えのきたけの通年消費を目指して~美しくヘルシー「えのマヨ」開発事業

平成 25 年度
市町村名
新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組
企業等の名称
長野県須坂市
えのきたけの通年消費を目指して
~美味しくヘルシー「えのマヨ」開発事業
一般社団法人 長野県農村工業研究所
代表者氏名
理事長
所 在 地
長野県須坂市大字須坂 787-1
連 絡 先
026-248-0876
U R L
https://www.nn.zennoh.or.jp/noukouken/
事 業 名
企業等概要
大槻
憲雄
平成 27 年 1 月現在
【事業者概要】
農畜産物の高付加価値化のための加工技術・製品の開発
【事業概要】
◇背景・経緯
須坂市
須坂市は長野県の北東部に位置する人口 52,168 人(平成 22
年国勢調査)の田園工業都市である。
長野県はえのきたけの生産量が全国1位を誇り、国産えのき
たけの約半数を占める。えのきたけの需要は、秋季から冬季が
CraftMAP
高く、季節性の高い食材であり、市場は供給過多の状態にある。
そのため、通年需要が見込める加工食品の開発が求められていた。
えのきたけは、カットや加熱等の加工をすると見た目が悪くなり、食品的な価値が落
ちてしまう。この欠点を補う手段として、農村工業研究所では、磨砕等による物理的破
壊を施す手法の開発と、製造物とのマッチングを検討してきた。健康志向の高まりから、
健康訴求(カロリー訴求、コレステロール訴求等)タイプのマヨネーズの市場が拡大し
ていることに着目し、えのきたけの磨砕物にマヨネーズ原料を混合したところ、その乳
化作用・マスキング効果から、異味異臭が無く、低カロリーで食物繊維が豊富なえのき
たけを活かしたマヨネーズ風調味料ができることを新たに発見した。
本事業は、この製造技術を活用してマヨネーズ風調味料を商品化し、えのきたけの消
費拡大を図るもの。
えのきたけ
きのこ栽培(研究所内)
◇研究開発の概要
えのきたけペーストを利用したマヨネーズ風調味料の商品開発、販路開拓を行い事業
化を目指す。
【成果】
◇地域性・特徴
長野県の特産物の一つであるえのきたけの加工による食品的な価値低下の課題をクリ
アし、通年需要が見込める調味料として利用することで消費の拡大が図られ、地域活性
化につながる。
カロリーがほとんどないえのきたけを多く加えることで低カロリーを実現。さらに、
えのきたけに含まれる食物繊維や免疫力を高めるβグルカンが加わり、通常のマヨネー
ズに比べると栄養価が高く、他のマヨネーズ風調味料にない特徴である。
◇商品化・販売先
マヨネーズ組成物をベースに、えのきたけペーストを 45%使用した低カロリーのマヨ
ネーズ風調味料を試作。パッケージの検討、アンケート調査等を行った。プレーンの他
に3種類(七味・ラージャン・黒胡椒)の味がある。
ペースト状にしたえのきたけとマヨネーズ原料を混合した「マヨネーズ組成物」の製
造技術については、特許を取得している。
【今後の展望】
展示会出展や営業の際には高い評価を受け、食品卸売業者等も製品の取り扱いに前向
きであった。現施設では、量産化に対応できないため、他の民間企業への移管を行い、
量産化体制の構築を目指す。