宍道湖シジミ(ヤマトシジミ)の陸上飼育技術の確立及びシジミ成分を用

平成 25 年度
市町村名
新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組
企業等の名称
出雲市
宍道湖シジミ(ヤマトシジミ)の陸上飼育技術の確立及びシジミ
成分を用いた健康食品の開発事業
大福工業株式会社
代表者氏名
代表取締役
所 在 地
島根県出雲市枝大津町 2 番地 7
連 絡 先
0853-21-4151
U R L
http://www.daifuku-izumo.co.jp/
事 業 名
企業等概要
福代
明正
平成 27 年 1 月現在
【事業者概要】
ウォータージェット事業、地盤改良事業、汚泥土壌地盤
対策事業等、農園芸施設の機器研究開発・製造販売、水産
資源の研究開発・販売、天然鉱物の研究開発・採取・加工・販売
出雲市
【事業概要】
CraftMAP
◇背景・経緯
出雲市は、島根県の東部に位置する、人口 171,485 人(平成 22 年国勢調査)の都市で
ある。肥沃な出雲平野に育まれた県内随一の農業地帯であり、日本海には多くの漁港を
有し、シジミなどの内水漁業も盛んである。
宍道湖のシジミは、年々漁獲量が減少し、平成 23 年には 5 年前の 3 分の 1 の約 2,300
tまで落ち込んでいる。シジミが減少した要因は、水温の上昇や、塩分濃度・酸素濃度
の減少、エサとなる珪藻の減少など諸説ある。
通常シジミの人工育成は、商品として販売できるサイズに成長させるまでに 2~3 年を
要し、コストがかかり事業化するには採算が合わない。
漁獲量の減少は、雇用や観光産業への影響が大きく、研究機関や漁業関係者が調査研
究に取り組んでいる。本事業は、水槽を用いた陸上飼育技術を確立しシジミの増殖を目
指すもの。
宍道湖のシジミ
シジミ漁獲量の推移
◇研究開発の概要
大福工業㈱は、土木・建築業の他に、地盤改良事業、汚染土壌地盤対策事業等の環境
分野にも取り組んでおり、自社の研究設備を活用して、松江市・出雲市内の建設会社、
宍道湖漁業協同組合斐川漁業会とも連携・協力し、シジミの陸上飼育技術の研究を行う。
また、通常は一般廃棄物として処理されるシジミの貝殻を再利用した商品の開発を行
う。貝殻から人工真珠層を作製し、工業原料として利用する。
【成果】
◇地域性
宍道湖は日本有数のシジミの産地であり、宍道湖シジミのブランドは全国的にも有名
である。また、宍道湖周辺では約 300 名がシジミ漁に従事しており、シジミの陸上飼育
技術の確立により、シジミ資源を守り、地域産業の活性化にもつながる。
◇商品化・販売先
ビニールハウス内の水槽で、シジミが生育しやすい水温を保ち、人工授精や、給餌装
置や酸素供給装置により発育期間を縮めるための実験・検証を行った。
シジミの貝殻から得られる物質から天然の真珠層と類似の構造を作製できることがわ
かった。金属アレルギー症状等を引き起こす添加物等を使用しない化粧品(マニキュア)
等の商品開発を進めている。
飼育場
飼育中のシジミ
飼育用水槽
【今後の展望】
シジミの陸上飼育により蓄積したデータやノウハウを、シジミの養殖・育成研究に携
わる他団体とも共有し、シジミの養殖・育成技術の確立、シジミ資源の復活を目指す。