5分)
どのように書かせるのか。時間は何分取るのか。これらを明確に書きましょう。
そして、学習者の個人差への対応も書くとよいでしょう。
☓
机間指導をする。
○
書けない子どもには、「最期の時」に注目するよう助言する。
○
書けた子どもには、もう一つ理由を書くよう助言する。
「机間指導」とは、何を、どう指導するのかが伝わりにくいところです。まさか思い付
きで個別に話し掛けるのではないでしょう。場面を想像して、話しかける言葉をあらかじ
め想定しておくことです。
具体的に書けば、授業者自身の見通しもはっきりします。次はこう進めるのだという見
込みが立ちます。例えば、話し合わせる場面です。
☓
話し合わせる。
○
1列(5人)を順に指名し、その後ほかの意見を聞く。
○
大きく「じゅうを下ろしたところ」と「強く心を打たれたところ」とに分ける。
このように、手順をなるべく細かく書きます。
さらに、当たり前と思われる授業者の行為も、簡潔に書き入れておきましょう。
○
「作業プリント№1」(自作、後掲)を配付する。
○
子どもの発言の要点を板書する。
○
机を班の形にするよう指示する。
3
「もしも……」に備えて
必ずしも授業者が望む反応が出てこないことが予想される場合が多々あります。そのよ
う な と き の対 応 策 を 書 いて お く と よい で し ょ う。 た だ し 、「 ヒン ト を 出す 」 で は 、ど のよ
うな「ヒント」を出すのか、はっきりしませんね。
☓
ヒントを出す。
○
本 文 か ら 証 拠 の 言 葉 (「 最 期 の 時 」、「 頭 領 と し て の い げ ん 」) を 見 付 け る よ う 指
示する。
○
「残雪」の様子が分かる言葉に傍線を引くよう指示する。
○
発言が途切れたら、本文を再度音読させる。
○
隣同士で、2分ほど相談させる。
○
まだ発言していない人が立つように指示する。
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