平成 25 年度 新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組 事 業 名 島いわがきの高付加価値化と自動洗浄装置開発 市町村名 海士町 企業等概要 企業等の名称 海士いわがき水産株式会社 代表者氏名 代表取締役 所 在 地 島根県隠岐郡海士町知々井1003‐3 連 絡 先 08514-2-1700 U R L http://www2.crosstalk.or.jp/iwagaki/ 大脇安則 平成 27 年 1 月現在 【事業者概要】 いわがき「春香」の養殖・販売 海士町 【事業概要】 CraftMAP ◇背景・経緯 日本海の島根半島沖合約 60km に浮かぶ隠岐諸島の一つ中ノ島を海士町といい、人口 2,374 人(平成 22 年国勢調査)、面積 33.46 ㎢、一島一町の町である。 いわがきの養殖は平成4年に隠岐で初めて成功。海士町においては、平成 14 年より養 殖いわがきのブランド化を推進し、首都圏に出荷している。海士いわがき「春香」は海 士町が誇る特産品であり、平成 14 年の 8 万個から平成 24 年には約 30 万個に出荷数を増 やしている。 養殖技術が向上し、生産個数が年々増加する一方で、作業現場は高齢化が進み、労働 力確保が深刻な課題となっている。 養殖されたいわがきは海藻やフジツボが付着してお り、流通段階での衛生状態を保つため、これらを取り除 く必要がある。この磨き作業は一つ一つ手作業で行うし かなく、労働力の確保が難しい海士町において、いわが きの出荷数を増やせない要因となっている。 本事業は、自動洗浄(磨き)装置を開発し、いわがき の出荷数の増加、地域産業の活性化を図るもの。 海士いわがき「春香」 ◇研究開発の概要 養殖いわがきに付着しているフジツボ等を取り除く自動洗 浄装置の開発。 水圧では取り除くことができないフジツボ等を、磨き工程 において特殊な回転ブラシをフジツボに当てることにより弾 き飛ばしている。本事業では、手作業による磨き工程を自動 化するための装置を開発する。 いわがき磨き作業 【成果】 ◇地域性・特徴 いわがきは3~5月が旬のため、磨き作業は、期間雇用者に頼っているが、人口の少 ない海士町において、期間雇用者の確保は難しい。磨き作業が自動化されることにより、 出荷数が増え地場産業が活性化し、UIターン者への魅力的な雇用・起業環境の整備に 繋がる。 養殖いわがきは海士町だけでなく隠岐を代表する水産物であり、自動洗浄装置が開発 されることにより隠岐全体の出荷数が増え、地域への経済効果は非常に大きい。 ◇商品化・販売先 いわがきのフジツボ等を自動で除去する試作機を製作した。現場で実際に使用しなが ら、改良を重ね実用化を目指している。 自動洗浄装置側面 研磨コンベア入口 下面研磨 【今後の展望】 近年、首都圏ではオイスターバー等の出店が増えており、温暖な隠岐の美しい海域で 育つ海士のいわがきは一般的な牡蠣に比べ厚みがあり 人気が高く、今後も需要が伸びることが予想される。 磨き作業が自動化されることにより、いわがきの出荷 数が増え地域産業の活性化につながる。 また、いわがきに限らず牡蠣全体の需要が増えてい るため、開発した自動洗浄装置は全国の牡蠣生産者の 作業効率を向上させ、牡蠣類市場全体の活性化が期待 される。
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